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これからの社会を担うZ世代が求める持続可能な働き方とは?

これからの社会を担うZ世代が求める持続可能な働き方とは?

#SHOW CASE
  • 働きがいも経済成長も

Z世代とは、1990年後半から2010年前半に生まれた世代の名称ですが、このZ世代は、生まれたときからパソコンやスマホなどのIT製品が充実し、インターネットが身近にある世代になります。そのため、テレビや雑誌ではなく、インターネットを中心に情報を収集する特徴があるといわれています。
インターネットやSNSを通じてさまざまな意見に触れることから、多様性に寛容であり、SDGsや社会問題にも強い興味を持っているのも一つの特徴かもしれません。

コロナ禍により、オンラインでの新卒採用やテレワークを推奨する企業が増えるなど、ここ数年で働き方も大きく変わりましたが、現在、若い世代の失業率が問題となっています。2020年の若者の失業率は約15.2%。働くことを諦めている人も増え始めているといいます。安定した収入や安定した仕事がなければ、社会に不満を持つ若者が多くなってしまいます。

Z世代は、これからの社会を担う大切な役割を持つ世代です。Z世代が持続可能な働き方をするために、どのような環境が必要か、Z世代が求めているものは何か考えていきたいと思います。

「出社」と「テレワーク」を組み合わせた働き方のスタイルが理想。週1回以上は出勤をしたいという声も

株式会社学情が新卒学生(2023年卒)を対象に「テレワーク」に関して実施した調査によると、入社先の企業でテレワークを実施したい頻度についての質問では、「週に1~2回」が28.5%で最多。次に「週に3~4回」が25.6%、「入社後、仕事に慣れてから実施したい」が23.6%と、約8割が「出社」と「テレワーク」を組み合わせて仕事をしたいという意向があることがわかりました。それと同時に週に1回以上は出勤をしたいと思っている新卒学生が多いこともわかります。

これまでは、会社に出社して仕事をすることが私たちの日常でしたが、企業の働き方改革の促進やコロナ禍によりテレワークを取り入れるなど、働き方のスタイルが変化しています。
この新しい働き方に対応するべく、企業でもさまざまな取り組みをしています。例えば、ヤフー株式会社では、通勤手段の制限を緩和し、居住地を全国に拡大できるなど、社員一人ひとりのニーズに合わせて働く場所や環境を選択できる人事制度を拡充しています。

社員が自分に最適な働き方を選択することで、ウェルビーイングの向上、ダイバーシティの推進、居住地に左右されない優秀な人材の確保など、これらは持続可能な働き方の代表例になります。

SNSでの情報発信を制する企業は新卒採用を制す

ここ数年で学生の就職活動はオンラインへと大きく移行しているそうです。

従来の学生は、企業に待遇や業界の成長性などを基準に就職活動を行っていましたが、Z世代は、会社の存在意義、働き方、社会貢献なども視野に入れて就職活動を行っていることから、企業側も、採用活動にTwitterやInstagramなどのSNSで情報を発信するなど、Z世代と接点を持つ取り組みをしています。

SNSを分析して採用マーケティングを支援する株式会社No Companyの調査では、SNSデータからZ世代が注目している企業として、ヤフーやDeNAなどの大手IT企業のほか、家計簿アプリやクラウド会計ソフトを展開しているマネーフォワード、就職支援のフォースタートアップス、ワンキャリアやYOUTRUST、福祉を起点に新しい文化をつくりだすヘラルボニー、デザイン関連のグッドパッチ、ハタフル、デジタルハリウッドのほか、外務省がSNSの投稿に反応したユーザーの割合が高かったと報告しています。

一方、2023年卒学生を対象とした「マイナビ・日経2023年卒大学生就職企業人気ランキング」では、上位から、東京海上日動火災保険、ソニーグループ、ニトリ、日本生命保険、伊藤忠商事、ソニーミュージックグループ、講談社、損害保険ジャパン(損保ジャパン)、バンダイ、味の素※1と、誰もが知っている有名企業がランクインしており、SNSとは異なる結果であることがわかります。
※1マイナビ・日経 2023年卒大学生就職企業人気ランキング(文系総合ランキング 上位10位)

なぜ、このような結果の違いとなったのでしょうか。SNSの投稿の特徴としては、新卒メンバーなどの若手社員が中心となって、社会と事業の関わり方、ワークスタイルなどを具体的に情報発信している点があるそうです。
自分と年齢が近い世代が会社の情報を発信することで、就活生は自分ごととして共感するのではないでしょうか。こういった観点から読み解くと、SNSで会社の情報を発信する際は、いかに自分ごととして共感してもらえるかがポイントになるのかもしれません。

ホワイト企業すぎると、ゆるくてやめたくなる?

リクルートワークス研究所が実施した大手企業に勤める大学卒以上1~3年目の新入社員1000人を対象としたアンケート調査では、36.4%もの人が自分の職場をゆるいと感じているそうです。

また、ゆるいと感じている職員のほとんどが “今の会社では成長できない”と感じているそうです。職場のゆるさは、自分の成長を望む新入社員にとっては今後のキャリアの不安になっています。そのため、ゆるい環境だからこそ、やめたいと思ってしまう新入社員が多いのかもしれませんね。

テレワークなど働き方のスタイルも変化していくことが求められますが、同時に、キャリアパスの仕組みの構築など、若手社員が成長できる環境を整えることも必要だといえます。

さまざまな情報に触れてきたZ世代は、SNSでの発信や多様性を大切にしている傾向があります。その特徴を理解した上で、持続可能な働く空間、環境を作っていくことが、これからの企業には求められているのはないでしょうか。

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