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46年ぶりに「国連水会議」が開催!日本の水不足は心配ないのか

46年ぶりに「国連水会議」が開催!日本の水不足は心配ないのか

#SHOW CASE
  • 安全な水とトイレを世界中に

2023年3月22日〜24日、世界的に深刻化している水問題を解決するため、46年ぶりに「国連水会議」が開催されました。
日本に住む私たちにとっては言わば当たり前に飲み、使うことができる水ですが、例えば砂漠の国と呼ばれる「スーダン」では、人口の約40%が手軽に衛生的な水を確保することができないなど、世界では水不足が深刻化しているのも事実です。

そんな中開催された「国連水会議」の議題から、深刻化している世界の水不足と、私たちが住む日本の水問題について改めて考えてみましょう。

46年ぶりに「国連水会議」が開催された理由とは

国連水会議は、正式名称を「国連水と衛生の行動の10年(2018-2028年)の実施に関する包括的中間審査のための2023年会議」と言い、200以上の国や機関が参加するなど、水に特化する会議として、近年重要視かつ注目をされています。

3月に開催された国連水会議の主な目的は、世界的な水危機への認識を高めることに加え「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にも含まれる水関連の目標とターゲット達成のための協調行動を決定することでした。

水資源問題の背景は、人口の増加、気候変動、水紛争の大きく3つに分類されます。国際連合の「世界人口推計2022年改訂版」によると、世界の総人口は2050年には約97億人になると予測されており、人口が増加することは、同時に水消費需要の増加を意味します。また、水資源として利用できる水の量は、降水量の変動により変化しているため、大雨や干ばつなどの地球温暖化による気候変動は、水の利用可能量に大きな影響を及ぼします。 そして、日本ではあまり馴染みがないですが、世界では、湖や河川の上流地域での過剰取水による「水資源配分」の問題、土地の所有者がその土地の地下水を所有できるのかをめぐる「水の所有権」の問題による「水紛争」が起きています。このことが水不足の背景、そして、課題とされています。

そんな中、世界が達成すべきSDGsの目標の一つに、ターゲット6-1「2030年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ衡平なアクセスを達成する。」が掲げられています。
しかし、現状の課題を考えるとSDGs目標の達成にはほど遠いのが現状です。

2050年には世界人口50%以上が水不足!?世界の水問題とは

国際NGOウォーターエイドの「2020年世界の水の現状」によると、世界で衛生的で安全な飲み水を確保することが出来ない人は世界人口の25%に相当する約20億人とされており、2050年にはそれを上回る世界人口の50%以上、50億人が水不足の影響を受けると予測されています。

安全な水を確保できる環境下でも、水源まで往復30分以上かかる人口は2億600万人、安全が確保されていない泉や井戸を使用している人口は4億3,500万人、川や池などの水をそのまま利用している人口は1億4,400万人もいることから、世界での水問題には課題が残ります。

日本も「水不足」になる可能性はあるのか?

私たちが暮らしている日本では、家庭や公園などで蛇口をひねれば安全で清潔な水が利用できるため、水不足の問題はないと考える人も多いのではないでしょうか。
実際に日本の水処理技術は世界で一番と言われており、諸外国の水不足問題と比べると課題となる部分は多くはありません。
ですが、そんな日本でも無限に水資源があるわけではなく、将来的に水不足になる可能性は否定できません。

2022年3月には、高知県室戸市で水不足により26年ぶりに給水制限を行い、1286世帯に影響が及びました。降雨量が非常に少なかったことが原因とされており、気候変動によっては日本各地でも水不足の問題が起こる可能性があることが分かる事例です。

日本ではこれまで1939年の琵琶湖大渇水、1967年の長崎渇水、1978年の福岡渇水など大規模な渇水が各地で起こっています。国土交通省によると、1994年の列島渇水の際には、水道水の断水や減圧給水の影響を受けた人は全国で約1,600万人、さらに全国で約1,400億円の農作物被害が発生したとされています。これは、何百年も前に起こった大昔の事例ではなく、数十年前に起きた身近な国内事例です。

深刻化する世界の水不足問題解決に向けて私たちができること

日本では当たり前に使われている水。水質も高く、どこでも安心して飲める環境ではありますが、実際は水資源に恵まれているとは言い難く、「水問題」は決して他人事ではありません。

貴重な水資源を守り、SDGs目標を達成するためにも、節水を心掛け、環境汚染を防ぐなど、私たち一人ひとりが小さなことから実行していき、未来を守っていける行動を続けていくことが大切ですね。

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