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日本の自然災害史上最悪の関東大震災から100年!今注目の備えない防災「フェーズフリー」とは

日本の自然災害史上最悪の関東大震災から100年!今注目の備えない防災「フェーズフリー」とは

#SHOW CASE
  • 住み続けられるまちづくりを

2023年9月1日は9月の始まりと共に、1923年に発生した関東大震災から100年を迎えた節目でもあります。日本の自然災害史上最悪と言われる関東大震災は、近年の大震災と比べても、その被害規模と社会経済的なインパクトは極めて大きく、死者・行方不明者は約10万5千人にも昇りました。

そんな関東大震災の発生日である9月1日は「防災の日」、そして9月全体は「防災月間」と定められ、近代日本において災害対策の出発点と言われています。
そこで今回は、日本に住む私たちにとって切っても切り離せない防災について改めて考えていきましょう。

今後30年以内に大震災が起こる確率は70%

そもそも地震とは、地球の表面を覆うプレート同士のひずみによって起こるもので、主に日本で起こる地震の原因は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北アメリカプレートの4枚のプレートが関係していると言われています。また、地震が起こった際にニュースでよく耳にする「震度」とは、ある場所における地震の揺れの強さを表し、「マグニチュード」は、地震そのものの規模(大きさ)を表しています。

関東大震災は、マグニチュード推定7.9とされていますが、気象庁が震度7の震度階級を制定する前に起こったもので、制定された1949年以降から震度7を計測した地震は過去に6回あり、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」も震度7が計測されています。

地震大国と言われる日本ですが、政府の地震調査委員会により「今後30年以内に発生する大地震の確率は70%」と予測していることが発表されました。この予測は過去に発生した大地震を根拠に推測されており、関東から九州までの広い範囲で揺れと津波が予測されている「南海トラフ地震」と、東京都周辺の首都圏で中枢機能への影響が懸念される「首都直下地震」が挙げられています。
いつどこで起きてもおかしくない大地震は、既に他人事ではないですよね。

ベンチがかまどになる!?サステナブルな「フェーズフリー防災」

防災に対しての意識が高まる中、新しい形の防災として注目されている「フェーズフリー」。日常と非日常の2つの局面(フェーズ)を区別せず、普段利用しているアイテムやサービスが災害時でも役立つ「備えない防災」の考え方を取り入れた動きが広がっています。

地震の話題になると防災グッズが売れると言われますが、実際に防災グッズを使うのは非常時の時で、いざ使うとなると方法が分からなかったり、最低限のものだけをまとめて役に立たなかったなど、様々な場面が予想できますよね。

一方でフェーズフリー防災の考え方は、日常で使用しているものを非日常でも使えることを重視したことで、万が一の時の備えがすでにできていることになります。

三井ショッピングパーク「ららぽーと福岡」の施設内にある一見普通のベンチは、解体すると「かまど」として利用できる「かまどベンチ」で、SNS上でも大きな話題になりました。約45リットルの鍋が2つ煮炊きできる大きさで、緊急時に誰でも組み立てられるように説明版も設置されています。

他にも、緊急時にバケツの代わりになる防水バッグや、机にすることができるスーツケースなど、フェーズフリーグッズは徐々に広まりつつあるようです。

日本の防災事情とは

政府は2023年7月28日に、防災・減災対策の指針となる「国土強靱化基本計画」の改定を閣議決定しました。国土強靱化とは、大規模自然災害時に人命を守り、経済社会への被害が致命的にならず、被害を最小化して迅速に回復できるための体制を構築していくことを指します。

大規模な自然災害に備えることは、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGsの考えにも共通し「11.住み続けられるまちづくりを」を含んだ複数のゴールの達成に貢献するとされています。

そのうちのひとつであるデジタル技術活用の具体案の中には、現実空間を仮想空間に再現し、情報をリアルタイムに反映させることで事前に被害を予測する「防災デジタルツイン」の導入などが挙げられています。

デジタル技術の進化により、AIなどを活用した防災も浸透している中、X(旧:Twitter)のAPI制限により防災情報の自動投稿が停止していることも話題になりました。

Xの閲覧や投稿回数の制限により、災害時の情報がタイムリーに伝わらないことが課題に上がり、2023年8月15日には政府や公的機関からの防災・災害情報の発信に関しては自動で投稿できるよう対応することを公式Xが投稿で表明されました。

関東大震災から100年経った今

関東大震災から100年経った今、当時と比べて防災技術は飛躍的に進化し、防災意識も高まっています。いつ発生するか予測のできない自然災害に備え、日頃から使っているものをフェーズフリーに変えるなど、防災を少しずつ生活に取り入れてみませんか。

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