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広がるラベルレスボトル。コカ・コーラから発売当初のデザインを踏襲したニューボトル登場

広がるラベルレスボトル。コカ・コーラから発売当初のデザインを踏襲したニューボトル登場

#SHOW CASE
  • つくる責任つかう責任

最近見かけるようになったラベルのないシンプルなペットボトル。水をネット注文したらラベルレスだった、という経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。環境に配慮した取り組みということはなんとなく理解できますが、なぜここ数年になって各社が取り組み始めたのか、そこにはどのような背景があるのでしょうか。ラベルレスボトルについて見ていきましょう。

コカ・コーラはラベルレス専用デザインを発売

コカ・コーラから4月25日に100%リサイクルPETボトルを使用した新ラベルレスボトルがオンライン限定で発売されています。今でこそコカ・コーラといえば見慣れたペットボトルを思い浮かべますが、販売当初は、くびれた瓶に商品名が凹凸に浮き上がったシンプルなデザインでした。今回は当時のデザインを踏襲し、そこに更に「サスティナビリティ」の要素が加わった、進化したボトルになっています。
ラベルやボトル包装は商品のPR要素も大きく、手にとってもらうための重要な役割を果たしています。ラベルが無かったら何の飲み物か見分けがつかないこともありますが、このデザインは一目でコカ・コーラであると分かり、ブランドの訴求と、プラスチック使用量の削減を両立しています。
販売するコカ・コーラシステムでは、2020年からこれまで8ブランド18製品についてラベルレスを進めており、今後も拡大が予定されています。

【コカ・コーラ】 綾瀬はるか 「新ラベルレスボトルインタビュー」 Coca-Cola
【コカ・コーラ】 「新ラベルレスボトル登場」篇 Coca-Cola

ラベルレスボトルの登場は2018年

2018年、アサヒ飲料より業界で初めてラベルレスボトルの箱売りがオンラインで発売されました。ペットボトル飲料は食品表示法に基づき、品名や栄養成文表など表示する義務がありますが、ケース販売や箱売りの場合は、その箱や外装紙に印字することで個々の商品はラベルレスでも良いとされています。特に、ネットで買い物をする人にはラベルによる商品PRが不要なため、ラベルレス商品はオンライン販売が中心になっています。なお、店頭で販売するためには、表示義務を遵守するために小さなラベルやタックシールが必要になり、厳密なラベルレスは難しい状況にあります。

ペットボトル容器は、材質やリサイクルの表示を明記するよう義務化されています。以前はリサイクルマークを印刷したタックシールの貼付が必要でしたが、2020年に資源有効利用促進法に基づく識別表示に関する制度が変更されたことで、表示マークを直接ボトルに加工することが許可されました。それ以降、ラベルレスを採用する企業は急増しています。

参考:資源有効利用促進法に基づく 識別表示のサイズの縮小等について(スチール缶、アルミ缶、PET製容器)

環境に配慮。ラベルレスボトルの広がり

ここ数年で広がりを見せているラベルレスボトル。企業がここまで取り組む背景には何があるのでしょうか。
このきっかけとなっているのが、SDGs目標14のターゲット1、「2025年までに海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」です。
2022年4月には、使い捨てプラスチック製品の削減を企業などに求める、プラスチック資源循環促進法が施行されるなど、国をあげたプラスチック削減が進んでいます。そのような中、飲料メーカー各社も社会的責務を果たすために、ペットボトル素材の見直しやリサイクル推進といったプラスチック問題の解決に取り組んでおり、ラベルレス化もその一環です。
また、使う側にとっても、ゴミ捨てが楽になる、分別が楽になるといったメリットもあります。ある商品はラベルレスにしたことにより売り上げが前年比の2倍になったといい、多くの人がラベルを不要と感じていることが分かります。

ラベルの次は包装?環境に優しい○○レス

ラベル以外にも、最近では包装の簡素化の取り組みが目立ってきています。これまでペットボトルの梱包には段ボールが使用されていましたが、透明のフィルムに置き換えて段ボールを無くす企業も出ています。また、身近な事例を挙げると、2019年にフリマサイト大手のメルカリは、繰り返し利用可能な梱包材を試験的に配布する取り組みを行いました。このように物流や梱包材についても、循環型社会の実現に向けた動きが進められています。

選ぶことから始めてみよう

SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」のターゲット8では、「2030年までに、あらゆる場所の人々が持続可能な開発および自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする」ことが掲げられています。
環境に配慮された製品を選択する行動はSDGsの達成にも大きく影響しています。この行動は、これまで自分ごととして取り組めていないと感じていた人にも、日常生活を通して自らの行動が持続可能な社会の実現に繋がっていると自覚するきっかけを与えてくれることでしょう。ラベルレスボトルが当たり前になる日も近そうです。

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