“SDGs”と“企業”をもっと近づける!SDGs MAGAGINE

日本でも広がるRA制度とは?大学の学生寮から始まるSDGs

日本でも広がるRA制度とは?大学の学生寮から始まるSDGs

#SHOW CASE
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を

度々取り上げられるSDGsに関する話題ですが、​今回​編集部が注目したのは学生が取り組むSDGsについて。大学では昨今、様々な取り組みが増えており、授業にSDGsのカリキュラムを取り入れたり、サークルを発足させたりと学生ならではの視点で様々な取り組みが実施されています。
その中でも今回は各大学の学生寮で取り組むSDGsについて、オンライン活動報告会に参加し深掘りしてみました。

画像出典:学生会館ドーミー公式サイト

RA制度とは?

みなさんRA制度はご存じでしょうか。筆者は今回初めて知りました!
RA制度とは「レジデントアシスタント」の略で、学生寮のリーダーのような役割を設けることを指します。アメリカではごく一般的なシステムですが、2015年より日本でも徐々に浸透してきているようです。集団生活を円滑に、更に楽しむためにリーダーであるRAが工夫をしていきます。この制度は「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に基づいており、海外からの留学生との交流にも生かされる制度になっています。
日本では現在『学生会館ドーミー』の32か所の寮が導入し、寮生112名がRA制度のもと寮生活をしています。

RA活動報告会をきいてみた

今回の報告会では各寮での取り組みと、その結果をオンラインで共有。
1〜3部構成で各RAからの報告を見ることができます。

寮内の交流を深めるイベントや、地域交流を目的にした取り組みなど様々な発表がされる中、SDGsに注力したというドーミー東広島(広島大学・近畿大学)・メゾンドクレア(梅花女子大)・中央大学インターナショナルレジデンス聖蹟桜ヶ丘(中央大学)・RUID朝霞台(立教大学)のRAの取り組みをピックアップします。

まずはドーミー東広島(広島大学・近畿大学)の取り組みから。彼らが注目したのはSDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」です。

この目標をもとに彼らは寮内にペットボトルキャップ専用のゴミ箱を設置しました。 寮内で行うにあたり、より多くの寮生に参加してもらうために参加のハードルを下げ、手軽にみんなが参加できることを重要視、また同時に継続性も考えての取り組みになっています。簡単な事でも、世界の為になっていると実感ができ、実際に貢献度も高いことからやりがいを感じたという声が多数上がったそうです。

実際にこの取り組みは成功し、寮内でゴミを分別するという意識を根付かせることができたそうです。生ゴミが混入するなどトラブルがあるたびに、注意喚起の看板を立てるなど改善を重ね、意識改善に成功したと報告しています。たった一つの、単純なことですが持続可能な目標を立て、達成する、SDGsとして大きな一歩となっています。
また、参加している広島大学と近畿大学のある東広島市はSDGs未来都市にもなっていて、その名に恥じぬよう今回の取り組みにも積極的になれたとのことです。こういった寮の取り組みをきっかけに地域へ、全国へ、そして世界に広がっていくことを目標にしていきたいですね。

続いてはメゾンドクレア(梅花女子大学)。 彼女たちが実施したのは再利用可能な物資を必要としている人へ届ける「ワールドギフト」という取り組みです。これはSDGsの目標12「つくる責任つかう責任」に当たります。

実施した理由は、年末年始の大掃除、引っ越しなどがある学生寮だからこそ協力が得られるのではないかと考えたからです。その考えは見事に的中し、合計で200点以上の物資を収集し、必要としている国へ送ることができたとのことです。
物資は、国外だけではなく、コロナ禍で生活が難しくなっている国内の人にも送られました。

続いては中央大学インターナショナルレジデンス聖蹟桜ヶ丘(中央大学)とRUID朝霞台(立教大学)の取り組みです。
彼らは、寮生同士や地域とのつながりを重視し、イベントを実施しました。これはSDGsの原則に基づいた「目標とターゲットがすべての国、すべての人々、及びすべての部分で満たされるよう、誰一人取り残さない」に当てはまります。

約2年ほど続いているコロナ禍で寮生は授業がなくなり、外出自粛で家族や友人にも会えず孤独と不安を感じていました。そこで、RAが提案したのは寮内での交流イベントです。こんな時だからこそ、寮生同士協力し、限られた自由の中でも楽しく過ごそうと提案されたのです。寮内でソーシャルディスタンスを保った上で可能なゲームを実施、密を避けた高尾山登山などが行われました。RAの工夫もあり、感染者を出すことなくイベントは成功。
孤独を感じていたという寮生は、コロナ禍でも充実した寮生活を送れて楽しいとの声も出ているそうです。こういった、助け合いでまずは寮の中から心の貧困を無くしていくという発想がSDGsの根源に繋がっているのかもしれませんね。

最後に。
2030年の目標達成期限に向けて、自分が始められることを実施しているRAの皆さん。彼らの行動は寮のみにはとどまらず、地域近隣住民、学内とどんどん影響をもたらしています。「まだ何も行動に移していないな…」という方は、彼らの行動力と自由な発想を取り入れ、身近にできることから始めてみてはいかがでしょうか。

RA活動報告会アーカイブはこちらから(要登録)

カテゴリーの新着記事

新着記事

Page Top