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ロゼ シャンパーニュは女性の活躍がなければ生まれなかったーシャンパンとSDGsの関係

ロゼ シャンパーニュは女性の活躍がなければ生まれなかったーシャンパンとSDGsの関係

#SHOW CASE #TREND
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 働きがいも経済成長も

クリスマスに年末年始と、イベントが目白押しである12月。乾杯にシャンパーニュやスパークリングワインを飲むことも多いですよね。知っているとかっこいいワインのあれこれ。実は、あのヴーヴ・クリコの歴史には現在の女性活躍にも繋がる精神が。ワインを入口にウーマンエンパワーの歴史をデータとともに読み解いていくと…

日本は世界3位のシャンパーニュマーケット

画像出典:シャンパーニュ委員会

シャンパーニュ委員会の調査によると、2020年のシャンパーニュ輸出国(ボトル換算)ランキングにおいて、日本はイギリス、アメリカに次いでなんと3位!ドイツ、ベルギーなどヨーロッパ諸国を差し置いて圧倒の量なのです。

さて、あえて「シャンパン」ではなく「シャンパーニュ」と述べていますがこの違いを知っていますか?「シャンパン」「シャンペン」「シャンパーニュ」と、いろいろな呼び方がされていますが、どれも間違いではありません。 『Champagne』というフランス語のつづりをどう読むかの違いです。 最も正式なのは、やはり「シャンパーニュ」。 日本ではワインを「シャンパン」と呼び、地方を「シャンパーニュ」と呼ぶことが多いようです。
豆知識としてぜひ覚えていってください。

フランスシャンパーニュ地方で広がる環境認識

フランスのシャンパーニュ地方は、多くのワイン産地の中でも、いち早く環境保全に対して積極的に活動をおこなっている産地なのです。更に、シャンパーニュ全体で2025年までに除草剤をゼロ、 2030年までに全エリアでの環境認証取得という目標を掲げています。そんな中、モエヘネシーでは5年前倒しで、2020年にシャンパーニュにあるモエヘネシー所有のブドウ畑で除草剤一切なくし、ワイン生産者のパートナーに対して持続可能な認定を受けるサポートも行っています。

ロゼ シャンパーニュを生み出した27歳の若き女性 マダム・クリコ

そんな日本人が大好きなシャンパーニュ。特に女性からはロゼが人気ですよね。華やかな輝きで沢山の女性を魅了するシャンパーニュ。その歴史の背景には、若くしてシャンパーニュ界に革新を起こした、マダム・クリコという女性の活躍がありました。1805年、27歳のマダム・クリコは夫を亡くしたのち、女性が仕事も銀行口座も持てなかった当時に夫の事業を継ぐ決心をしてブランドの後継者となり、長年にわたる努力により、シャンパーニュにおいて革新をもたらします。そして、濁りのない澄んだ美しいシャンパーニュを楽しむため生み出された動瓶台の技術や、初のヴィンテージ シャンパーニュの生産、初のブレンド製法によるロゼ シャンパーニュの開発など、多くの困難に直面しながらも自らの道を切り開いたのがマダム・クリコという女性でした。その多大な貢献によってシャンパーニュ地方のラ・グランダム(偉大なる女性)と呼ばれるほどに。女性がビジネスの世界で重要な役割を果たさなかった時代に、あえて、情熱と決断力で引き受け、会社のトップに就任したのです。

日本の女性起業家が直面する問題

近年、日本でも起業することがキャリア選択のうちの一つとして視野に入るようになり、年々女性起業家は増えています。
ヴーヴ・クリコは2019年に、女性の起業に影響を与える文化的・体制的な要因を探る調査を14ヵ国を対象に実施し、初の「女性起業家精神の国際的指標」として発表しました(対象国:オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、香港、イタリア、日本、ロシア、南アフリカ、韓国、スペイン、英国、米国)。さらに、世界の経済と文化が新型コロナの影響を受けた2021年発表の第2版調査では、調査対象国を新たに3ヵ国(メキシコ、ナイジェリア、スイス)追加した計17か国を対象に、女性起業家精神をめぐる各国の最新情報を更新しました。
調査結果から、女性の起業をめぐる社会的障壁の上昇傾向や、起業において困難を感じる女性の増加が数字で見えてきました。
事業のための資金調達に対して、男性より女性の方が困難であると考える「女性の総数」は53%(男性の総数では38%)、「起業家グループ」では男女ともにこれに同意する割合が更に高くなっています(女性起業家:77%、男性起業家:54%でさらに増加中)。さらに「女性起業家」は、事業資金の調達において男性の方が信頼されやすいと考えています(女性起業家74%が同意、男性起業家54%)。 これは、日本に限らず世界に見られる傾向です。
また、「女性の総数」の74%が、女性起業家の方が男性よりも仕事と家庭の両立が難しいと感じており(男性の総数では54%)、「女性起業家」の71%が、女性起業家としてフルタイムで働くことは家庭生活の混乱につながるとも考えています(男性起業家では57%)。

女性起業家を更に増やしていくには資金面などの支援のほかにも、家事や育児との両立を叶えるために相談できる相手やサポートが必要ということがわかります。

日本でも起業家精神と多様性をもつ女性を応援したい

ヴーヴ・クリコはメゾン創業200周年となる1972年より、「ラ・グランダム=偉大なる女性」と呼ばれたマダム・クリコのように大胆な精神、独自の創造力、そして起業家精神と多様性をもつ世界の女性リーダーを讃える「ヴーヴ・クリコ ビジネスウーマン アワード=現ヴーヴ・クリコ ボールド ウーマン アワード」を創設し、以来世界27か国、350名以上の女性リーダーの活躍に光をあてて来ました。
本年も11月29日(月)に開催されたアワード発表にて、6名の女性ファイナリストから各アワードの受賞者が決定。

真のロールモデルとしてその優れた取り組みを通じ、次世代にインスピレーションを与える女性リーダーに贈る「ボールド ウーマン アワード」には、学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンの代表理事を務める小林 りん氏が受賞。新規性をもった取り組みにより、これからの活躍が期待される次世代の女性リーダーに贈る「ボールド フューチャー アワード」には、日本初国内最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営するREADYFOR株式会社の代表取締役CEO、米良 はるか氏が受賞。さらに本年から新設された、先進的な取り組みによって女性の活躍をサポートする男性リーダーへ贈る「ボールド チャンピオン アワード」は、アスクル株式会社 代表取締役社長 CEO 吉岡 晃氏が受賞しました。
小林氏は「日本ではどうしても女性起業家というと、プライベートの様々なことを犠牲にしなくてはいけないのではないか、というイメージが付き纏いがちかも知れません。でも、もうそういう時代ではない気がしています。自分らしく、それぞれができる形で、人としての生き様や自分の価値観を体現しながら、チームや社会と一緒に何かを創り出していく。そんな新たな女性起業家のイメージが、この賞を通じて日本にも広まり、より多くの日本人の女性の方々が、臆することなく最初の一歩を前に踏み出していく…そんな時代になったらいいなと思っています」と起業家を目指す女性に向けてコメントしました。

今回は、受賞者のみならず、ファイナリストも全員が魅力がたっぷりで、日本の起業家を目指す女性たちに勇気を与えてくれるような方々でしたが、ファイナリストの実際の声や「女性起業家精神の国際的指標」にもあったように、女性起業家が感じる社会的障壁や企業における困難は残存しています。マダム・クリコのように未来を切り開く勇気と個性、そして革新の精神をもった女性リーダーをエンパワメントできる世の中になっていくことを懇願しています。

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