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迫りくる「多死社会」。あなたはどうする?これからの「お墓」との向き合い方

迫りくる「多死社会」。あなたはどうする?これからの「お墓」との向き合い方

#SHOW CASE
  • すべての人に健康と福祉を
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 気候変動に具体的な対策を

お盆シーズンも終わりを迎え、この夏は帰省に伴いお墓参りに行かれた方も多いのではないでしょうか。これまで日本の供養方法は主にお墓参りでしたが、現代では「お墓離れ」という言葉も出てきています。いつかは直面するお墓に関する問題。SDGs時代の新たなお墓との向き合い方について、今から少しずつ考えてみましょう。

日本は2018年に、全都道府県の65歳以上人口が21%を超える超高齢化社会となりました。厚生労働省の調査によると、今後年々死亡者数は増加していき、2040年には平成元年にあたる1989年の年間死亡者数約79万人の2倍を超える水準、約168万人になり「多死社会」か訪れるとされています。

進む「お墓離れ」。その要因とは

そんな中、現代の日本では様々な要因から「お墓離れ」が進んでいると言われています。特に都心部においてその傾向は顕著です。就職などを機に都会へ引っ越し、地元に帰らない人が増加しており、それによる人口の都市部への集中で墓地の用地が不足しているそう。

また、先祖のお墓が遠方にある場合には、お参りにも移動時間や交通費などがかかり、普段の管理も難しくなってしまうため、墓石を撤去し、更地に戻す「墓じまい」をする人も増えているとのこと。厚生労働省のデータによると、2020年度の墓じまいの件数は、全国で117,772件となっており、これは20年前の数値の約2倍ほどとなっています。

ワークスタイルや、家族の在り方など、今後もライフスタイルは多様な形へと変化していくことが予想されます。そんな時代の変化とともに価値観や死生観についても移り変わっていくことが予想されます。

広がる多種多様な供養の形

現代では様々な供養の方法が広がりつつあります。家族や後継者が不在でお墓の管理をする人がいない場合などに、寺院や霊園が家族に変わってお墓を管理する「永代供養」や、ペンダントや小さな骨壷や仏壇など家の中で遺骨を管理し供養する「手元供養」、そして「自然葬」と呼ばれる供養の方法も、少しずつ現代に浸透してきました。

・自然葬

自然葬とは、遺骨を墓跡の下に納めるのではなく、海や山などの自然に還す葬送の形です。お墓を作るために土地を削ることや、木々を伐採することがないので、自然環境にも優しいとされています。

・樹木葬

樹木葬とは、墓跡の代わりに樹木をシンボルとし、その周辺に埋葬します。一般的なお墓のように生花を添えたり、お線香に火を灯す必要がないので、継承者を必要としません。太陽の陽も、雨や枯れ葉なども、自然の全てを受け入れることが供養と考えられ、自然環境の保護がお墓の管理となります。

・海洋散骨

海洋散骨とは、粉砕した遺骨を生命の源と言われている海に撒く葬送です。こちらも継承者は必要なく、子孫に負担がかかりません。自然葬の中でも環境負荷が少ないと方法だと言われていますが、散骨の際は、海の生態系や水質に配慮を行うことが必要となります。海洋散骨を広めるため、遺骨に含まれる有害物質を無害化する取り組みなども実施されています。

生前葬を挙げる方や、元気なうちにお墓を用意する方も増えてきました。先祖や家族のことを思うからこそ、考えておきたいお墓のこと。日常の生活の中では話題に上がることの少ない話ですが、これを機に家族と一度話してみてはいかがでしょうか。

企画・編集 / 森川
ライター / Saico

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