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ブロッコリーが指定野菜に仲間入り!半世紀ぶりに追加となった「指定野菜」とは?

ブロッコリーが指定野菜に仲間入り!半世紀ぶりに追加となった「指定野菜」とは?

#SHOW CASE
  • つくる責任つかう責任

緑花椰菜(みどりはなやさい)という和名を持つ野菜、何だかわかりますか?
答えは、にんじんやカボチャなどと並ぶ緑黄色野菜の代表格「ブロッコリー」です。
そのブロッコリーが2026年度から、農林水産省の「指定野菜」に加わることが先月発表されました。新たな追加は1974年のじゃがいも以来、実に52年ぶりなのだそうです。

指定野菜が約半世紀ぶりに増えるということで、発表時にはSNSでも話題になり、X(旧Twitter)では、「“ブロッコリーさん” #指定野菜へのご昇格、おめでとうございます」と、あのキユーピー公式からほっこりする祝福ポストも!

今回は、この指定野菜について理解を深めてみましょう。

国民の生活にとって重要な「指定野菜」とは?

そもそも「指定野菜ってなに?初めて聞いた」という人も多いのではないでしょうか。指定野菜とは、全国的に流通し、特に消費量が多く重要なものとして国が指定している野菜のことをいいます。“日本の食卓に欠かせない重要な野菜”といってもいいでしょう。

現在、指定野菜にはキャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ピーマン、レタス、たまねぎ、ばれいしょ(じゃがいも)、ほうれんそうの14品目があります。ブロッコリーは今回、15品目の指定野菜として加わることになりました。

「指定野菜」になるとどうなるの?

ブロッコリーが「指定野菜」になった背景には、ほかの多くの野菜の出荷量が減少傾向にあるなか、ブロッコリーの出荷量は際立って増えているからといわれています。農林水産省によると、この30年で2倍にまで増えているといいます。

野菜はその年の天候で豊作になったり不作になったりと気象の影響を受けやすく、生産者の収益が左右される作物です。そこで野菜の価格が下がってしまった場合に、「来年も野菜を作ってくださいね」と国が「指定産地」の生産者を支援する制度があります。

国は「指定野菜」を毎年作ってくれる規模の大きな産地を市町村単位で指定しています。それが「指定産地」です。農林水産省によると、指定産地は現在890産地(令和3年5月7日現在)指定されています。指定産地には、指定野菜の出荷数量における2分の1以上を、指定された消費地域に出荷する義務が存在します。一方で、出荷価格が一定以下に下落した場合は、補給交付金が支給される「野菜指定産地制度」も存在します。指定野菜に加わることで、安定的な流通につながることが期待されるので、私たち消費者にとってもありがたいことですよね。

ちなみにブロッコリー生産量の多い都道府県はどこかわかりますか。1位が北海道、2位が愛知県、3位が埼玉県となっています。涼しい気候を好むので、秋から冬は埼玉県や愛知県で、夏場は北海道で作られているようです。

寒い今の時期が旬!ブロッコリーってどんな野菜?

「指定野菜」に準じる「特定野菜」というものがあります。アスパラガスやカリフラワー、ごぼうなど35品目ありますが、現在ブロッコリーはこの特定野菜のうちのひとつです。「特定野菜」から「指定野菜」に“昇格”したブロッコリーって、一体どんな野菜なのでしょうか。

ブロッコリーはキャベツの仲間で、イタリアの地中海沿岸が原産地といわれ、日本には明治時代初頭にカリフラワーとともに西洋野菜として入ってきたといわれています。
1970年代に消費が増えはじめ、急速に需要が伸びたのは1980年代以降です。「スルフォラファン」という、ブロッコリーが持つ機能性成分が、がん予防が期待できるとして一躍注目を高めたことがきっかけともいわれています。

スーパーの野菜売り場に一年中並んでいるブロッコリーですが、実は11月~3月の寒い時期が旬です。ビタミンCを多く含み、カロチンやビタミンB1、B2も豊富な栄養価の高い緑黄色野菜です。使い勝手もよく、サラダやシチュー、グラタンや炒めものなど、いろいろな料理に手軽に使える点も人気の理由かもしれません。彩りを兼ねてお弁当に入っていることも多いですよね!

日本は多くの農産物をアメリカや中国からの輸入に頼る農産物輸入大国です。だからこそ、日本国内の農産物はとても貴重です。価格が落ちても国が生産者を守ってくれる「指定野菜」は、新規就農者の増加にも期待でき、持続可能な農業の実現にもつながっていくのではないでしょうか。

最後にブロッコリーのオススメの調理方法をご紹介しましょう!ブロッコリーに多く含まれるビタミンCはお湯に溶けやすいため、茹でるのではなく、少量のお湯で“蒸す”のが良いのだそうです。“今が旬”ということを意識して、ぜひブロッコリーを食べてみてください。


執筆 / フリーライター こだまゆき

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