“SDGs”と“企業”をもっと近づける!SDGs MAGAGINE

海藻由来のゴミにならない包装資材「エコ・ラッピン by BIOPAC」とは画期的な製品誕生の舞台裏に新内眞衣が迫る

海藻由来のゴミにならない包装資材「エコ・ラッピン by BIOPAC」とは画期的な製品誕生の舞台裏に新内眞衣が迫る

#RADIO
  • つくる責任つかう責任
  • 海の豊かさを守ろう

パーソナリティの新内眞衣さんとともにSDGsを楽しく分かりやすく学べるニッポン放送のラジオ番組『SDGs MAGAZINE』。11月5日の放送では、海藻でつくられた包装材「エコ・ラッピン by BIOPAC」を取り上げた。同製品の正規輸入元として日本で展開するModernR(モダナー)合同会社のミミさんをゲストに招き、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標12「つくる責任 つかう責任」など幅広い項目でSDGsに直結する取り組みに迫った。

以前、新内さんがSNSで見つけ、興味を抱いたという「エコ・ラッピン by BIOPAC」。今回の放送では、プラスチックに代わる包装資材として世界中から大きな期待を集める環境にもユーザーにも優しいインドネシア発のエコパッケージにフォーカスし、正規輸入代理店であるModernR合同会社のミミさんに、その画期的な製品が生まれた背景や、込められた思いを聞いた。

新内 「実は以前、ニッポン放送でアルバイトをされていた経験があるとか。懐かしい気持ちがありますか」

ミミ 「そうですね・・・でも、少し変わった気がします。30年ちょっと前の話なので」

新内 「その時も、有楽町」

ミミ 「はい、場所はここです」

新内 「では、久しぶりのニッポン放送ということで、本日はよろしくお願いいたします」

ミミ 「よろしくお願いいたします」

新内 「まず、ModernR合同会社は、どのような事業をされている会社なのでしょうか」

ミミ 「実は、私たちスタッフ全員に本業があります。例えば、私のような普通の会社員が何名かいたりとか、いろんなメンバーが自分のスキルを使って、良いものをもっと良い形で広めていこうという会社です」

“海藻つながり”で始まった「エコ・ラッピン」との関わり

ModernR合同会社では、戦略コンサル、マーケティング、PRなど各プロフェッショナルが、その案件ごとにチームを構成。特に得意としているのが、SDGsにも関わる地球と人のためになる製品やサービスで、その一つに「エコ・ラッピン by BIOPAC」がある。

新内 「良いものを良い形で広げていくチームということで、インドネシアのBIOPAC社の環境に優しい資材やノルウェーのオーガニック海藻の輸入やPRをされているとか。こちらを詳しくお話しいただいてもいいですか」

ミミ 「ノルウェー北部のロフォーテン諸島にはオーガニックの認証を取っている海藻があるんです。『ロフォーテン・シーウィード』というブランド名なのですが、エコ包装で絶対にプラとかを使わない。海藻を粉末状にしたものを紙でつくられた茶筒のような容器で蓋をして、乾燥させない工夫がされているんです。これがすごく良くて、コンセプトもしっかりしているので、弊社で輸入を始めて今、流通しています。その中で、オーガニック認証を受けた海藻そのものを欲しいというお客様もいらっしゃって、日本で売る場合にも完全エコ包装にしたいという思いがあった時に、以前興味を持ったインドネシアの海藻シートのことを思い出したんです。本当に、今年の初めくらいに始めたのですが、お話を聞けば聞くほど開発者の方の情熱を感じ、日本でもっと広めたいという思いが生まれ、輸入代理店になったという経緯です」

