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芸術家オラファー・エリアソンのアートとエコロジー

芸術家オラファー・エリアソンのアートとエコロジー

#SHOW CASE
  • 気候変動に具体的な対策を

突然ですが、デンマーク人芸術家オラファー・エリアソンという人物をご存知ですか?

2020年秋に東京都現代美術館で開催された個展は記憶に新しく、instagramでの#olafureliassonのハッシュタグ投稿は21万件を超えるなど、若者中心にSNSでも話題になりました。 彼は、『WaterFall』という代表作をはじめとした数々の名作品を手掛ける芸術家であり、アートを通じて環境保全活動に真摯に取り組む環境家でもあります。

《太陽の中心への探査》2017

そんな彼の作品を見てみると…
彼の作品をいくつかご紹介します。

Waterfall
Rainbow assembly
The weather project
2019年にロンドンの現代美術館、Tate Modernで行われた展示会のタイトルは、“In Real Life”


こうしてみると、彼の作品は滝や水、霧、光などといった自然現象がモチーフになっているものばかりで、どれも壮大な自然を連想させる迫力があります。枠縁に囚われないこの手のアートはインスタレーションアートと呼ばれ、空間そのものが作品になっているようなものを指します。彼のスペクタクルな作品たちは、観客にただ見せるだけではなく、五感をフル活用して体験させることで自然の壮大さや美しさを訴え、環境保護を呼びかけます。

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」ターゲット3「気候変動に対する、正しい知識と対応能力をみんなに」という項目がありますが、彼のアートがメディアとなり、環境に対する関心を持つ方も増えたのではないでしょうか。

彼のワークスタイルのきっかけとなった幼少期

彼の活動の軸は、幼少期の環境が影響しているといわれています。アイスランド系デンマーク人の彼は、あらゆる国を行き来する幼少期を送っています。荒涼とした砂漠、吸い込まれるような大きな滝、海、そして国名通り、あちこちに見られる氷…と、人の手の施されていない広大な大自然の広がるアイスランド。
一方で、世界幸福度ランキングでは何度も一位に輝き、出産、医療、教育費が全て無料であり、「成熟社会」と呼ばれるほど充実した福祉サービスが整っているデンマーク。
彼の作品内で表される自然の豊かさは、きっとアイスランド時代にみた美しい自然から来ているのでしょう。

これは彼がアイスランドで20年かけて撮影した、氷河の様子。徐々に氷が溶け、大きく変貌していることが分かります。

一貫した彼のワークスタイルは、作品のテーマだけに留まりません。例えば、展示会に作品を送り込む時は船便でCo2削減を試みるなど、徹底して環境を配慮しています。

また、彼は『Little Sun(リトルサン)』という社会事業も行っています。そこでは、無電化地域の人口が13億人だといわれる現状に着目し、取り扱いが簡単で持続可能な太陽光発電式のLEDライトを開発しました。

またこの慈善活動は、“成功したい”、“幸せになりたい”という世界中の人々が持つ願いに「光」を灯したいという思いが宿る社会活動でもあるそうです。このようなアイデアのインスピレーションは、きっと彼に刻まれたデンマークのアイデンティティーが影響しているのでしょう。

このグッズ、実は日本のMoMA Design Storeでも購入出来ます!

このように地球環境、社会問題に視点を置き、人々の幸福を願う彼は、アートを通じてそのエコロジーを人々に訴え続けています。

私たちも彼の想いを受け取って、人のため、みんなが住む地球のため、身近に出来ることから行動に起こし、リトルサンのように世界を明るく照らしていきたいですね!

記事内の画像出典:Studio Olafur Eliasson

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