“SDGs”と“企業”をもっと近づける!SDGs MAGAGINE

そうだ、サステナブルな旅をしよう

そうだ、サステナブルな旅をしよう

#SHOW CASE

増えたり減ったりを繰り返す新型コロナウイルスの感染者数。次に落ち着いた時はどこへ旅をしようかな、と考えている方もきっと多いはず。ここ数年は観光としてだけではなく、ワーケーションで旅を楽しむ方も見かけるようになりました。SDGsが採択されて7年が経ちますが、日本では環境に関する様々な制度が整い始め、サステナブルな思考はモノからコトへと変化しています。今回はそんなコト視点で、サステナブルな旅について取り上げます。

サステナブル×旅

サステナブルと旅はとても相性がいいコンテンツです。サステナブルを軸に旅のプランを考えると、行き慣れた場所もいつもと違った楽しみ方ができます。

移動手段をサステナブルに

観光業界全体による二酸化炭素排出量は、世界の二酸化炭素排出量の約8%を占めていると言われています。その中の半数は移動等の交通機関で、特に飛行機と車は、電車やフェリーと比較するとキロあたりの二酸化炭素排出量が多いことが分かっています。2019年にNYで気候変動サミットが開催された際に、環境活動家のグレタさんが各国の代表を非難し、自身は飛行機を使わずヨットで大西洋を横断したことも話題になりました。最近ではフライトを調べる際に、二酸化炭素の排出量でソートすることができるサイトも増えています。同じような価格でも、よりエコな方を選択してみたり、飛行機で行けるところをフェリーや鉄道に変えてみたりするなど、移動手段にも配慮することで、いつもの旅もサステナブルになります。

画像出典:Google フライト

サステナブルな場所で選ぶ

旅先も、サステナブルな視点で選びたいところですよね。情報収集に悩まれている方は、持続可能な観光地の国際的な認証団体「グリーン・デスティネーションズ」が発表したサステナブルな観光地TOP100を参考にしてみてはいかがでしょうか。2021年版では日本から12の市と地域が選ばれています。
・ニセコ町(北海道)
・釜石市(岩手県)
・佐渡市(新潟県)
・七尾市および中能登町(石川県)
・那須塩原市(栃木県)
・長良川流域(岐阜県)
・豊岡市(兵庫県)
・京都市(京都府)
・小豆島町(香川県)
・阿蘇市(熊本県)
・奄美大島(鹿児島県)
・与論島(鹿児島県)

今年で8年目を迎える「グリーン・デスティネーションズ」ですが、観光地自体がサステナブルかというポイントではなく、サステナブルな観光産業を目指して前進しているかに焦点が当たっています。産業としてサステナブルに力を入れているということですので、現地での新たな体験も期待できます。
英語のページにはなりますが、選出されたポイントや他の国の情報も記載されていますので、興味のある方は是非こちらのサイトをご覧ください。

サステナブルな体験ができる宿泊施設を選ぶ

最近では、サステナブルに力を入れている宿泊施設も多くみられ、食事にオーガニックや地産地消を取り入れたり、電力に再生可能エネルギーを活用したり、ペットボトルの提供を廃止したりするなど、様々なホテルでSDGsに向けた取り組みが行われています。
ここでは、ホテルでできる体験に特化して、いくつかご紹介したいと思います。

ヨガリトリートでアーユルヴェーダ体験 Ananda Chillage(鹿児島県・屋久島)

画像出典:Ananda Chillage公式サイト

一人旅や女子旅におススメなのがこちら。ヨガをすることを目的に建てられた屋久島にある宿泊施設です。リトリートとは、日常生活から離れ、ストレスのない環境で心と身体をリラックスさせて過ごすこと。白神山地とともに自然遺産として日本で初めて世界遺産に登録された屋久島は、島全体がパワースポットと言われるくらい自然豊かな場所です。施設は2つの部屋に、共有ルーム、そして広々としたヨガスタジオというシンプルな作り。一方で、寝具やタオルは高品質で、無駄なものがそぎ落とされながらも細かい所にこだわりがあるのが一つの魅力です。

画像出典:Ananda Chillage公式サイト

朝食で提供される食材はもちろん、アメニティも全てオーガニック。施設の理念や哲学に共感してもらえるお客様を優先したい、という思いから大手の予約サイトへの掲載も止めたということで、そのような所にもオーナーの考え方が反映されています。筆者はこちらで開催されているオンラインヨガに参加したことがありますが、そちらもおススメです。

「Ananda Chillage」公式サイトはこちら

町おこしのきっかけになったホテル KARAE(佐賀県・唐津市)

画像出典:KARAE公式サイト

昔ながらの商店街にひと際目立つオシャレな建物。KARAEはレストランや小さな映画館、ギャラリーが併設された複合型のホテルです。元々は築100年の朽ちかけた酒造でしたが、唐津の文化を発信する場として2019年に誕生しました。KARAEのテーマは「FLOSS」。フレッシュ(Fresh)、ローカル(Local)、オーガニック(Organic)、シーズナル(Seasonal)、サステナブル(Sustainable)の略です。ミニマルなホテルですがその思いを随所に感じることができ、レストランで提供される食材はもちろん、お皿も地元の唐津焼を使用。酒造で使われていた看板や欄間、瓦などが若手アーティストのチカラで作品として生まれ変わり、ロビーやお部屋にアートとして飾られています。

画像出典:KARAE公式サイト

一歩外に出てみれば昔ながらの商店街が広がり、地元の人との交流も楽しめます。体験プランも豊富で、唐津の文化に触れられる街歩き体験も開催されています。シェアオフィスもあるので、ワーケーションとして訪れるのも良さそうです。

「KARAE」公式サイトはこちら

かやぶき屋根にステイ 悠湯里庵(群馬県・川場温泉)

画像出典:悠湯里庵公式サイト

旅先で温泉を楽しみたい方や家族連れにおススメなのがこちら。「古き良き日本文化を継承したい」という代表の思いから作られた、かやぶき屋根の温泉旅館です。かやぶき家屋はメンテナンスをすれば60~70年持ち、煙で燻すことで虫や雨水を防ぐことができます。古くなった茅は畑の肥料として再利用できます。実際に使用されていた築100年以上の家屋を各地から移築し宿泊施設として活用しているので、昔の日本人のサステナブルな暮らしに思いを馳せながら、ちょっとしたタイムスリップな気分が味わえそうです。食事に使われる素材は地元農家と契約し、市場に出ない不揃いな野菜も販売されています。提携農家での果物狩りや田植えなど、定期的に季節性のある地域体験企画も開催されていますので是非チェックしてみてください。

「悠湯里庵」公式サイトはこちら

サステナブルな楽しみ方は人それぞれ

「サステナブルな旅」と言っても、その捉え方や視点は、重要視すること、旅のテーマ、家族構成などで大きく変わってきます。サステナブルに大小はありません。ホテルで提供されていたアメニティを使わずゼロウェイストに貢献しただけでも、その土地の特産品を味わうだけでも素敵な旅です。思いっきり遠出を楽しめるのはまだ先になりそうですが、無理なく自分に合ったサステナブルな旅の楽しみ方を見つけてみてください。


企画・編集/北井
ライター/黒川


アバター画像

WRITTEN BYSDGs MAGAZINE

カテゴリーの新着記事

新着記事

Page Top