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2022年、今年知っておきたいSDGs用語を先取り


2022年、今年知っておきたいSDGs用語を先取り

日本のSDGs研究の第一人者としてお馴染み“Mr.SDGs”こと 慶應義塾大学大学院 教授・蟹江(かにえ)憲史(のりちか)先生に、「2022年に話題になりそうなSDGsの関連用語」をお聞きしてきました。昨年は食品ロスや脱炭素が頻繁にニュースとなりましたが、今年はどうなるのでしょうか?

キーワードはこの3つ!
「ストックホルム+50」
「〇〇のターゲット」
「GSDR」

SDGsの起源となる環境問題初の政府間会議から50年後。
節目の今年に開催される注目の「ストックホルム+50」

みなさん、SDGsの前進であるMDGsは聞き覚えがあるのではないでしょうか?
これらの起源は環境問題に関する初めての政府間会議である「国連人間環境会議」にあります。毎年6月5日が世界環境デーと制定されているのも、この会議が開かれた日を記念して定められています。
1972年に開かれてから今年で50年になります。これを機として、2022年6月2、3日の両日にストックホルムで「ストックホルム+50」と題した首脳級対話が実施され、テーマは「すべての人が繁栄するための健康な惑星」と目されています。

当時は環境と人間の関係から始まった会議ですが、今では環境と社会と経済の持続可能性、サステナビリティとなり、今に至っています。現在、アメリカで活動されている蟹江先生によれば、『ストックホルム+50というのは、SDGsのおおもとになる記念の行事であり、非常に重要な会議になる』とのこと。

1972年6月にストックホルムで開かれた「国連人間環境会議」(国連提供)

「〇〇のターゲット」作りがいよいよ始まる

既にあるSDGs17個の目標に紐づく、169のターゲット。実は、2030年の国連アジェンダでは「各国がターゲットを作る」ことになっています。ドイツや北欧諸国、デンマークは既に作っており、日本政府は未着手の状態。政府だけではなく、企業や学校、プロジェクトなどで独自のターゲット作りが始まるのではと蟹江先生は予想。
昨年は企業でも「サステナビリティ宣言」と目標を発表する企業を多く見かけましたが、目標を達成するまでの細かいターゲット設定まで出来ている企業はどれだけの数いたでしょうか?
蟹江先生からは『本来、ターゲットを設定していなければ、ゴールまでの進捗が図れない』状態であると。今年は「2050年までにCO2排出量0にします」や「2030年までに男女の割合を半分ずつにします」などのターゲットまでを設定した宣言が多く出てきて欲しいですね。どんなターゲットが出てくるかも注目です!

国連サミットに合わせて発行される評価の評価?「GSDR」とは

Global Sustainable Development Reportの略で、日本語にすると「持続可能な開発に関するグローバル・レポート」。その意味について書かれた国連のホームページを一部引用。

“GSDRは、世界中の幅広い専門家やステークホルダーからの貢献を得て、
多様な視点や学術的背景を結集し、「評価の評価」をすること”

具体的にはどんなことが行われているのでしょうか?
国連は2つの点において、専門家に貢献してほしいとしています。
一つは「目標とターゲットの相関性が実用化されていることを示し、どのように幅広いSDGsの進捗を加速するかを扱ったケーススタディー(成功例と失敗例一つずつ)」。もう一つは「グローバルな目標を地域の行動へと移した例」です。
4年に一度発行されているGSDRの次の発行は来年2023年。この制作にも関わっている蟹江先生にとっても、発表準備のためのこの一年が重要。特に担当している分野は「どんなことをすれば、大きな変化が起きるか」を探してまとめているそうです。

そんな重要な人物にお聞きした2022年の注目キーワード、
みなさん、知っているキーワードはありましたでしょうか?

改めて、2022年の注目SDGs用語は3つ!
「ストックホルム+50」
「〇〇のターゲット」
「GSDR」

ニュースを見るとき、企業の取り組みを決める時の参考にしてみてください。