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後継者問題を抱える酒蔵。『若手杜氏を応援したい』あなたに飲んでほしい日本酒

後継者問題を抱える酒蔵。『若手杜氏を応援したい』あなたに飲んでほしい日本酒

#SHOW CASE
  • つくる責任つかう責任

日本酒造杜氏組合連合会の調査によれば、酒造りの最高責任者である杜氏の全国平均年齢は53歳。後継者問題は様々な産業で課題となっていますが、日本酒蔵も同様にその問題に直面しています。特に、日本酒蔵業界独特の寒仕込み制度は、他の産業と明確に異なる特徴を持っています。日本酒の多くは秋に収穫されたお米を使用し、冬から春にかけて醸造されます。このため、年に一度の生産体制に依存していることが、杜氏の高齢化に対処する際の複雑さを増しています。

元々は酒造りの季節労働者であった杜氏は、昔から「酒屋一代」と呼ばれ、蔵人と共に蔵に住み込んで酒造りを行ってきました。しかし、時代の変化とともに、四季醸造という年間を通じて酒造りを行う手法が取り入れられるようにもなりました。獺祭や月桂冠などの有名銘柄は、この四季醸造を実践しており、一定の成功を収めています。

後継者問題を抱える酒蔵業界。若手杜氏を応援したいあなたへ朗報!

無類の日本酒好きである筆者が、毎年楽しみにしている「SAKE COMPETITION」という日本酒品評会で、最上位を受賞した酒蔵の中から40歳以下の醸造責任者がいる酒蔵には、次世代の日本酒の造り手を応援する「ダイナースクラブ若手奨励賞」が贈られます。文化の継承に貢献しながら、美味しい日本酒を心ゆくまで楽しむことができる、そんな一瓶に出会えるかもしれません。

SAKE COMPETITION は、市販されている日本酒のみが審査対象になっており、審査方法は、完全に銘柄を隠し、日本酒の酒質のみで競うことを徹底しているため、本当に美味しい日本酒に出会うことがかないます。

2017年 ダイナースクラブ若手奨励賞 受賞 「山梨銘醸・北原亮庫(きたはらりょうご)さん」

300年以上の歴史を誇る、山梨県白州町の酒蔵の家に生まれ育った33歳の若き蔵元杜氏・北原亮庫さんが醸した『七賢 純米大吟醸 大中屋 斗瓶囲い』が「SUPER PREMIUM部門」の第1位に輝くと共に「ダイナースクラブ若手奨励賞」も受賞しました。「七賢」の銘柄でその名を広く知られている、山梨銘醸株式会社では長年続いてきた「杜氏制」を廃止するなど、新しい日本酒だけではなく、新しい作り方・続け方が模索されているようです。

2016年 ダイナースクラブ若手奨励賞 受賞 「松崎酒造・松崎祐行(まつざき ひろゆき)さん」

福島県岩瀬郡天栄村の松崎酒造は1892(明治25)年から酒造りを続けています。
そんな酒蔵の6代目杜氏・松崎祐行さんが醸した「廣戸川 特別純米」。26歳で蔵人としてスタートして以来、10回連続で全国新酒鑑評会の金賞受賞という快挙を成し遂げています。また、ダイナースクラブ若手奨励賞受賞の3年後、2019年6月に開催されたG20大阪サミットで各国首脳に振る舞われたお酒の一つにもなりました。

2023年 ダイナースクラブ若手奨励賞 受賞 「大和蔵酒造・関谷海志(せきや かいし)さん」

今年、若手奨励賞に選ばれたのは、平成8年創業の新しい酒蔵「大和蔵(たいわぐら)酒造」の関谷海志さん。「SAKE COMPETITION 2023」の純米酒部門にて、大和蔵酒造が作る「雪の松島 海-KAI- ひとめぼれ 純米原酒」は第1位にも輝いています。そんな大和蔵酒造も、実は後継者不在、設備の老朽化などの理由で譲渡先を探していた酒蔵を引き取ったものです。

「ダイナースクラブ若手奨励賞」とは

日本の食文化の継承を担う次世代を育成・応援する「日本の食文化応援プロジェクト」の一環として、2016 年に創設された「SAKE COMPETITION」に出品する酒蔵の中の 40 歳以下の最上位受賞酒蔵に与えられる賞。
「食事を楽しむ人(ダイナー)のクラブ」という社名の由来を持っているダイナースクラブは、「食」を育んできた文化、地域、担い手の方々にまで目を向けて「フードロスの削減」や、「日本の食文化の応援」に取り組んでいます。

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