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オニヤンマを着けると蚊にさされない説。蚊媒介感染症にも気を付けよう

オニヤンマを着けると蚊にさされない説。蚊媒介感染症にも気を付けよう

#TREND
  • すべての人に健康と福祉を

夏は蚊に刺されるもの。刺されやすい体質だから仕方ないと、諦めている人も多いのではないでしょうか。実は、虫刺されとSDGsにも関係があります。目標3「すべての人に健康と福祉を」の中に、感染症対策に関する目標があるのです。世界三大感染症・エイズ、マラリア、結核のうち、蚊が媒介する感染症はどれでしょうか。少し怖がらせてしまうかもしれませんが、虫刺され対策とともに、感染症についての知識を深めていきましょう。

世界三大感染症は他人ごとではない!日本・世界の現状

世界三大感染症とは、エイズ、マラリア、結核のこと。それぞれの定義を、「厚生労働省 検疫所 FORTH」の情報を引用してご紹介します。

(1)HIV(エイズ)
HIVウイルスに感染した人の血液、母乳、精液、膣分泌液などの様々な体液によって感染します。HIVウイルスに感染し発症すると、他の病気に対する抵抗力がなくなって、いろいろな病気にかかります。病気が進行すると死亡することがあります。サハラ以南のアフリカ、ロシア、アジア、中南米の一部の地域で流行しています。

(2)マラリア
マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する病気です。世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。

(3)結核
結核は、結核菌に感染することによってかかる病気で、人から人へうつります。肺結核患者の咳やくしゃみなどによって、空気中に結核菌が飛び散り、周りの人がその結核菌を吸いこむことにより感染します。世界中で発生していますが、特にアジアとアフリカで多く発生しています。
WHOの調査によると、世界のHIVの感染者数は約3800万人に上ります。そのうち、67.6%がアフリカ。マラリアは約2億2900万人! その93.8%がアフリカで起こっています。結核は995万人で、最も多いのが南東アジアで43.6%、次いで24.7%がアフリカです。

画像出典:JICAつながる世界と日本より

日本における状況は、厚生労働省によると、新規HIV感染者とエイズ患者報告数は1219人(2019年)、新規マラリア感染者は60名前後(2018年)、新規結核感染者数は12,739人(2020年)となっています。
三大感染症は減少しているものの、このように世界では多くの人が罹り、日本でも感染者数がいるのが現状。人々の健康や生活、経済を揺るがす感染症を減らすことは、持続可能な社会づくりには欠かせません。
現在は感染症の1つである新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界三大感染症から目をそらしがち。しかし、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」の達成に向けて、一人一人が三大感染症の知識をもち、対策を考えることが大切です。

世界三大感染症のうち蚊が媒介して感染するのは、マラリア

冒頭の問題の答えですが、世界三大感染症・エイズ、マラリア、結核のうち、蚊によって感染する恐れがあるのは、マラリアです。
三大感染症のマラリアのほかにも、蚊によって感染する恐れがある病気には、デング熱、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱などがあります。
2014年8月以降、日本でもデング熱の感染症例が報告され、蚊に刺されないよう注意喚起がされました。感染場所として公園が挙げられ、東京都内や関西での感染が話題に。代々木公園や明治神宮などが、注意喚起や立ち入り禁止、蚊の駆除や調査といった対策がなされ注目されました。
厚生労働省によると、デング熱は急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られます。通常、発症後2~7日で解熱し、発疹は解熱時期に 出現します。デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがある、とされています。蚊は夏の風物詩だとあなどっていると、思わぬ結果を招くかもしれません。

効果的な蚊避け対策法は?足の裏の除菌という研究も

蚊が媒介する感染症に罹らないようにするために、厚生労働省も屋外の蚊が多くいる場所で活動する場合は、でぎるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊にさされないよう注意してください。と注意を促しています。
では、蚊に刺されを防ぐための、ユニークな方法をご紹介しましょう。

(1)足の裏を拭く
足の裏を拭くと蚊に刺されにくくなるという面白い研究発表を行ったのは、当時高校生だった田上大喜さん! 
蚊に刺されやすかった妹のために、蚊に刺されにくくなる方法を研究し、筑波大学主催の理科コンクールで“科学の芽賞”を受賞。その後、コロンビア大学に進学しています。田上さん研究によると、蚊に刺されやすい人と刺されにくい人の違いは、足の裏の菌。常在菌とよばれる人の皮膚に存在する菌の種類と数が関係しており、足の裏の常在菌の種類と数が多い人ほど蚊に刺されやすいといいます。足の裏を拭くだけの対策法なので、すぐにでも始められますね。

(2)オニヤンマのバッジをつける
キャンプ愛好家をはじめ、レジャーを楽しむひとのあいだで人気なのが『おにやんまくん』。オニヤンマを模した11㎝台のアイテムで、安全ピンで固定をします。

画像出典:楽天市場おにやんまくんショップサイトより
オニヤンマはアブやハチなどの小型の虫の天敵。テントや帽子、洋服などに『おにやんまくん』を付けることで、虫があまり寄ってこなくなったと感じる人が続出しているようです。
洋服に付けていたらなかなかインパクトがあるかもしれませんが、楽しい対策法で虫が寄ってこないなら、ぜひ取り入れたいですよね!子どもにも喜ばれそうです。

SDGsと関わりの深い、世界三大感染症と、併せて知りたい蚊が媒介する感染症についてご紹介しました。ユニークな蚊よけ対策を取り入れながら、刺されないように注意してみてくださいね。

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