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国民の4割が花粉症!なぜかくしゃみが止まらない人向け、おうち花粉対策

国民の4割が花粉症!なぜかくしゃみが止まらない人向け、おうち花粉対策

#SHOW CASE

4人に1人が“スギ花粉以外の花粉症”という事実を知っていましたか?
2019年の全国疫学調査(環境省「花粉症環境保健マニュアル2022年3月改訂版」)によると、花粉症の有病率は年々増加傾向にあり、その割合は42.5%にもなります。
花粉症の原因となる花粉は主に、スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ科(すすき)、カナムグラ、ヨモギ、ハンノキの7種類。その内スギ花粉症は38.8%。そして、スギ以外のイネ科や、秋に見られるブタクサ花粉症なども25.1%まで拡大していますムグラ、ヨモギ、ハンノキの7種類。
その内スギ花粉症は38.8%。そして、スギ以外のイネ科や、秋に見られるブタクサ花粉症なども25.1%まで拡大しています。
9月からは秋花粉の時期。辛い花粉症が本格化する前に簡単にできる“おうち花粉”対策のコツを紹介します。

画像出典:2008年から2019年の花粉症有病率(大王製紙ニュースレターより)

日本にスギとヒノキが多いのには理由があった!

花粉症の約70%はスギ花粉症だと考えられています。これは日本の国土に占めるスギ林の面積が大きいことが影響しています。公益財団法人日本アレルギー協会によるとスギ林は全国の森林の約18%、国土の約12%を占めていると言われています。そもそも、なぜ日本の森林は花粉症の元になる木、スギやヒノキが多いのでしょうか。 調べてみると、これには日本の歴史が大きく関係していることが明らかになりました。

実は、戦中・戦後、日本は物資不足で、資材、燃料としての過度の伐採が横行していました。そのため、森林は荒廃。全国の山から木が消え、台風などの天災で度々各地に甚大な被害を及ぼしました。さらに、昭和35年の所得倍増計画、その後の高度成長期における薪炭材の需要の低下と、住宅建築などに伴う用材需要の増大により、人工林が拡大されていきました。

こうした中、荒廃した林地への緑化運動の展開や、天然林伐採跡地への植林の拡大にあたり、我が国の固有樹種で加工しやすく、幅広い用途に使えるスギが好んで植えられていきました。結果として、現在では森林の約4割が人工林、かつ人工林の約4割がスギ人工林となったという背景があったのです。

元をたどると、私たち人間の介入により増やされたスギ林。過去の行いの弊害は花粉症というカタチで今私たちに警笛を鳴らしているのではないでしょうか。

スギ人工林を伐採することは、花粉発生源対策の大きな柱の一つです。ただし、伐採した後は花粉の少ない苗木を植えるなどして、きちんと森林に戻していかなければ、はげ山になり、さらなる水害や山地崩壊などの原因にもなりかねません。

花粉の少ない森林づくりへ取り組む林野庁と各都道府県のうごき

今では嫌われる存在になってしまったスギ花粉ですが、昨今”花粉を飛散しないスギ”「無花粉スギ」が増えてきている事をご存知ですか?
平成4年に初めて発見された無花粉スギは、富山県の神社に植わっていたスギの中にありました。スギの中には無花粉に関連する遺伝子を持つものが自然の中で一定の割合で存在し、その遺伝子を持つもの同士を人工交配させると、無花粉スギが生まれることが研究の結果判明したのです。この特性を利用した、花粉の無いスギの品種開発が浸透しつつあります。

実はあまり知らない!秋花粉の特徴と対策を専門家が解説

このように、国を挙げて花粉症の対策に乗り出してはいるものの、まだまだ花粉の影響は大きく、ピーク時には部屋の中にいても目がかゆい!くしゃみがつらい!という方も多いはず。とくにこの時期に飛散する花粉は背丈が低い草本花粉。衣服や靴に花粉をつけたまま家まで持ち帰ってしまう傾向に。

とうきょうスカイツリー駅前内科院長 河野晋也先生

そんな“秋花粉症”の症状と対策についてとうきょうスカイツリー駅前内科院長 河野晋也先生がわかりやすく解説してくれました。

①家に入り込みやすい“秋花粉”…なぜ?

秋花粉は身近な場所に存在します。
秋の雑草花粉(ブタクサ・ヨモギ)は道ばたや公園、民家やマンションの庭、河川敷など身近な場所に。あちこちに点在する雑草は背丈も低いため、外遊びした子どもたちが衣服や靴に花粉をつけて家まで持ち帰ってしまいます。

②花粉の“大きさ“がとても小さいのです

粒子の大きさがスギ花粉は 30~35μm であるのに対し、ブタクサ花粉は 17~18μm と半分ほどしかないため、換気口の隙間などからも家の中に入ってきてしまいます。つまり、秋は家の中で花粉を吸い込むことによる“おうち花粉症”になるリスクがあるのです。

(以下、河野晋也先生からのアドバイス)
メディカルケアだけでは花粉症の症状を完全におさえることは難しいため、睡眠や食事等の規則正しい生活習慣、飲酒・喫煙を控えるといった免疫機能を正常に保つこと、そして、マスクやうがい・手洗い、室内の掃除・換気など、花粉のばく露からご自身を守るセルフケアも重要です。

大王製紙株式会社 ハウスホールドケア商品開発部 長野真季氏

“おうち花粉”は拭き取りが効果的!拭き掃除のスペシャリストがコツを伝授!

(以下、大王製紙株式会社 ハウスホールドケア商品開発部 長野真季氏のコメント)
掃除機や、ほうきだと花粉は舞ってしまいます。そっと専用のシートでふき取ってゴミ箱に捨てるのが最適。効果的なおうち花粉対策には大王製紙・拭き掃除ブランド「キレキラ!」がおすすめ。

画像出典:大王製紙ニュースレター

未来を考えた選択を

一見、花粉はどうSDGsに関わっているのか遠い存在のように見えかもしれませんが、人間の暮らしの為に木々を伐採したことが発端になっていたことが分かりました。また、筆者が子供のころは、花粉症自体ここまで深刻ではなかったように思います。一説によると、花粉の増加は地球の温暖化も影響しているという研究結果もあるそうです。
スギやヒノキの歴史を辿り、分かったことは今も昔も経済の発展と自然の均衡の重要性。
人間はこれまで発展のために色々なものを創造し、文明を築いてきました。そして開発の代償に自然を傷つけてきたのではないでしょうか。これからは地球にとって優しい選択とは何か、この機会に考えてみてはいかがでしょう。

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