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現代に奴隷制が?チョコレートの陰に挑むヨーロッパ1位のブランド

現代に奴隷制が?チョコレートの陰に挑むヨーロッパ1位のブランド

#SHOW CASE
  • 貧困をなくそう

ポップでキュートなパッケージのこのチョコレート。
ただ可愛くて、おいしいチョコレートではありません。、甘くてビターなチョコレートにまつわる社会問題を解決する、オランダ発のブランド「トニーズチョコロンリー」の商品なんです。

画像出典:トニーズチョコロンリー公式HP

4年連続1位

近年、数々のブランドや企業が環境や社会課題に真摯に向き合い、様々なプロジェクトを実施しているのが目立ちます。

今年2月、何万とある企業のうち、よりサステナブルに社会貢献活動ができている企業をヨーロッパ最大のブランド調査機関「サステナブル・ブランド・インデックス™」が分析した、最新レポートが発表されました。レポートで高い評価を得る企業の多くはグローバルトップの大企業のイメージがあります。
現に、このレポートにおいても日本が誇る大企業「トヨタ」や、世界最大の家具量販店「IKEA」などが上位にランクインしています。しかしその中で、2017年から2021年まで4年連続1位獲得の企業が「トニーズチョコロンリー」です。

甘いチョコレートのビターな裏側

トニーズチョコロンリーはオランダ発の製菓会社で、カカオ農園の強制労働や児童労働の問題を解決すべく2005年に創業しました。リラックス効果や集中力を高める時に欠かせないチョコレートは日本で簡単に手に入ります。しかし、その手軽さの裏には非人道的に低価格で取引し続ける企業の存在があります。

適正な価格で取引されないことは子どもの違法労働へ繋がっており、無給で奴隷の様に毎日働かされている子どもが156万人ほどいます。世界のカカオ生産の60%を担っている西アフリカのガーナやコートジボワールでは、過酷なカカオ農業の仕事に対し、適正な賃金が支払われておらず貧困格差が続いています。

100%奴隷奴隷制のないチョコレート作り

そんなチョコレート業界を変えようと立ち上がったのがトニーズチョコロンリー。奴隷労働のないチョコレートを作るために、ブランド独自で定めたルールに則り、チョコレートを生産しています。
例えば、フェアトレード認証があるものとそうでないカカオ豆が混ざってしまうことを避けるために、現地の協同組合から直接カカオ豆を調達し、カカオ豆の追跡を可能にしています。また、フェアトレードだけでは賃金が十分ではないため、「トニーズプレミアム」という制度を設け、農家が十分に生活できるようフェアトレード認証の価格に約30~40%上乗せして取引を行うなど強制労働のないチョコレート作りを実現させています。

「トニーズチョコロンリー5つのルール」
1. フェアトレード認証の原料のみを使用
2. 「トニーズプレミアム」で契約農家に適正な賃金の支払い
3. お金・時間・人的資源を協同組合に投資し、団体として自立するように支援
4. カカオ農家と最低5年の長期契約
5. 品質と生産性向上のための知識と技能の訓練に投資

時代が変わるとともに色々な制度や法律が見直されているものの、課題は山のように残っており同時に苦しめられている人も多くいます。

甘いチョコレートのビターな現実。チョコレートを購入する際に一度立ちどまり、このチョコの裏側にいる人々の存在を思い出すことで、100%奴隷労働のないチョコレート業界に一歩近づくはずです。

画像出典:トニーズチョコロンリー公式HP

公式HPはこちら
Instagram(@tonyschocolonely

企画・ライター/マヤニコル
編集/内村

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