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剛力彩芽と学ぶエネルギー問題とSDGs:『みんな電力』が提案する「5分でできるSDGs」とは?

剛力彩芽と学ぶエネルギー問題とSDGs:『みんな電力』が提案する「5分でできるSDGs」とは?

#RADIO
  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに

持続可能な開発目標「SDGs(エスディージーズ)」を学べるニッポン放送の特別番組『SDGs MAGAZINE』。2021年2月5日に放送された第11回はSDGsのゴール7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」がテーマとなった。番組の後半では、このゴール7の達成に向けて新しいアプローチで取り組む企業『みんな電力株式会社』を紹介。女優、剛力彩芽さんが、国際エネルギー経済学会のエグゼクティブヴァイスプレジデントを務める山下ゆかりさんとともに、同社代表取締役の大石英司氏に話を聞いた。

番組では毎回、SDGsにまつわる人や企業、SDGsにつながる取り組みが紹介されており、今回はゲストとして『みんな電力株式会社』の代表取締役・大石英司氏が招かれた。この『みんな電力』とは「顔の見える電力」をコンセプトに掲げる電力会社。2011年に設立され、太陽光や風力など自然エネルギー、再生可能エネルギーを中心とした電力の小売りサービスを展開している。

剛力 「コンセプトはエネルギーの生産者が分かる『顔が見えるでんき』とか。今、さまざまな地域や個人でも自然エネルギー、再生エネルギーを生み出し電力にしていますが、それを選んで買うことができるサービスということで、これは顔が見える農産物とか畜産物と同じイメージなのでしょうか」

大石 「『顔が見える野菜』の電力版みたいな感じですね」

剛力 「お野菜だと『これは〇〇さんがつくりました』といって写真などが載っていたりしますよね」

大石 「例えば、このニッポン放送さんの電気も誰がつくっているのか気になりせんか」

剛力 「なるほど。そういうことは、考えたことがなかったです。『みんな電力』は、電気を通じて地域間の“繋がり”をつくったことなどが評価され、ジャパンSDGsアワードの『SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞』を受賞されたとか」

そんな会社を立ち上げた大石代表は1969年、大阪生まれ。明治学院大を卒業後、凸版印刷を経て同社を摂理した。

剛力 「まず、起業のきっかけは何だったのでしょうか」

大石 「『顔の見える電力』というのを思いついたのは2007年くらいのことです。有楽町線に乗って吊革につかまっていると、目の前に素敵な方が座っていまして、ソーラーのついた携帯の充電器をカバンにぶら下げていたんです。僕のガラケーの電池がなくなりそうで、この素敵な方の電気を分けてもらえないかな、この方がつくった電気なら200円で買っても良いな、と思った時に『あっ! 電気って誰でもつくれる時代になっているんだ。しかも、この人がつくったとかでつながりが生まれたら、そのつながりに金銭的な価値が生まれるんじゃないか』と思ったんです。例えば、子供がつくった電気を親が買う、おばあちゃんがつくった電気を息子が買う。電気って富を生み出しますよね。一部の人が独占していた電気という富が、子供も、おばあちゃんも、素敵な方もつくれるなら富の分散化が起こるんじゃないかと思いました。みんなが電気をつくって、それを選ぶ仕組みがあればということで、この事業を思いついたんですよね。ですから、とっても不純な動機です(笑)」

剛力 「不純じゃないと思いますよ! 私も、エネルギーと聞くと漠然としているというか、すごく大きなもののイメージがあったので、そこが見えるというのはエネルギーを考えるきっかけになるのかなと思いますね」

電力業界は2016年4月から電力自由化のもと、さまざまな企業が新規参入しているが、『みんな電力』は、それ以前から電力の小売りサービスに取り組んできた実績がある。特徴的なのが、誰かがつくり出した電力を選んで買うという“ストーリー性”だ。

大石 「皆さん、コンセントの向こう側や、今かけているドライヤーの電気が誰にお金を払うことで使えているのかって意識することはないじゃないですか。場合によっては、自分の電気代月々1万円だとして、その1万円でCO2を生み出し、アラブの石油王の懐にチャリンチャリンとお金が入っているかもしれない。そうした電気代の支払い方よりも、例えば自分の故郷である青森の横浜町というところの風力発電にお金を払えたら、その1万円で再生可能エネルギーを増やすこともできるし、青森県にお金を落とすこともできる」

