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地方創生の大きなカギに?あなたの町の「郷土料理」を未来につなごう

地方創生の大きなカギに?あなたの町の「郷土料理」を未来につなごう

#SHOW CASE
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう

食欲の秋。美味しいものを食べて、楽しく過ごしたいですよね。あなたが生まれた町、今住んでいる町、お気に入りの町には、どんな郷土料理がありますか?今回は「郷土料理」にフォーカスを当て、SDGsとの関係性を見ていきます。

「郷土料理」って何?

郷土料理とは、その地域独自の産物を使用して作られる料理のことで、各地域でとれる魚や野菜、肉などを活かし、その風土にあった地域独自の調理法で作られ、昔から伝えられてきた料理を意味します。まだ家電などのテクノロジーがなかった時代、先人たちは健康維持などのために保存方法などを工夫して、地域独自の食文化を築いてきたのです。

しかし現代では、少子高齢化による地域社会との関わりの希薄化や、食のグローバル化が進み、地域に伝わる伝統的な食文化の保護や継承が難しくなってきています。昔の人の知恵が詰まった郷土料理を食べることは、SDGsの観点から、どのような利点があるのでしょうか。

郷土料理の利点

郷土料理を食べることは、SDGsの達成にも寄与すると言われています。具体的なポイントを見ていきましょう。

1.地域でとれた素材を地域で消費する「地産地消」を促進

郷土料理は、地域でとれた独自の素材、旬の食材を使用していることが多いです。地元の郷土料理に親しみ、地域で採れるものをその地域で消費する「地産地消」を促すことは、食料自給率を上げ、輸出のための海洋資源乱獲や、農地拡大のための森林伐採を防ぐことができます。海の幸であればSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」、陸の食材であればSDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」に繋がることに。
また、地産地消によって輸送時や在庫保管時の劣化の問題が軽減され、食品ロスを防ぐことは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に、さらに輸送時のCO2排出を抑えることは、目標13の「気候変動に具体的な対策を」にも関連します。

2.「郷土料理」が注目を浴びることで、地域活性化にもつながる

町の「郷土料理」が注目を浴びて商品が売れたり、旅行に訪れる人が増えたりすれば、地域が活性化し特産品に関わる職人や販売店の支援にも繋がり、伝統的な技術の保護にも繋がります。
これは、SDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」に関連すること。郷土料理は、地方創生のカギとも言えるでしょう。

食べてみたい!日本各地の郷土料理

数ある日本の郷土料理から、3つご紹介しましょう。

1.山梨県「ほうとう」

その昔、山梨県の山間部では、蚕(かいこ)を飼って絹糸をとることで暮らしていました。この地では米の栽培が難しかったため、蚕のえさとなる桑を栽培し収穫が終わったあとは、麦を栽培する二毛作で米の不足分を補っていたそう。収穫した麦を麺にして、季節の野菜といっしょにみそで煮込んだ料理がほうとうです。使う野菜に決まりはないので、地元では家庭やお店によってさまざまなほうとうを楽しむことができます。
「ほうとう」という名称は、武田信玄が自分の刀で食材を切ったことに由来するという説もあります。武田信玄にまつわる歴史スポットを巡るとともに、ほうとうに親しんでみるのも楽しそうです。

2.北海道「三平汁」

200年も前から食べられている「三平汁」。北海道でよくとれるサケ、タラ、ニシンなどの魚を塩づけにしたものと、保存のきく野菜を煮こんだ料理です。冷蔵庫がなかった時代は、保存のため生の魚を塩づけにしていました。「三平汁」の味付けは、魚についている塩のみ!シンプルに食材のうまみを味わえる料理です。近年は、昆布で出汁を取ったり粕汁仕立てにしたりするなど、アレンジを楽しむ家庭もみられます。

3.宮崎県「冷や汁」

簡単に栄養が取れるものとして農家の人たちが取り入れてきた「冷や汁」は、800年前から食べられている宮崎県の郷土料理です。もともとは、農家の人が朝出かける前に、残り物に水と味噌をかけて食べたのが始まりで、その後、アジなどの干物と木綿豆腐、夏野菜のきゅうり、大葉、ミョウガ、ねぎなど、さまざまな具を入れて食べるようになり、宮崎全土に広がったのだといいます。口当たりがよく、高温多湿の宮崎の夏でも美味しく食べられるのも魅力のひとつです。
僧侶によって全国に伝えられたことにより、今では各地で地域の素材を活かした冷や汁があるようです。

郷土料理に親しむと、歴史や文化も知ることができて面白いですよね。美味しく楽しく郷土料理を食べながら、地域の活性化、SDGsを考えてみてはいかがでしょうか。

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