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“注文のできない”料理店?オール・サステナブル・フレンチ「Nœud. TOKYO」の一期一会なコース料理を編集部員がレポート

“注文のできない”料理店?オール・サステナブル・フレンチ「Nœud. TOKYO」の一期一会なコース料理を編集部員がレポート

#OPINION #SHOW CASE

新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、今までのような営業ができない飲食店が増えています。通常の営業ができない、営業時間の短縮を余儀なくされてしまうお店が増えたことで、生産者のもとにある食材の行先がなくなる事態も起こっています。
また、せっかく仕入れた食材も、使われずに廃棄となる「食品ロス」も起こっています。
現在、このような食品ロスを減らすために、「必要な分だけ仕入れる」「ロスする分を安く売る」「ロス予定の商品のみを提供する」といった取り組みを行う飲食店が増えてきています。
これは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」のうち、ターゲット3番目の「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる。」という目標に繋がるアクションです。

SDGsに特化した”オールサステナブルフレンチ”が東京・永田町に誕生?

そんな中、仕入れから調理法まで、とにかくサステナブルに特化し、大きな話題を集めている「Nœud. TOKYO(ヌー. トウキョウ)」というレストランが東京にあると聞きつけ、取材へ行ってきました。

ヌー.トウキョウ 入り口

2020年7月にオープンしたヌー.トウキョウは、オープン当初から食材や調理方法、店舗をつくる資材やメニュー表にいたるまで、すべて「サステナブル」にこだわり尽くした“オールサステナブルフレンチ”です。
使用される食材はすべて国産で、生産者にシェフが直接会いに行き、生産方針なども聞いた上で買い付けています。野菜であれば無農薬や有機栽培、ジビエや魚は極力自然の形で生育しているものを選び、家禽は無投薬や平飼いなどで育てられている食材を厳選し選んでいます。
魚類は、市場に行くだけではなく、「魚を売り切ることができない」とSOSを出しているところから仕入れをするなど、食品ロスを減らすための方法をとっています。まさに「サステナブル」なお店ですね。

同じ料理には二度と出会えない!?”一期一会”のコース料理たち

このような食材選びを行っているため、その日の入荷状況によってコースに登場するメニューが変わってしまうことも。グランドメニューと呼ばれる固定のメニューはなく、提供されるメニューにも名前がありません。同じ料理には二度と巡り会えないかもしれないことも1つの大きな特徴です。
ヌー.トウキョウではこれまで、17時と20時からの二部制でディナーコースを提供していましたが、今年の5月からはランチコースもスタートしました。
今回はこちらのランチコースを堪能してきました!

ヌートウキョウ 一品目

コースの最初は2種類のタパスが登場。
まず一品目(写真右)は上から振りかけられた緑茶のパウダーが色鮮やかなじゃがいもの冷製スープ。石の上にのったビジュアルが何とも印象的なもう一品(写真左)は、大根をゆで、焼き付けて乾燥させたものにトマトコンフィ、クレソンをのせて仕上げた一皿。

ヌー.トウキョウ 二品目

三品目は、アスパラと千葉県産のサバを使ったオードブル。
白いパルメザンチーズのソースと、クレソン・春菊から作られた緑のソースが色鮮やかです。
中でも特徴的だったのは、添えられていたアスパラガスのアイスとたまねぎです。温かい料理と冷たいアイスの温度変化が何とも楽しい一品でした。

ヌー.トウキョウ 三品目

続いては、人参を使ったお料理が登場。人参を塩漬けし、香辛料とともに低温で火をいれて燻製に仕上げるという、ソーセージと同じ工程で作られています。
シェフいわく、ベジタリアンの方にもお肉のような味わいを楽しんでいただけるようなものを目指し生まれた一皿とのこと。
化学調味料などを使用しお肉の味わいに近づける「ケミカル」な調理方ではなく、食材そのものの美味しさを引き出しつつ、ベジタリアンの方にもお肉に近い味わいを楽しんでもらえるような「無理をしない」調理法が徹底されています。
また、付け合わせのお野菜にも人参の葉を使用、ソースについても人参をカラメル化するまで炒めて作られており、食材を丸ごと余すことなく使用した一品となっていました。

