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目に見えない生き物が「がん」をかぎ分ける?すべての人の健康と福祉の鍵となる新しい線虫がん検査「N-NOSE」

目に見えない生き物が「がん」をかぎ分ける?すべての人の健康と福祉の鍵となる新しい線虫がん検査「N-NOSE」

#SERVICE
  • すべての人に健康と福祉を

季節の変わり目でシビアな体調管理が求められる日々が続きますね。新年度の健康診断の結果もちらほら気になる方も多いのではないでしょうか。コロナ禍でなかなか今までの様に病院にも通いづらい、という声もあり、最近はおうちでできる検査キットやリモート受診サービスへの注目が高まっていますね。

厚生労働省「人口動態統計月報年計(概数)の概況」(2019年)によると、日本人の死因の第1位は「がん」で死因全体の27.3%を占めています。日頃から健康に気づかっている方でも、初期症状がわかりにくいがんも多数存在しています。

SDGsというと環境問題やエコ・リサイクルをまず思い出す方も多いかと思いますが、地球の健康だけでなく、すべての人の心と体の健康をもたらすための目標も含まれています。
SDGs17の目標「3.すべての人に健康と福祉を」内には「3.4 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通して3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する」と記されています。

今回は、そんな私たちの持続可能なウェルネスを実現するためにも、暮らしと関わりが深い「がん」の早期発見やがん検診受診率向上を目標とした、自宅でできる最先端のがん検査「N-NOSE」(エヌノーズ)をご紹介します。

がんをかぎ分ける犬の1.5倍嗅覚が鋭い虫とは

「N-NOSE」には、“線虫(センチュウ)”という生き物が使用されています。線虫は、体長約1ミリメートルで無色透明。私たちが普段意識することはあまりありません。自然界では土壌中に生息し、目や耳ではなく匂いを頼りに生きているため嗅覚が非常に発達しており、約1,200種類の嗅覚受容体遺伝子を持っています。
この遺伝子は、私たち人間は約400種類、嗅覚に優れていることで知られる犬が約800種類を保持しているので、線虫がそれだけ並外れた嗅覚を秘めているということになります。

そんな線虫の一種に「C.elegans(シー・エレガンス)」という種類がいます。シー・エレガンスは好きな匂いに近づき、嫌いな匂いから遠ざかるという化学走性を持っています。その走性を生かし、株式会社HIROTSUバイオサイエンスでは、ある条件下において、線虫が人の尿中からがんの匂いを検知してがんに羅患している人とそうではない人を高精度にかぎ分けることを発見しました。
これを“線虫の鼻”(Nematode NOSE)を意味する「N-NOSE」と名付けました。

小さな線虫が「がん」をかぎ分ける

がんの検査に線虫を用いるのには2つの理由があります。1つ目は、線虫が機械には真似できないほどの優れた嗅覚センサーを持つという点。2つ目は、飼育コストが非常に安価という点です。線虫は一匹が約300個の卵を産み、大腸菌で繁殖するため飼育コストが安価です。より多くの方に気軽にがん検査を受けてもらえるように、高精度であることと、安価であることを実現できる“線虫”の力を使用しています。

以前ミドリムシのチカラを活用したユーグレナ社の事例を記事でも取り上げましたが、こうしたケミカルな検査だけでない、生き物のチカラを通した最先端の取り組みはとても興味深いですね。

また、「N-NOSE」サービス開始当初は、提携している医療機関での受検に限られていましたが、その他に2つの方法で受検が可能になっているのです。1つ目は、採取した検体(尿)を自宅やオフィスまで集荷する「N-NOSE at home」、2つ目は、検体を自身で全国3カ所(東京、福岡、大阪)に設置されている「N-NOSE ステーション」か、毎週土曜日に全国7カ所(仙台、東京駅八重洲口、池袋、金沢、名古屋、京都、広島)に設置されている「N-NOSE ステーションサテライト」まで提出する方法となっています。

「N-NOSE at home」は2021年5月から対象エリアを全国47都道府県に順次拡大をしており、より多くの人に利用しやすい環境を整えている勢いのある取り組みです。
毎年多くの方が命を落としている「がん」ですが、早期発見が重要となっています。個人での利用はもちろん、両親やパートナーへのプレゼントにも素敵ですね。
みなさんも自然界にいるスーパー生物「線虫」のチカラをいただきながら、サステナブルな健康ライフを目指してみませんか。

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