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日本船と外国船の違いとは?持続可能な観光を実現するクルーズ旅行の魅力を知ろう


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日本船と外国船の違いとは?持続可能な観光を実現するクルーズ旅行の魅力を知ろう

コロナ禍も落ち着き、今年のゴールデンウイークや夏休みには長期の旅行を計画している人も多いのではないでしょうか。

観光庁によると、コロナ禍からの観光のV字回復を図り、「稼げる地域・稼げる産業」を実現するために様々な取り組みを行っているようです。地域が活性化すると、雇用が安定し、所得の増加、税収の増加にも繋がっていきます。こうした良い影響を受けて、地域に対する住民の誇りや愛着が生まれ、地域からの人口流出が抑えられます。結果として、過疎地が減ったり、地元の人たちにも旅行者受入れへの理解・協力が促進され、観光地の更なる魅力向上につながるといった好循環が回り始めるということです。

こうした良い状況が生まれるための一つの手段に、船旅が挙げられます。

日本船の特徴と日本を代表する豪華客船

各地域の活性化に直接的な影響を与える旅のカタチとして注目されているクルーズ旅行。そんな日本のクルーズ旅行を代表する豪華客船の一つは、郵船クルーズ株式会社が運航する「飛鳥II」です。日本最大級ともいわれる「飛鳥II」では、日本一周旅行や神戸、横浜、金沢、苫小牧、高松など日本各地の港を発着する旅行、そしてサイパン、グアム、オーストラリアを一度に巡ることのできるオセアニアクルーズも行っています。日本の客船運航会社としては最大規模となり、2025年には日本船籍最大となる52,000総トンの「飛鳥Ⅲ」を就航予定です。

次に明治から一貫して客船運航を続けてきた日本で唯一の会社、商船三井クルーズ株式会社が運航する「にっぽん丸」は、日本一周はもちろん済州島、種子島、屋久島、与那国、奄美、石垣島といった島めぐりも就航しており、通常ではなかなか行かないような離島にも足を運びやすくなっています。

最後に、2022年12月27日を最後に運航を終了した「ぱしふぃっくびいなす」は、1998年4月12日より約24年間、日本クルーズ客船株式会社により運航されていました。フレンドシップをコンセプトとした船内は、アットホームで初めてでも気楽に過ごせる空間。日本船ならではの展望浴室や茶室もあり、寄港地での楽しみだけでなく船内でのアミューズメントも充実していた客船でした。

日本船では船内は日本語のみ、日本食が基本で寄港地も国内が中心ということがあります。また、季節に合わせたテーマクル-ズが楽しめるということも特徴の一つ。外国船と乗り比べてみると新しい発見があり、より深く船旅を味わうことができそうです。

東京に世界の豪華客船がやってくる!

日本船とはまた違った魅力を持つ外国船を保有する英国のラグジュアリー・クルーズ・ライン「キュナード」は創業183周年を迎え、長年にわたり大西洋航路においてクルーズ旅行をリードしています。「クイーン・エリザベス」の他にもヨーロッパ、カリブ海、アジア、オーストラリア方面に就航するクイーン・メリー2、クイーン・ヴィクトリア、クイーン・アンの4隻を保有。SDGs目標の一つである「2030年までに、地方の文化や産品を広め、働く場所をつくりだす持続可能な観光業を、政策をつくり、実施していく。」というテーマに古くから影響を与えている企業の一つといえます。

「クイーン・エリザベス」は英国女王エリザベス2世にちなんで命名されました。英国王室と深い縁があり、グランド・ロビーには第2代スノードン伯爵による初代クイーン・エリザベスをモチーフにした寄木細工が飾られています。また、船内には女王の肖像画も。毎日午後に提供されるアフタヌーン・ティーや、キュナードオリジナルのビールやジン、イングリッシュ・ブレックファストなど、英国ならではのグルメも多く、船内にいるだけでイギリスを楽しめるのもユニークな特徴です。

「クイーン・エリザベス」は3月28日(木)の東京国際クルーズターミナル初寄港を皮切りに、約2カ月にわたり東京発着クルーズ全8コースを実施しています。「クイーン・エリザベス」は年間を通じて世界中で船旅を提供し続けていますが、今回はオーストラリアでのクルーズシーズンを終え、青海南ふ頭公園に入港しました。この機会に世界を旅する豪華客船を東京で一目見ることができるでしょう。

クルーズ旅行では、陸上がメインだった旅行に新しい刺激を与えてくれるのはもちろん複数の寄港地をストレスなく回れるというのもメリットとしてあります。基本的に周遊旅行では荷物がかさばるのが大変なことの一つですが、クルーズ旅行では船上に荷物を預けておけるので寄港地での観光も身軽に楽しめます。

こうした環境の中では心も軽くなり、フラットにその土地の良さや特徴を感じ取ることができます。また移動中もずっと座っている必要はなく、自由にリラックスして過ごせるので心身ともに負担が少なく、よりサステナブルな旅行が実現できるのも嬉しい魅力です。次の旅行の計画では船旅でSDGsを意識してみるのもいいかもしれません。


執筆/フリーライター 北原沙季