山下 「電力を使う人が投資家にもなれちゃうということですね」

大石 「新しい視点ですよね。自分が使っている電気、使いたい電気を投資で応援できる側面もある。ちなみに、自分の使っている電気、コンセントの向こうが誰につながっているのか、剛力さんはご存知ですか」

剛力 「いや、分からないですね」

大石 「でも、調べれば電力構成って書いてあるんですよ。どんなところから私たちの電力会社は電気を仕入れているのかということが」

剛力 「そうなんですね!」

大石 「皆さん、食品を買うときは成分表を見て買うじゃないですか。電気を買う時も、何が良いということではなくて、きっちりと成分表を見て、自分のライフスタイルに合わせて納得して買うということが大事なんじゃないかなと僕は思いますね」

剛力 「その電気がどうつくられているのか、分かるということですね。風力なのか、石油なのか…。それ、大事なことですね。『みんな電力』が、その先で目指しているところはどんなところですか」

大石 「みんなで電力をつくって、好きな電気を選べるようになったらいいなと思っています。電気をつくる側のハードルも下げていきたいと思っているんですよ」

剛力 「それって難しくないのでしょうか」

大石 「そこもイノベーションの余地があって、家庭の屋根に太陽光パネルを載せるのも一つの参加の方法だし、いろいろな参加の仕方でハードルを下げる方法を考えています。例えば、剛力さんが『発電してみたいんだけど』と言って『顔の見える電気』のラインアップに入って、ファンに『私の電気でテレビを見ようよ、ラジオを聞こうよ』と言ってもらえたら『剛力さんにお金を払うんだったら、しかも再生エネルギーを使えるんだったら、普段10円の電力に500円を払ってもいいかな』と思う人がいるかもしれないわけです」

剛力 「自分がつくっている電力でテレビを見たり、ラジオを聞いたりしていてくれたら私もうれしくなりますね」

山下 「剛力さんが『私、風力が良いんだけど』と言ったら、風力発電はこうしてやるんですとか、教えてくださる方がどなたかいらっしゃるんですか」

大石 「そうですね。風力だと大きな基地が必要で、投資も大きな金額になりますけれども、電力をつくる側として参加してみたいという方には私たちがバッチリ、サポートします」

山下 「大石さんにコンタクトすれば発電家になれる!」

大石 「野菜の生産者のように、電力の生産者になれます。誰でもできますから」

剛力 「発電で一番スタンダードなのは何ですか」

大石 「『みんな電力』で仕入れている中で多いのは風力ですね。次が太陽光、水力、あとは廃棄物。番組の前半でユーグレナさんの話が出ましたけど、そうしたものを利用した再生可能エネルギー、『FIT電気』(再生可能エネルギー電源を用いて発電され、固定価格買い取り制度FITによって電気事業者に買い取られた電気)と呼ばれるものも含めると、『みんな電力』の再生エネルギー比率は日本一なんです」

剛力 「電気を通じてつながりが生まれるというのは、すごく良いですよね」

大石 「コンセントの向こうが長野県の○○水力発電につながっていると分かったら、行ってみようかなとも思うし、興味も沸くじゃないですか。地方と関係する人口、接点を増やしていくことにも貢献できるので、単に再生エネルギーを増やして脱炭素化を進めるだけじゃなく、地域とのつながりを持てるというのも僕らの特長なんです」

山下 「供給元は地方が多いんですか」

大石 「どちらかというと、自然豊かな地方が多くなりますね。地方は自然を生かして電力をつくる。首都圏にいる人は使うことしかできないから、使うことで応援をする。そういうことができればいいなと思います」