ヌートウキョウ メイン料理

続いてはメインのお料理。
豚肉、鶏肉、鴨肉、鹿肉、猪肉などの中から、ディナーのコースで使いにくい端肉の部分を集め合わせて仕上げたパテに、静岡県産のたもぎ茸、エリンギ、ヤナギノコ、栃木県のしいたけ、岩手県産のマッシュルームのラビオリをのせ、パセリパウダーを振りかけて仕上げたメイン料理。
食材を余すことなく使用し、可能な限りごみを出さず「ムダにしない」調理法が存分にいかされていました。
その日によって使用されているお肉の種類や割合が違うというのもとても面白いですよね。

ヌートウキョウ デザート

コースの最後は京都府・るり渓やぎ農園の山羊ミルクを使ったデザートが登場。
山羊の乳を煮詰めてつくったソースにヨーグルト、同じくヤギミルクのムースとアイス、ソルベが添えられています。
その他にもこだわりのペアリングティーから石の上に鎮座するカヌレなど紹介しきれないほど盛沢山のフルコースを堪能させていただきました!

食材だけじゃない!店づくりにまで行き届いた”サステナブル”の精神

上記でご紹介をした通り、ヌー.トウキョウではあらゆる食材の調達や調理法において「無理をしない」、そして「ムダにしない」、サステナブルにこだわった調理法が徹底されています。ただ、その精神は食材だけにとどまらず、店舗内部のデザインなどお店作りの細部にまで及んでいます。

安土桃山時代の貴重なリサイクルされた土を店内の壁に使用”

ヌートウキョウ 内装

店内の壁は京都西陣にある聚楽第跡地(じゅらくだいあとち)付近の古い蔵を解体し、そこに保管されていた「聚楽土(じゅらくど)」をリサイクルし使用。店舗の壁には石膏ボードなどの使い捨ての下地材を極力使用せず、土と石灰、にがりを混ぜ、しめ固めて構築する「版築(はんちく)」という、古来から伝承される左官工法を用いた土壁となっています。土の壁はコンクリートとは違い、「呼吸する壁」と言われており湿度調節にも優れています。

地産地消を考えた、国産杉の対面カウンターと北海道のナラ材椅子”

ヌートウキョウ 内装

店内のテーブルと椅子には国産の木材を使用し地産地消を推進。テーブルは愛知県豊田市の国産杉を可能な限り原型のまま加工。北海道旭川のナラ材を使用した椅子は、伐採した森のそばで加工されています。素材の二次加工をなるべく減らし、自然のまま使うことで、内装建材からも地球環境との関わりを感じることができる空間を目指しているとのことです。

紙を使用せず、QRコードでメニューを紹介”

ヌートウキョウ オーダー方法

提供されるお料理は毎日変わるため、紙のメニューを廃止しペーパーレス化。QRコードを読み取ることによりオーダーすることができます。メニューは料理名ではなく、その日使用する食材と産地のみが記載されています。これには食材そのものを味わって欲しいというシェフの思いが込められています。
細部までサステナブルが徹底された「Noeud.TOKYO」の取り組みにはもちろん、そのお料理の美味しさにも感動を覚えた編集部一同でした。
みなさまもぜひ一度お店に足を運んで、こだわり尽くされたフレッシュでサステナブルな「注文のできない料理店」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

〈Noeud. TOKYO(ヌー. トウキョウ)〉
■住所:東京都千代田区平河町2−5−7ヒルクレスト平河町B1
■TEL:03−6910−0233
■時間短縮営業中(2021年5月現在)
■定休日:毎週日曜日・月曜日
※緊急事態宣言に伴い営業時間等の変更する可能性もございます。
詳細は店舗公式ホームページよりご確認ください。
Noeud. TOKYO(ヌー. トウキョウ公式サイト

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