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従業員の健康投資で企業イメージ向上!今注目の「健康経営」とは?

従業員の健康投資で企業イメージ向上!今注目の「健康経営」とは?

#SHOW CASE
  • すべての人に健康と福祉を

働き方が見直されつつあるコロナ禍以降、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業が増えています。
また、日本では大手上場企業約4000社を対象に、2023年3月期決算から「人的資本の情報開示」が義務づけられました。人材を「資源」ではなく「資本」と位置づける人的資本経営においても、健康経営は重要なキーワードといえるのではないでしょうか。
今回は、”国民の健康寿命の延伸”に関する取り組みのひとつである「健康経営」について考えていきたいと思います。

人材の定着にもつながる「健康経営」って?

「健康経営」とは、従業員の健康管理を経営課題としてとらえ、働く人のモチベーションアップや生産性の向上などを戦略的に実践する取り組みのことをいいます。健康経営を推進することで、離職率の低下にもつながるといわれており、人材不足が深刻化する今、多くの企業が注目する経営方針ともいえるでしょう。

実際に、就活生・転職者への「健康経営が就職先の決め手になるか?」というアンケート調査では、「重要な決め手の一つになる」が52%、「最も重要な決め手になる」が8.4%と、約6割が「就活の決め手になる」という結果になりました。

わかりやすくいえば「ブラック企業は絶対イヤ!」「ホワイト企業で働きたい!」ということです。そんな背景も後押しして、近年はリクルートの側面から、“従業員を大切にしている企業”というイメージがつく「健康経営銘柄」を獲得する企業も増えてきています。

健康経営の1歩目をサポートする新健康指標「EBHS Life」

健康経営に力を入れ始めた企業が増えている中、自社の取り組みに力を入れるだけでなく他社の取り組みを後押しするサービスを展開しているのが、世界最大規模の医療従事者向けプラットフォーム「m3.com」を運営するエムスリー株式会社です。エムスリーは、未病の段階から健康状態を維持することを目的とする取り組み「ホワイト・ジャック・プロジェクト」を推進しています。

同グループのエムスリーヘルスデザイン株式会社が提供する従業員健康管理クラウドシステム「ハピネスパートナーズ」に、今年7月から、新健康指標「EBHS Life(エビスライフ)」が標準搭載されました。
この「EBHS Life」は、日本人の健康状態と平均余命の関係に注目した独自開発の新指標で、健診結果や問診データ、生活習慣アンケートを元に、科学的エビデンスに基づくAI解析を行い、寿命予測をシンプルにスコア化していることが特徴です。

画像出典:リリースより

日本人の平均余命を基準に100と設定し、健康状態が良い人は「EBHS Life」が100以上の数値になり、予測余命も91.32歳などと長く表示されます。一方で不健康だと、「EBHS Life」が100以下で表示され、予測寿命も低い数値になります。

予想寿命が具体的な数値で出るというのはドキドキしてしまいそうですが、実際に体験した人からは、「将来の疾患リスクを可視化してくれるので健康意識が高まった」とか「健康だと思っていたのにEBHSスコアが平均より低くてびっくり」などの声があり、未来の自分に対して対策を考えるきっかけに繋がっているようです。

そして、この「EBHS Life」を、自治体として初めて試験導入したのが山形市です。導入されたのは市民の健康寿命の延伸を目指すための健康ポイント事業「SUKSK(スクスク)」。山形市では11月27日から、SUKSK登録事業所の従業員への「EBHS Life個人レポート」の提供に加えて、登録事業所向けに「EBHS Life企業レポート」の無償提供を限定15社に向けて期間限定でスタートしています。

画像出典:リリースより

「EBHS Life企業向けレポート」の大きなメリットは、社員一人一人の健康状態を管理するクラウドシステムにとどまらず、企業全体の健康状態を可視化・分析できることです。健康状態悪化による労働生産性損失額(プレゼンティーイズム)の表示や、ワークエンゲージメントの表示など、今後の経営に求められる指標を盛り込んでおり、健康経営に取り組む企業にとって、大きな後押しになりそうです。

そして、官民が連携して地域企業の健康経営を支援していく山形市のような動きは、今後全国に広まっていくかもしれませんね。

「健康経営銘柄2024」に認定される企業はあなたの会社かも!?

今まで「自分が働いている会社はどのくらい健康経営に力を入れているのかな?」と考えたことはありましたか? 健康に楽しく働くことは私たち誰もが願うことです。社員が心身共に健康な状態でいきいきと働くためには、健康投資が不可欠な時代なのかもしれません。

さて、冒頭でちらっとご紹介した「健康経営銘柄」選定企業は、毎年3月頃に発表されます。次回2024年3月の選定企業発表は第10回目を迎えます。健康経営が企業経営のスタンダードになりつつあるなか、次回はどんな企業が選出されるのか、注目してみてはいかがでしょうか。


執筆 / フリーライター こだまゆき

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