新内 「もともとは海藻シートだったんですか」

ミミ 「海藻原料のシートですね」

新内 「それを袋状にして・・・ということですね」

MdernR合同会社で取り扱っていた「ロフォーテン・シーウィード」を包装する上で、とことんエコにこだわるために着目したのが、インドネシアで開発されたBIOPAC社の海藻シートであり、ゴミにならない海藻由来の包装資材「エコ・ラッピン」というわけ。製品ラインにはラップ、サシェ、ガセット、巾着袋、シールテープなどがあり、真空包装も提供。海藻の栽培による炭素排出量の削減と、海中のプラスチック廃棄物の削減につながる製品として世界から注目を集めている。

新内 「ModernRの皆さんは、この『エコ・ラッピン by BIOPAC』に、どういった関わり方をされているんでしょうか」

ミミ 「日本の正規輸入代理店として、輸入販売とプロモーションを担当しています」

食べられる包装資材

新内 「衝撃なのが、『食べることもできる』という点ですね。食用グレードのため、食べることもでき、食品包装用としても使える。そんな革新的な製品ですけども、ミミさんは、これをいつ頃、どこで知ったのでしょうか」

ミミ 「1年半くらい前に、たまたまラジオかWEBサイトで画期的だなあと思ったのが出会ったきっかけですね」

新内 「でも、そこからの道のりは長かったんじゃないですか。外国と会社と交渉をしなければならないわけですよね。そのプロセスでは、実際にインドネシアに行くこともあったんですか」

ミミ 「コロナの時期でしたし、実はまだインドネシアには行けていないんです。ただ、開発者のノリー(ノーリヤワーティ・ムリョーノ)さんと本当に頻繁に話をして、信頼関係を築いて、代理店をやっているという経緯ですね」

新内 「輸入が始まって、まだ1年もたっていないくらいなんですね。じゃあ、私がSNSで見つけたのは、結構早い段階だったんですね。まさか、こういう形でお会いできると思っていなかったので、とてもうれしいです」

ミミ 「ありがとうございます」

「今日は現物を持ってきていただいているのですが・・・」と新内さんが切り出して、目の前に並べられたのはベージュ、ピンク、グリーン、3色の「エコ・ラッピン」。最大60センチ×95センチのシートをカットし、ヒートシーラーで袋状にするなどして利用できるという。

新内 「厚みでいうとビニールよりはちょっと厚めですよね。クリアファイルの素材よりは、ちょっと薄い。質感としては、つるつるしたところと、和紙みたいなざらざらの面がある感じです。耐久性はどうなのでしょうか」

ミミ 「やはり紙に比べると、お湯に溶ける素材なので多少は弱いのかなというところはあります。ただ、ゴミにならないという特性は、それ(取り扱いに配慮を要する点)を上回るほどだと思います」

新内 「苦手なものとかはあるんですか。ちょっとこれは包むには・・・みたいな」

ミミ 「水分のあるものはシートが溶けてしまうので向かないですね。あと、今の段階では冷凍、冷蔵にも向きません」

新内 「そうなんですね。でも、今の段階ということは、これから先、もしかしたら向くように開発が進むかもしれないということですか。」

ミミ 「開発者のノリーさんが今も研究してくれているので、どんどん改善されていくんじゃないかと思います」

新内 「基本色はこの3色ですが、これは本来の色ではなく、何かで着色をしているのでしょうか」

ミミ 「このベージュが本来の色なんです。何も色付けしていないんですよ」

新内 「海藻というから緑っぽくなるのかなと思いました。透明感のある素材で、中が見えるような形になっていますね。もちろんSDGs的な観点からも、その効果は大きいということで、その辺りも伺いたいのですが、『エコ・ラッピン』はSDGs的な解釈でいうと、どういった特長があるのでしょうか」

ミミ 「まず、ゴミにならない包装資材って世界中を探しても、まだほとんど無いに等しいんです。このBIOPAC社の海藻シートはお湯に溶かしてしまえば、形がすぐにフレーク状になって無くなってしまうんですよ。プラス、例えば家庭菜園をされている方とか農家さんなら、生分解性なので、土に入れてしまえば大体5日とか2週間くらいで分解されて無くなってしまいます。あとはペットボトルで問題になっているように、海に流れていったとしても、元が海藻ですから、お魚が喜んで食べてくれる。それを食べたお魚を私たちが食べても人体に何も悪い影響がない。そういうところで、SDGsを体現している製品だと思っています」

