渋谷で楽しむイタリアの夏とSDGs──一杯のビールから考える「豊かな時間」とは?
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持続可能な社会といえば、昨今、私たちが真剣に向き合わなければならないテーマの一つです。環境問題や資源の有効活用など、どこか「我慢」や「努力」を連想させるこのテーマは、今ある楽しみまで減らさなければならないように思えるかもしれません。
しかし、その側面だけではないでしょう。自分にとって本当に大切なものは何なのか、そしてそれをこれからも楽しみ続けるにはどうすればいいのか……そんなことを考えるきっかけにも、なり得るのではないでしょうか。
さて、皆さんは「豊かな暮らし」と聞いて、どのようなシーンを思い浮かべますか?この言葉の意味を立ち止まって考えられるようなイベントが、この夏、渋谷で開催されました。
渋谷で体験する、本場イタリアの夏
すっきりとした爽快な喉ごしと、ほのかな麦芽の甘み、程よい苦味のバランス……この味わいが特徴的な「ビッラ・モレッティ」は、上質なホップを使用したイタリアンビール。165年以上の歴史を持つこのビールは、パスタやピッツァなど、さまざまなイタリア料理との相性も楽しめるのが魅力です。
8月29日・30日の2日間、渋谷ストリーム前の稲荷橋広場で行われた「Italia Terrace by ビッラ・モレッティ」は、そんなビッラ・モレッティを中心に、本場イタリアの夏を五感で楽しむことができる入場無料の体験型イベント。


20歳以上の来場者には、最初の一杯として「ビッラ・モレッティ」330ml缶が無料で提供されるなど、来場者向けのコンテンツも多数用意されていました。
例えば、場内ではイタリア料理が販売されていたほか、伝統的なミニゲームや、アイスクリームがもらえる「スタンプラリー」、マンドリン演奏まで。とにかくさまざまな楽しみ方が用意されていた印象です。
単に「ビールを飲む」という試飲イベントにとどまらず、食・遊び・音楽、そして人との会話……と、いくつもの体験が重なって、ひとつの「時間」をつくっていく──そんな心やすらぐひと時が生まれていたように思います。
イタリアに根付く「アペリティーボ」という文化
なかでも注目したいコンテンツの一つが、両日17時から開催された本場イタリアのバール体験「アペリティーボ・アワー」。
アペリティーボとは、夕食前にお酒や軽食を味わいながら、家族、友人、仲間といった親しい人とおしゃべりを楽しむイタリアの社交習慣のこと。食事そのものだけでなく、そこに至るまでの時間を楽しむ、そんなイタリアの暮らしの一部が会場内でも再現されました。




会場では、ビッラ・モレッティと相性がよい一口サイズのイタリアンフィンガーフードを無料で楽しめたほか、マンドリン奏者・藤川亜依里氏による生演奏も。
夕暮れの渋谷で、冷えたビールを片手に音楽を聴く。そして大切な人と話す。
そんな時間を過ごしてみると、「豊かさ」とは必ずしも多くの物を所有することではないのだと感じさせられます。
SDGsの視点で見る「豊かな時間」
こうした体験は、SDGsの視点から考えてみることもできそうです。なかでも関連するテーマの一つが、目標3「すべての人に健康と福祉を」。健康というと身体的な側面を思い浮かべがちですが、SDGsでは「ウェルビーイング(心身の良好な状態)」という観点も重要です。
もちろん、飲酒は適量を守ることが大前提ですが、誰かと会話をしたり、音楽を楽しんだり……お酒を片手に日常から少し離れてみる。そんな時間が、ふっと心がほどける瞬間を生み出してくれるのかもしれません。
また、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」という観点から見れば、都市の中に人々が集い、文化や交流を楽しめる場が生まれることにも意味がありそうです。異なる文化に触れることは、普段とは違う価値観や暮らし方を知るきっかけにもなります。
そのほか、一杯のビールや一皿の料理、音楽、会話、一つひとつの要素に目を向けてみると、「何を消費するか」だけではなく、「どんな価値を得るために消費するのか」という視点も見えてきます。このように、「時間」の価値に目を向けてみると、消費についても別の見方ができそうです。
「シンプルな喜び」を、これからも
「Enjoy life’s simple pleasures with Birra Moretti.(ビッラ・モレッティとともに、人生のシンプルな喜びを楽しもう。)」──これは、ビッラ・モレッティが掲げるコンセプト。今回取り上げたイベントは、まさにその言葉を実際の体験として味わえる機会と言えそうです。


さて改めて、持続可能な社会を考えるとき、私たちは「何を減らすか」「何を変えるか」という点に目を向けてしまいます。その視点も重要ですが、これからの暮らしを考えるなら、「何を大切にしたいか」という問いも同じくらい大切なのではないでしょうか。
大切な人と食卓を囲むこと、知らなかった文化に触れること、何気ない一杯をきっかけに会話が生まれること……このようなシンプルな喜びを、誰もがこれからも楽しめる社会とはどのようなものか。
この夏、渋谷に登場した小さなイタリアのテラスは、そんなことを考えるきっかけを与えてくれたのかもしれません。モノそのものだけではなく、大切な人と共有した記憶や、異文化に触れた体験に目を向けてみると、それまでとは違った「豊かさ」の形が見えてきそうです。
執筆/フリーライター・黒川すい






