“SDGs”と“企業”をもっと近づける!SDGs MAGAGINE

様々な障がいや特性を持つ人も過ごしやすい社会を。合同会社Ledesoneの取り組みとは。

様々な障がいや特性を持つ人も過ごしやすい社会を。合同会社Ledesoneの取り組みとは。

#SHOW CASE
  • 働きがいも経済成長も
  • 人や国の不平等をなくそう

企業における障がい者雇用の促進がSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成に繋がる取り組みであることをご存じですか。

実は17の目標の中には、障がい者雇用について触れているものがあるのです。これはSDGsの基本理念である「誰一人として取り残さない(No one will be left behind)」に基づいて設定されており、目標8「働きがいも経済成長も」、目標10「人や国の不平等をなくそう」にて具体的に述べられています。これら2つの目標の中で、障がい者雇用は次のようなターゲットが設定されています。

8-5.2030年までに、若者や障がい者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。

10-2.2030年までに、年齢、性別、障がい、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

日本でもこれらの達成のために「障がい者雇用促進法」の改正が2021年3月に行われ、民間企業の法定雇用率が2.2%から2.3%に引き上げられました。これは、従業員を43.5人以上雇用している場合、障がい者を1人以上雇用しなくてはならないことを示しています。厚生労働省の報告によると、令和2年時点で、民間企業※1に雇用されている障害者の数は578,292.0人で、前年よりも17,683.5人(前年比3.2%増)し、17年連続で過去最高となっています。一方で、実雇用率※2は2.15%(前年比0.04%増)にとどまり、引き上げ前の2.2%も達成出来ていません。また、法定雇用率の達成企業の割合は、48.6%(前年比0.6%増)と半分程度にとどまっており、企業によって取り組みに差があります。まだまだ、日本は「すべての人が暮らしやすい社会」にむけて道半ばといわざるを得ません。

合同会社Ledesone(レデソン)の取り組み

障がいを持つ人の雇用が進まない背景の一つには、「周囲から見えづらい困りごと」を抱える人の存在があります。その困りごとは見えづらいがために他人に理解してもらうのが困難であり、また企業でもどのように配慮・共生すればいいか分からないといった事例が多くあり、課題となっています。そこで、Ledesoneでは、働く環境やサービス提供について「障害を抱える当事者の視点」を取り入れながら改善することで、「ひとりひとりが過ごしやすい社会をともにつくる」ことを考えています。
障がいを抱えている当事者目線での商品開発や困りごとに配慮したサービス作りは、より多くの方にとって使いやすい商品・サービスになる可能性を持っています。また、当事者目線で働く環境を改善することでダイバーシティ経営の実現や働き方改革の推進にも繋がっていきます。これらの可能性の実現や環境の改善の推進は、SDGsの基本原則である「誰一人取り残さない」に対応するものであり、17の目標のうち目標8「働きがいも 経済成長も」、目標10「人や国の不平等をなくそう」の達成に貢献するものでもあります。
そんなレデソンの主な取り組み事例をいくつかご紹介します。

①当事者の生の声を集める座談会を実施
発達障害や発達のスピードが気になる子供が年々増加していく中、教育系企業として何ができるのか知りたいという某社の依頼により実施。当事者の保護者の方を集めたオンライン座談会を行い、座談会で得られた情報は、商品開発や社内の啓発に生かされました。

②音と目で楽しめる落語動画の制作
発達障害や精神障害の特性を持つお客様も多く来店する雑貨屋NEFNEが実施するオンラインイベントにて使用する落語動画の字幕を制作。音声の情報がうまく聞き取りづらい方や聞こえるけどわかりづらいといった方も楽しむことができる動画になっています。

③ハッタツソン
「目に見えづらい課題」について発達障害のある方とそうでない方がチームを組み、誰もが過ごしやすい社会を実現するサービスや仕組みを考え、作る3日間のアイデア創発プログラム。過去の開催では、「凹凸あるこうカードゲーム」などのプロジェクトが生まれています。

「凹凸あるこうカードゲーム」ハッタツソン2020でのプレゼンの様子

障がいのあるなしに関わらず、どんな人にもその人にしかない資質があります。今回ご紹介したLedesoneの取り組みは、そんなことを改めて思い起こさせてくれるものですね。真のダイバーシティ社会とはSDGsで掲げられているような「すべての人が働きがいをもって自己実現できる社会」のことではないでしょうか。そして、この実現のためには、多様な背景を持つ人を雇用し1人1人の“個性”を生かしていくことが必要です。

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