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売り上げ前年比50%減少。日本の伝統工芸が存続の危機?

売り上げ前年比50%減少。日本の伝統工芸が存続の危機?

#SHOW CASE
  • 住み続けられるまちづくりを

SDGsというと環境問題に注目がいきがちですが、本記事で着目するのは地方自治体にまつわるSDGsです。

一地域や企業の取り組み以前に、内閣府としても地方創生SDGsの推進をしており、国をあげて取り組みを行っています。政府が選定している「SDGs未来都市」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
地域社会の活性化をSDGsの達成を通して実現し、日本各地の課題である、経済縮小の克服と人口減少を食い止めようと動いています。

地産地消を呼びかけたり、近隣の環境問題の対策を行ったりと、モデルとなるような地域も出てくるなか、「伝統工芸」や「伝統産物」などの地方に根付く文化も地域活性に役立つのではないでしょうか。伝統工芸の実態と今の時代ならではの取り組みを追っていきます。

伝統工芸が存続の危機?前年同月比売上半減が全体の56%に

日本の伝統工芸というと何をイメージされますか?
陶芸や着物など…日本ならではのものが色々ありますよね。

地域で個性や特徴があり、ひとつひとつが古くから伝わる伝統工芸。そんな日本の伝統産業は少子高齢化や地域過疎化、コロナの影響などにより、存続の危機に追い込まれています。地方では後継者や跡継ぎ問題などが深刻化しており、今まで守られてきた技術などを後世に残すことが難しくなってきているのが現状です。

また、伝統産業に携わる全国の367事業者のうち、2020年4月の売り上げが前年同月比50%以上減少したと答えた割合は全体の56%を占めているというデータもあります。
株式会社和えるによる「伝統産業従事者 新型コロナウイルス影響調査」より

伝統工芸を守るため。長野・京都・熊本・福島の自治体と連携

そんな存続が厳しくなってきている伝統工芸に目をつけた企業があります。
日本最大級のハンドメイドマーケットプレイスを運営する株式会社Creemaは、日本各地の“逸品”と“作り手”を発信していく「全国いいもの発見プロジェクト」を2017年よりスタートし、これまで計6回行われています。

第1回目の「全国いいもの発見プロジェクト」は長野県岡谷市の「岡谷シルク」。かつては日本一と言われた「岡谷シルク」を使用した様々なアイテムをCreemaの作家(クリエイター)がモダンと融合させ、作品を販売。

その後、岡山の畳縁(たたみべり)や古事記にも登場する熊本のいぐさなど、古くから伝わる日本の伝統産業を活用した作品を、オンラインプラットフォーム上で販売しています。

また、長野県だけではなく、京都府・熊本県・福島県の地方自治体と連携し「ものづくり紀行」もスタート。各地域の伝統工芸品・地場産品の魅力をオンライン上で発信しています。直近では2022年3月4日より、第2回となる「ふくしまものづくり紀行」がスタートしました。

左:あさか野焼 ボンボニエール メリーゴーランド (ターコイズブルー)
右:会津水うちわ
Creema「ふくしまものづくり紀行」

地域創生をSDGs視点で考える

一見、SDGsとは関係のない内容にも思える地域創生ですが、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」にもあるように、誰一人取り残さない町づくりは達成しなければいけないSDGsのひとつです。

日本が培ってきた技術などを未来にも残していけるよう、まずは自分のルーツや身近な地域から伝統工芸品を知っていくのはいかがですか?

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