新内 「素晴らしいですね。本当に海藻には見えないんですけどね」

ミミ 「食べると、実はたんぱく質も取れるんです」

新内 「そうなんですか!」

ミミ 「食品としてちゃんと輸入したものなので」

新内 「ちょっといいですか・・・あっ意外と・・・破こうと思ったんですけど、全然破けなかったです。(続いて口に含み)あっ、海藻ですね。都こんぶの粉が付いていないバージョンを薄くした感じといいますか・・・めっちゃ海藻。しかも、すぐ溶けますね。すごい。ミミさんが『あまり食べるものではないけど』と言っていましたが、全然いけますね」

ミミ 「あっ、そうですか(笑)。コンブ好きな方にはいいかもしれない」

新内 「確かにコンブ、好きです。すごいですね。実際に見て魅力が伝わってきました」

貧困問題から生まれた技術

この「エコ・ラッピン by BIOPAC」という製品が生まれた背景には、生産過多に苦しむインドネシアの海藻農家の貧困がある。

ミミ 「ノリーさんに聞いたところ、インドネシアって海藻が大量に採れるのですが、毎年3分の2がゴミになってしまうらしいんです」

新内 「なんでですか」

ミミ 「なんだかんだ言って、海藻をすごく食べるのは日本くらいなんです」

新内 「そうかあ」

ミミ 「海藻は生き物なので、生息を止めることは出来ない。でも、ゴミとして捨てるにもお金がかかるし、売ることもできない。海藻農家の貧困が大問題になっているのをノリーさんは同じ国民として見て見ぬ振りができないというところから、海藻を使って何か自分にできないかというところを10年かかって考え、これができたんです」

新内 「10年かかって商品化されて、日本に来ているということですね。そんな『エコ・ラッピン』は今後、日本でどういった展開を目指しているのでしょうか」

ミミ 「とにかく、多くの人や企業が使ってくださって、環境のためにというよりは知らずに使ったら環境(問題の改善)につながったというふうにしていきたい。それが、私たちModernRの目標ですね」

着色や印刷、ヒートシール、厚さの調整など、加工性が高いため、さまざまな食品の包装に加工することが可能な「エコ・ラッピン by BIOPAC」。ゴミ削減と利用者の満足度向上を同時に実現でき、食物アレルギーの原因となるアレルゲン食品や動物性食品を含まないことからアレルギー疾患をもつ人やヴィーガンに対応できる点も、大きな利点といえ、今後のさらなる活用、展開が期待される。

そして番組の最後、新内さんは恒例の質問「今私たちができること=未来への提言」をミミさんに聞いた。

ミミ 「少しでも優しいものを少しでも多く。それが大きな動きになる。包装やビニール袋などいろいろありますけども、一つの選択を変えると、それが広がって大きな動きになるのではないかって信じています」

新内 「ありがとうございました」

ミミ 「ありがとうございました」

ミミさんを見送った新内さんは「ここでどれくらい溶けるのか、実験してみたいと思います」と、手の平サイズほどの「エコ・ラッピン by BIOPAC」を熱いお湯に投入。「すごい、すごいです。シートだったものが細かくプチプチと切れている感じで底の方に沈んでいきました。これ、確かにあと10分、15分すれば溶け切るだろうなというほどバラバラになっています」と“実況中継”で、その類まれな特性をレポートした。ゴミにならない海藻由来の包装資材。その画期的な製品に、最後まで感心しきりだった。

アバター画像

WRITTEN BYSDGs MAGAZINE

カテゴリーの新着記事

新着記事

Page Top