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経済を回して森を守ろう!大学生がはじめた新しい“竹藪改造”計画とは

経済を回して森を守ろう!大学生がはじめた新しい“竹藪改造”計画とは

#SHOW CASE
  • 陸の豊かさも守ろう

日本古来の茶室や坪庭には必ずといってもいいほど用いられてきた、竹。美しく凛と、まっすぐ伸びる竹は新年を祝う門松や松竹梅の縁起物として日本で長らく親しまれてきました。一方で、竹は強い繁殖力をもち、それ故に地方では「放置竹林」が問題となっています。

竹は厄介な存在だった?

「放置竹林」問題とは、手入れが行われず放置されてしまった竹が一気に繁殖してしまうことで、若年で背の低い植物は日陰におかれ生育できず、結果的に、生物多様性を損なってしまうという状況を指します。国連が掲げるSDGsには目標15「陸の豊かさをまもろう」という項目があり、持続可能な形で森林を管理することで生物多様性を豊かにし、天然資源を守ることを目標に挙げています。目標達成のためには、目標15ターゲット15.4「2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。」にも示されているように人間の手により管理を行うなどの環境保全活動が重要になってきます。

生物多様性がなぜ重要なんだろう?

「生物多様性って私たちに何の影響があるの?」と疑問に思われる方もいると思いますが、そもそも多様性の意義について考えてみるとわかりやすいのではないでしょうか。多様性のある森ならば、台風が来て風に弱い品種が1種倒れたとしても他の種は倒れず森は存続できますが、1種のみでは最悪の場合全滅してしまう危険性があります。そのため、多様性が損失することは環境変化への適応力の弱い社会を意味してしまうことになるのです。

また地方では放置された竹が畑や家の敷地内に侵入し、生活が困難になってしまうなど、実際人間にも被害が及んできています。そういった地方や地域が抱える問題を知り、学生ならではの発想で「放置竹林」問題を解決しようと取り組んでいるのが、地方創生インカレサークル「BAM部」です。

地方が抱える問題解決に若者が躍動! 「BAM部(バンブ)」

この団体は竹林整備と伐採した竹の利活用を通して「放置竹林」問題の解決を目指している地方創生インカレサークルです。この団体が特徴的なのは、ボランティアではなくお金が回せる持続可能なサイクルで運営を行っているという点で、伐採した竹を燃やし作った「竹炭」を土壌改良剤として畑に混ぜ、野菜の生産から販売まで自分たちで行うという徹底ぶり。

実際にナスやピーマンなど学生が育てた野菜は、JA直売所などで販売されています。検討されている今後の活動として、竹を利用したオリジナル商品の開発や「竹炭」や「竹チップ」などの土壌改良剤を用いた農業の活性化、そして竹の工作教室を通じた環境教育の提供など新しい分野にまで、精力的に活動を行っていく予定です。

ゼロミッション資源としての「竹」

竹であれば大学生であっても扱いやすいのではないかという思いから活動をスタートさせた「BAM部」ですが、竹の利用上の多様さから今後も幅広い活動が見込めそうですね。今回ご紹介した「BAM部」のように、竹ならではの特徴を活用し、マーケティングを行う仕組みづくりを作っていければ、竹の需要はこれからますます高まっていくのではないでしょうか。団体の活動について、もっと詳しく知りたい方はぜひ団体のWEBサイトを覗いてみてください!


「BAM部」
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