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100年の歴史を持つ聴覚障害者のための世界大会「デフリンピック」が日本で開催決定

100年の歴史を持つ聴覚障害者のための世界大会「デフリンピック」が日本で開催決定

#SHOW CASE
  • パートナーシップで目標を達成しよう

昨年末に一世を風靡したドラマ『silent』。俳優の川口春奈さんとジャニーズ事務所の大人気グループ「SnowMan」の目黒蓮さんが共演したことでも話題になりました。耳に障害をもった役を演じた目黒さんの手話に、心を打たれた方も多いのではないでしょうか。また、聴覚障害のある女子大生の恋を描いた『ゆびさきと恋々』は「全国書店員が選んだおすすめ少女コミック」ランキングで1位になっています。この作品に出てくるような、耳の聞こえない方々のオリンピックが開催されていることはご存じでしょうか?
その名も「デフリンピック」。デフ(Deaf)とは英語で「耳が聞こえない」ということです。様々な工夫がなされて開催される「デフリンピック」ですが、日本での知名度は11.2%とかなり低めです。今回はこの「デフリンピック」について考えていきたいと思います。

耳の聞こえないアスリートが目指すデフリンピックとは

オリンピックと同じように4年に1度夏と冬に開催される世界大会「デフリンピック」。耳の聞こえないアスリートたちのための大会です。「デフリンピック」は、実は100年近くの歴史を持ち、2017年のトルコ・サムスンで開かれた夏の大会には100ヶ国・地域の約3100名の選手が参加しました。「パラリンピック」はリハビリテーション重視の考えで開催されているのに対し、「デフリンピック」はろう者(生まれつき、もしくは言語を習得する前に耳が聞こえなくなった方、手話を母語として使っている方)の仲間での記録重視として始まっています。
そして、2025年に開催される「デフリンピック」の開催国が日本に決定したのです。行われる競技はオリンピックにもあるような、陸上やテニスなど1人でできるスポーツから、サッカーやバスケットボールなどの団体競技まであります。国境を超えての平等な社会の建築は、SDGsという言葉が広まる前からされていたと思うと感慨深いですね。

デフリンピックのアスリートを応援しよう!

では、どのように競技を行なっているのでしょうか?競技スタートの合図は笛などの耳で聞くものではなく、目で確認が取れるフラッシュライトなどを使用しています。ボールのパスの掛け声などの耳で感知する動作は、作戦を練り繰り広げられ、同じバスケットボールやサッカーでも違う楽しみ方ができるスポーツになるのです。様々な工夫が施されて平等に勝敗が決まります。オリンピックと同じ種目のスポーツでありながら、違う視点で観戦できる「デフリンピック」の競技を応援するのも、スポーツ観戦が趣味の方は特に胸が高まるのではないでしょうか。
2025年は日本での開催ですが、旅行会社では「デフリンピックおうえんツアー」というツアーが組まれていたり、サムスン大会では現地に行けなくても観戦できるよう、ライブ放送が行われていました。
また、「デフリンピック」の公式グッズを購入して利用することも応援になります。過去にはフェイスタオルやピンバッジなどが販売されており、いずれも完売となる人気ぶりでした。グッズの売れ行きが良いと、日本代表の選手が大会に参加する費用になったり、グッズを使えばそれを見た人が「デフリンピック」を知る機会になったりします。

デフリンピックをきっかけにつながる

前回のトルコ・サムスンで行われた第23回夏季デフリンピックでは、日本選手団で過去最高のメダル獲得数27個を達成しています。デフリンピックに出場し、海外の選手と手話やジェスチャーで交流をしたり、自己意識を高め、自分らしくいられる場所を見つける選手も多数です。工夫をすればどんな人とも、楽しい時間や熱い想いを共有できます。「デフリンピック」もそんなコンテンツのひとつではないでしょうか。

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