“SDGs”と“企業”をもっと近づける!SDGs MAGAGINE

子どもたちが再生可能エネルギーを学ぶ!環境教育プログラム「ReENE ÉCOLE」リポート

子どもたちが再生可能エネルギーを学ぶ!環境教育プログラム「ReENE ÉCOLE」リポート

#SHOW CASE
  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに

2023年10月に開業した「Forestgate Daikanyama(フォレストゲート代官山)」は、商業店舗やシェアオフィス、賃貸住宅等が入る複合施設です。地上10階建てのMAIN棟とTENOHA棟の2棟からなり、「住・働・遊」が近接するライフスタイルを目指す施設として東急不動産が運営しています。

そのTENOHA棟「TENOHA代官山」で1月27日、渋谷区立猿楽小学校の児童や地域の子どもたちを対象とした再生可能エネルギー事業の環境教育プログラム「ReENE ÉCOLE(リエネ エコール)」が開催されました。今回は当日の様子をリポートします!

都市と地域をつなぐ活動拠点「TENOHA代官山」ってどんな場所?

イベント前半では、「地球温暖化」や「再生可能エネルギー」について学ぶ特別授業が行われました。まず、東急不動産の都市事業ユニット 渋谷開発本部の小田麻友美さんが、クイズを交えながら、この日の会場である「TENOHA代官山」について説明しました。

世界でも有数の森林国・日本は、国土の約3分の2が森林といわれており、その森林の4割は人工林といわれています。持続可能な森林にするために必要なのが、混みすぎた森の木の一部を切って間引く「間伐」です。

「この建物は、間伐した木を使って作られています。机や椅子も“切ることが必要になって切った木”からできています」(小田さん)

さらに、食べ物のゴミをバイオマス処理し、残渣を堆肥化した土を利用して育てた野菜や、形の悪い野菜・果物を扱う「CIRTY CAFE」、規格外などで廃棄予定だった花を販売するフラワーショップ「ALL GOOD FLOWERS」などの紹介もありました。

世界中で起こっている大きな「エネルギー問題」とは?

次に、再生可能エネルギー事業企画部の平林夏生さんが「再生可能エネルギー」について説明しました。

「エネルギーは私たちの生活に欠かすことのできない大切なもので、一番身近なエネルギーは電気です。今、エネルギーには大きな問題が2つあります。『地球温暖化の進行』と『化石燃料への依存』です」(平林さん)

「地球温暖化って聞いたことある人~?」という平林さんの問いに、ほどんどの子どもたちから手が挙がりました。さらに「では、地球温暖化って説明できる人?」という問いかけには、「温室効果ガスが増えることによって、地球のなかに熱がこもって、地球の温度が高くなってくること」と、二重丸をもらえるほどの回答がありました!

「世界の平均気温は300年前(工業化前、1750年頃)に比べて何度上がったでしょう?」という三択クイズには、多くの子どもたちが「5℃」に手を挙げていましたが、答えは「1℃」です。

「1℃上昇というと小さな変化のようですが、豪雨の頻発や台風の強大化、海水面上昇によって海氷面積が減少して、ホッキョクグマやアザラシなどの生息地が減るなど、生態系への影響が出ています」(平林さん)

2つ目のエネルギー問題である「化石燃料」は、エネルギーを作るための石油や石炭、天然ガスのことです。これらを燃やすと二酸化炭素、いわゆる温室効果ガスが放出されます。日本のエネルギーの多くは化石燃料から作られている上に、日本で使われる化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っているという現状が伝えられました。

「再生可能エネルギー」とは?太陽光発電と風力発電に注目!

続いては、エネルギー問題を解決するひとつの方法として注目されている「再生可能エネルギー」についての説明です。化石燃料と違って繰り返し利用できる再生可能エネルギーとして、「太陽光発電」と「風力発電」が挙げられました。

「再生可能エネルギーが増えると、どんないいことがあるのでしょうか?」という問いに、子どもたちからは「化石燃料に頼らなくて済んで、地球温暖化を止められる」と、またしても模範のような回答があり、一同拍手喝采でした!

「明るいうちから電気をつけないようにすることや、なるべく食べ物を残さないことなど、皆さんが明日からできる行動で地球を守ることができます。さて、今日は皆さんに家で捨てるはずだったペットボトルを持ってきてもらっています。それを使って再生可能エネルギーの“電気”を作ってみましょう!」(平林さん)

ということで、後半は「電気」が生まれる仕組みが体感できるワークショップが開催されました。お父さんやお母さんに時々手伝ってもらいながら、ハサミやカッターナイフ、接着剤などを使いながら真剣な表情で取り組む子どもたち。

仕上げにペットボトルの表面や無地の台紙部分に、自分の好きな絵を描いたり、色を塗ったら完成です。発電用モーターを使った風車は「風力発電機」に、ソーラーLEDライトを使ったランプは太陽光で充電して光る「LEDランプ」になりました。

フードロス対策につながる、サステナブル体験ができるランチ

最後は「CIRTY CAFE」が提供するサステナブル体感ランチです。全員で「いただきま~す!」と大きな声で言ったのち、楽しいランチタイムとなりました。

この日のメニューは「野菜たっぷりのオリジナルボウル、カリフラワーとほうれん草のポタージュ、りんごジュース」。前半の特別授業でも紹介された、TENOHA東松山の太陽光発電の下で育った白米やもち麦、ほうれん草が使われていました。

食べ物のゴミから生まれた肥料を使って育てた野菜がサラダに入っていたり、ふぞろいの人参を使ったラペなど、フードロス対策にもつながるものもありました。お肉に見えるミートボールは、実は大豆を使ったソイミートボールだったりと、ボリューム満点でヘルシーなオリジナルボウルに、子どもたちからも笑顔がこぼれていました。

今回開催された「ReENE ÉCOLE」は、子どもたちに「サステナブルって何だろう?」、「再生可能エネルギーって何だろう?」と考えてもらうためのきっかけ作りを目的としたプログラムです。

子どもたちにはちょっぴりむずかしいのかな?と思っていた座学では、投影されるスライドを理解しようとする真剣な表情、そして積極的に発言する姿が印象的でした。未来を背負う子どもたちにとって地球温暖化などの環境問題は、大人が思っている以上に身近なものなのかもしれません。子どもたちだけでなく、一緒に参加したお父さんやお母さんにとっても、いい学びの場となったのではないでしょうか。


執筆 / フリーライター こだまゆき

アバター画像

WRITTEN BYSDGs MAGAZINE

カテゴリーの新着記事

新着記事

Page Top