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「社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」に取り組む研究開発の提案を募集

「社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」に取り組む研究開発の提案を募集

#SHOW CASE
  • すべての人に健康と福祉を

環境問題、格差問題、貧困問題など、あらゆる問題が露呈してきている昨今。それぞれの問題に対して、解決の糸口になるべく様々な企業や団体が新しい取り組みを始めています。ですが、より良くしたいという志を持っていても、金銭的な問題などから、実現まで至らず、志半ばで断念してしまう方もいるのではないでしょうか。
SDGsの達成目標3の「すべての人に健康と福祉を」の内、3.dには「すべての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。」と制定されています。今回は、この目標の達成に貢献する、新しい取り組みを応援している組織をご紹介したいと思います。

研究者と社会の人々が「人が生きやすい社会にするためのアイデア」を連携して構築し、社会に適用するための活動をサポートするRISTEX(国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター)では、2019年度から「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」を実施しています。
このプログラムは、環境問題、高齢者や社会的弱者に配慮した社会の実現など、SDGsが関連するあらゆる社会問題に対し、人文・社会科学を含む科学技術イノベーションを活用することで、特定の地域における社会問題を解決。その成果を事業計画にまとめ上げて、国内外の他地域にも適用可能なソリューションとして提示することを目標としています。
2021年度の「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」は、新たな切り口として「社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」を目的とする新規研究開発提案募集を2021年5月20日から開始しています。

RISTEXは、近年注目されるSDGsの取り組みとして、これまで国連が定めた「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に対する国の実施指針等を踏まえ、取り組むべき社会的問題の調査分析・課題の抽出、有識者へのインタビュー等、事業の具体化に向けた検討を行っていました。
2019年度からは、SDGsの達成に向けて、複合的で幅広いテーマの地域課題に対して既存技術を活用した即効性のあるソリューション創出や、ソリューションの他地域展開を目指した研究開発プログラムとして、「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」と題した、シナリオ創出フェーズとソリューション創出フェーズの2種類の研究開発を実施しています。

©RISTEX

「シナリオ創出フェーズ」では、科学技術を活用して社会課題を解決する新たな社会システムを想定し、SDGsを達成する構想(シナリオ)を創出しており、「ソリューション創出フェーズ」では、SDGs達成のための解決策および事業計画(ソリューション)を創出するために、シナリオに基づいて研究開発を実施。地域における実証試験を経て課題解決策の有効性を確認するとともに、他地域に展開するための適用可能条件や環境設定も提示します。また、研究開発プロジェクト終了後の自立的継続のための事業計画の策定と、計画実行の準備を行っています。これら2つの創出フェーズにより、現在20以上ものプロジェクトにてSDGsの達成を目指しています。

新たに研究開発提案を募集する「社会的孤立・孤独」は、SDGsの重要な観点の一つであることから、「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム」の下で上記2つの創出フェーズとは異なる特別枠(社会的孤立枠)として、「社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」を設定し、研究開発を実施することが決定されました。
人口減少・少子高齢化・経済変動・新興感染症による影響など、さまざまな社会構造の変化を踏まえ、次の3つの研究開発要素、①社会的孤立・孤独のメカニズム理解とそれらを生まない新たな社会像の描出 ②リスクの可視化と評価手法の開発 ③予防する社会的仕組み(施策現場での概念実証)を一体的に推進する提案を募集しています。
特に、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受けて、今後、ウィズコロナ・ポストコロナの社会における望ましいつながりやネットワークの在り方を追求し、これを積極的に構築していく必要があることから、2021年度は全ての提案について、新型コロナウイルス感染症の社会的影響を踏まえることを求めています。

©RISTEX

プロジェクトに関しては、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)から応募し、書類選考と面接選考を行った後に、面談(採択条件の説明)を経て採択されます。採用されたプロジェクトは、原則1年半程度のスモールスタート期間にて、新しい社会像の実現に向けた構想策定・施策現場との接続などの体制構築を進め、ステージゲート評価を通過したプロジェクトは、その後原則3年程度の本格研究開発期間の支援を受けることになります。
スモールスタート期間は、年1,200万円程度上限の研究開発費(直接経費)、本格研究開発期間は、スモールスタート期間の予算規模と同程度~2倍程度の研究開発費(直接経費)が支援されます。募集期間は2021年5月20日(木)から7月20日(火)正午までとなっており、10月下旬に選考結果を発表予定。募集に際し、2021年7月1日(火)には、「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)」2021年度 公開オンラインセミナーおよび募集説明会が開催されます。社会的孤立・孤独に関する取り組みについての話題提供や、社会的孤立・孤独にどのような背景や課題があるのか、ウィズコロナ・ポストコロナ社会においてどのように社会的孤立・孤独を予防するのか、人文・社会科学や自然科学の研究者と施策現場など社会の多様な関与者がどのように共同できるのかなどをテーマにした座談会を行った後に、プロジェクト募集に関する説明会を行う予定です。こちらのURL(https://form.jst.go.jp/enquetes/ristex_koritsu_seminar_2021)から申込みができます。

これまで数多くの社会問題を解決するための研究開発をサポートしてきたRISTEXですが、今回はコロナ禍において深刻化する「社会的孤立・孤独」を解決に導くための研究を募集しています。今後もより良い社会に向けたサポートが進んでいくことを願い、応援していきたいですね。

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