剛力 「例えば、どんなところとのつながりがあるんですか」

大石 「今、人気なのは小田原のソーラーシェアリングという畑の上にソーラーが載っているところです。畑の上なので、畑では農作物もつくれるし、その上でエネルギーもつくれる。面積当たりの収入が大体、通常の農家の収入が4~6倍になると言われていて、その収入で人を雇えるから農家の活性化にもつながる。日本中に耕作放棄地ができているので、土地の収入を増やして農家の人の収入も増やしていくことは大事なことです。みんな電力のHPを見ると『おひるねみかんODAWARA発電所』というのがありますので、見てみてください。『みんな電力』では、発電所オーナーを応援する仕組みもあるので、ふるさと納税のように100円とかが直接払われるんです。大体6~10カ月間応援しているとみかんジュースなどのふるさと産品が届きます。これって、ちょっと楽しいじゃないですか。つながって、お裾分けですっていう感じで届くので」

山下 「コロナの影響で、どこででもリモートワークができるようになり、地方に住んでみたいという人が増えているじゃないですか。その時に、発電もやるし、畑も耕して、しかも都会に住んでいる人と電気でつながれる。それはいいですね。いろいろな可能性があるなと思って聞いていました」

大石 「電気でつながる、コンセントの向こうにいる志のある人、思いを一つにしている人とつながる。ドライヤーを使うたびに、テレビを見るたびに、そこにお金が落ちていく。それって、電気を使うことでそこに貢献していくことになりますからね。しかも、電力の切り替えは5分でできますから。電力の検針票を横に置いて、パソコンで切り替え手続きをすると5分で終わるんです。『5分でできるSDGs』『5分でできる気候変動対策』なんです」

剛力 「それ、素晴らしいですね。電力って大きな会社のものというイメージを勝手に持っていました」

大石 「しかも、気候変動対策はSDGsの中でも期限が近くて、あと4年が勝負だと言われているんです。この4年でしっかり対策をしないと、温暖化はものすごいスピードで悪化すると言われています。ただ、危機感をあおりながらやるのはストレスなので、楽しく地方とつながったりしながら気候変動対策とかSDGsを達成できたらいいなと思うんですよね」

山下 「前向きなのはいいですよね。そのほうがアイデアもたくさん出てくるし、やる気も起きます」

大石 「きょう一つぜひ皆さんに知っていただきたいのが、家庭で生活していて、実は一番CO2を出しているのが電気だということです。ガソリンの自動車に乗るよりも電気の方がCO2を出しています。プラスチックのコンビニ袋よりも、電気のほうが出しているんです。ほとんど自覚がないですよね。ここを自然エネルギー100%に切り替えるだけで、半分くらいCO2を減らせる。実は、こんなに効率のいい気候変動対策はないんです。まず自然エネルギーに切り替えることが最初にできるSDGsといえます。多くの人が関心を持って、集まってやるというのが大事。一人一人の力ってすごく大きいんです」

剛力 「最後に大石さんの10年後、SDGsが達成目標に定める2030年への思いを聞かせてください」

大石 「SDGsの達成に対しては、すごく大仰に難しいことのように構えてしまい、ハードルが大きすぎて立ち止まってしまうことって多いと思うんですよね。ただ、例えば『5分でできる再生可能エネルギーへの切り替え』もそうですし、やれることって身近に意外とたくさんあったりするものです。その積み重ねがSDGsの達成につながっていくと思いますし、SDGsの理念の中でも一人一人を取り残さないというところがとても大事なポイントだと思うので、そこをみんなで意識してやっていけばいいんじゃないかなと思います」

剛力 「本当に今回、山下さんや大石さんの話を聞いてエネルギーというものがすごく身近になりました。やっぱり知るって本当に大事だなと思いました。私にとって、ゴール7は難しいと思っていたジャンルだったのですが、私たちの一つ一つの行動で新しい未来に向けて何かが動いたらいいなと、ワクワクするものを感じています。まず、家に帰って電気の状況を調べてみたいと思いましたし、知る、見るというのはすごく大事なことだと思いました。それが今回のテーマだったゴール7だけでなく、SDGsの他のゴールにもつながっていくことなのだと改めて思います」

エネルギー問題というと難しく考えがちだが、実は意外と身近な問題であり、身近なところに解決の糸口があるもの。ゴール7『エネルギーをみんなに そしてクリーンに』をテーマにした今回の放送を通じて、剛力さんにも感じるものが多くあったようだ。

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