“SDGs”と“企業”をもっと近づける!SDGs MAGAGINE

世界50ヶ国で実践されるアートプロジェクトをSDGsの社内研修に!

世界50ヶ国で実践されるアートプロジェクトをSDGsの社内研修に!

#TREND

あらゆるところでSDGsが叫ばれるようになった現代。企業はSDGsの意識を持った社員を育て、サービスや商品開発に活かしていくことが求められるようになりました。
しかし、多くの企業が直面しているのが「SDGsの社内浸透の難しさ」という課題です。編集部でも様々な企業に取材に伺っていますが、その度にSDGsの社内浸透のため、試行錯誤しているお話をお聞きします。研修を設けたり、グループでワークショップを行ったり、最先端トレンドを学ぶために外部講師を招いたり・・。と、社内のSDGs担当の方や採用担当の方があれやこれやと工夫をするものの、なかなか自分ゴト化して考えてもらうのは難しいですよね。

そこで、今回はアートを取り入れた新しい社内研修の形をご紹介します。
社内浸透にお困りの担当者さん、必見です!

世界50ヶ国6000人以上が参加するアートプロジェクト「MASKBOOK」って何?

新しい社内研修の形として注目されるのが、その名も「MASKBOOK」。MASKBOOKは、フランスを拠点にアートで環境問題に取り組む団体「Art of Change 21」と中国のアーティスト「Wen Fang」のコラボによって、2015年パリで開催されたCOP21で生まれたコレクティブアートプロジェクトです。

MASKBOOKプロジェクトでは、大気汚染・地球温暖化・感染大流行・ごみ問題を始めとする様々な環境問題について、マスクを通して表現し、発信しています。既に世界50ヶ国以上で6000人以上の方々が参加し、日本からは建築家の安藤忠雄さんや元宇宙飛行士の山崎直子さんなど著名人も多く参加しています。

プロジェクトの中で使われている素材にも工夫があり、社会課題の要因になっているものやゴミとなって捨てられてしまう廃材を利用したりしています。
たとえば、自社の社会課題となっている廃材を活用して、SDGsのどの問題に当てはまるのか、これからどう解決していきたいかをマスクを通して表現することも可能です。

これはパソコンに使用されていた廃材の一部

今回は、日本で唯一のMASKBOOK公式パートナーであるアートチーム「LITTLE ARTISTS LEAGUE(リトルアーティストリーグ、以下LAL)」の共同代表であるルミコハーモニーさんと望月さんにMASKBOOKの魅力、そして新しい社内研修として注目される理由についてお話を伺いました。

MASKBOOKがSDGs社内研修の新しい形として注目されるわけ

2020年のコロナ禍に、アートを通じてマスクと向き合いたいとの想いからLALはMASKBOOKを日本に持ってきました。

これまでLALでは、MASKBOOKを茅ヶ崎のワクチン接種会場で展示をしたり、子どもたちに向けてワークショップを展開するなどしてきました。また、WWF生きている地球レポート2020より「生物多様性の回復を描くカーヴのシナリオ」を珊瑚で表現したchart MASKBOOKを制作し、「今後様々な施策を投じれば、生物多様性は回復出来る」というポジティブな未来予測を発信するオンラインシンポジウムを行いました※。

MASKBOOK×WWF×CHART PROJECT®

このような様々な取り組みの中で見えてきたMASKBOOK、ひいてはアートの魅力は、自分ゴト化できていない、どこか遠く感じる社会問題を、アートという形で実際に自分の目の前に生み出すことで、身近に感じるきっかけを作れるというところです。今まで興味がなかった社会課題を手を動かし、生み出すことで、より深く知るきっかけになります。

ビジュアル化するのが難しい社会問題を自分で作品として表現することは、今ビジネスの世界で求められている「問いを立てる力」や「0から1を生み出す力」の育成にも繋がります。これはアート思考やアートエデュケーションと呼ばれます。メディアでも2019年頃から報道され始め、2020年にはその量が約3倍※に増えました。また、SNSでも「アート思考」に関連した投稿数が約3倍※に増えるなど、話題になっています。社内研修で行ったMASKBOOKのアイデアがそのままビジネスアイデアになるなんてこともあるかも!?

※Twitterでの発信数と、ニュースサイト収集ツールを用いて編集部独自にて調査した数値。

ぜひ、アートを通じて社会課題を身近に考えるきっかけ作りになるMASKBOOKを、新しいSDGsの社内研修として取り入れてみてはいかがでしょうか。

LALでは、その他にもアートをきっかけに社会課題を考えるプロジェクトを数多く行っているので、ぜひ今後もその動向に注目していってみてください!

プロフィール:
ルミコハーモニーさん
日本生まれ。フィンランド人と結婚後、ブラジルに在住。そこでダイバーシティを意識するようになる。日本帰国後は自身のアート活動を本格化。いろんな人と組むことでハーモニーが生まれるとのことから、自分とは違う海外で育った望月と共にLALを立ち上げる。

望月実音子さん
横浜生まれ。幼少時代をアメリカ東海岸、中高時代をオランダと香港で過ごす。幼少の頃から絵画に対する強い情熱を持ち、大学では造形としてのファッションについて学ぶ。日本帰国後、ルミコハーモニーと共にLALを立ち上げる。

サムネイルは「LITTLE ARTISTS LEAGUE/ポピンズホールディングス コラボプロジェクト」より

アバター画像

WRITTEN BYSDGs MAGAZINE

カテゴリーの新着記事

新着記事

Page Top