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ハンバーガーの広告が街からなくなるかも?世界で広がる広告規制の動き

ハンバーガーの広告が街からなくなるかも?世界で広がる広告規制の動き

#SHOW CASE
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を

循環型経済を目指している環境先進国のオランダですが、いくつかの都市では、航空、自動車、化石燃料に関する広告が禁止されています。
さらに、ハーレム市では世界ではじめて、公共スペースでの食肉製品の広告を禁止したと複数のメディアが報じました。 この食肉製品の広告を禁止する動きは、ハーレム市内の温室効果ガス排出を削減するための取り組みの一つで、気候変動に影響するとされる製品リストに肉類が追加されたことが背景にあります。

このような環境に配慮した広告を規制する動きはオランダだけではなく、世界中に広がっています。今回は世界の事例をみながら、広告規制について考えてみたいと思います。

オランダのハーレム市では食肉製品の広告を禁止する動き

「なぜ食肉製品の広告禁止が環境に配慮しているのだろう」と疑問を持った方もいるのではないでしょうか。

よく知られた話だと、牛のゲップがあります。牛のゲップはメタンを多く含み、地球温暖化の原因の一因だと指摘されています。牛1頭から1日あたり、200~800Lのメタンが放出されるといわれ、全世界では年間約20億トン(CO2換算)と推定、温室効果ガスの約4~5%が家畜によって生み出されているともいわれています。

このような背景から、オランダのハーレム市では世界ではじめて公共スペースでの食肉製品の広告を禁止することになりました。スーパーの鶏肉からハンバーガーなど、あらゆる食肉が対象になるようで、早ければ2024年には施行される予定です。ただし、持続可能な方法で生産された食肉が対象になるかはまだ明記されていません。

地球環境を著しく破壊するリスクのある業界の広告を禁止する動き

日本でなじみのある広告規制といえば、たばこの広告ではないでしょうか。たばこの広告については、国際的な取り決めがあり、2003年にWHO総会(世界保健総会)で採択され、これを受けて日本も「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」を批准しています。

これにより、たばこに関する広告や包装上の表示などが規制されましたが、世界ではどのような広告規制の動きがあるのでしょうか。

事例①ファッション誌「ELLE」は記事や広告から毛皮を排除へ

フランスのファッション雑誌「ELLE」は2021年11月、動物の毛皮に関する記事や広告を掲載しないと発表しました。世界で動物愛護意識が高まる中、大手ファッション誌では、はじめての対応となり注目されています。
近年、ファッション業界に対しては、動物愛護団体や世論が毛皮の使用中止を求める声が高まっていると同時に、若い世代は毛皮に対して「ファッショナブルでない」と感じる傾向があり、毛皮に対する消費者の意識も変化しています。
毛皮に代わる新たな素材にフェイクファーがありますが、プラスチック製の人工毛皮は生分解で環境負荷がかかり、新たな課題もあります。SDGs目標12の「つくる責任 つかう責任」にもつながるこの問題、私たちはどのような取り組みができるのが考えていく必要があるでしょう。

事例②オランダの化石燃料を主軸にする製品・サービスの広告禁止

オランダのアムステルダムでは、2021年5月に世界の都市でははじめて、市内の地下鉄駅における化石燃料を主軸とする製品やサービスの広告を禁止すると発表しました。
さらに、石油や天然ガスを取り扱う企業に加えて、温室効果ガスを大量に排出する航空や自動車ブランドも含まれ、今後は地下鉄以外の公共交通機関、最終的には国として、これらの広告を禁止していく方針のようです。
ガスや石油に直接関連する企業だけではなく、間接的に関係のある企業にも波及し、化石燃料はじわじわと締め出されている動きが広がっています。

事例③アメリカのクリエイティブ団体「化石燃料の広告」はキャンセル

環境に配慮しているように見せかけて、消費者に誤解を与えることをグリーンウォッシュといいますが、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が、広告規制も必要だと警告するほど、グリーンウォッシュは横行していると指摘されています。
このような中、アメリカの広告やPR活動、マーケティングを担うクリエイティブ団体「Clean Creatives」は、ガスや石油などの化石燃料を扱う企業や業界団体の広告を一切断るという取り組みをはじめました。
ガスや石油などの化石燃料を扱う企業の広告やマーケティングに携わると、脱炭素社会の実現はできないという危機感から、このプロジェクトははじまったそうです。

冒頭で紹介したオランダのハーレム市の食肉製品の広告規制は、市議会や食肉業界では、表現の自由を制限しているなどといった理由から反対する意見もあるようです。
全世界で温室効果ガスの約4~5%を排出している畜産ですが、畜産業界でも牛のゲップを減らすために、飼料を工夫するといった環境問題に取り組んでいます。

私たち人間の社会活動のために石油や石炭などの化石燃焼から排出される温室効果ガスと、牛乳や食肉といった食生活を支える家畜から排出される温室効果ガスの扱いを同等に規制してもいいのか、さまざまな意見が分かれるところなのではないでしょうか。

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