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「世界からのサプライズ動画」が最高!ツボにハマってから、ふと考えたこと。

「世界からのサプライズ動画」が最高!ツボにハマってから、ふと考えたこと。

#SHOW CASE
  • 貧困をなくそう

国境を飛び越えて笑顔が連鎖する、最高にファンキーでおもしろい「世界からのサプライズ動画」を知っていますか?2021年に「スッキリ」(日本テレビ系)「新・情報7daysニュースキャスター(当時)」(TBSテレビ系)でも取り上げられ、大人気YouTuberのはじめしゃちょーやコムドット、ロックバンド King Gnuの井口理もこのサービスを使った動画でサプライズされたことで、TwitterやTikTokでも話題に。一日約300件の予約枠が数十秒で埋まるという大反響!を受け、お祝いのサプライズだけでなく、寝坊の懺悔からまで、推しへのプレゼントなど幅広く活用されています。

貧困に苦しむ人々の仕事に、笑顔の連鎖を生むサービス

一般社団法人WORLD SMILEが運営する「世界からのサプライズ動画」とは、思い出に強く残るメッセージ動画を友人・知人にプレゼントすることが出来るだけでなく、貧困に苦しむ人々への支援も同時にできる画期的なサービスです。

「世界からのサプライズ動画」のサービス料の一部が、各国の出演者へ届けられる仕組みです。

画像出典:WORLD SMILE 公式Twitter @worldsmile_jpn

WORLD SMILEの公式Twitterには、動画に出演する各国のマッチョの人たちは、金銭で雇われた傭兵であると綴られています。生活のために傭兵の道を選ぶ人が動画の出演で生計を立てることができれば、戦争に参加しなくてもよくなる可能性があるのです。

どんな動画が送れるの?いくらでいつ届く?

公式LINEから簡単に依頼ができますが、現在も大人気のサービスであるため、平均倍率は100倍とのこと。めげずに新規募集再開通知をオンにして待ちましょう。動画1件につき約6000~7000円、メッセージは25文字以内、広告利用は不可。悪意ある編集や、政治・宗教・国際情勢に関わる表現、人を傷つけるような言動はNGです。納期は翌日~2日以内、長くても7日以内が目安ですが、特別枠として、このサービスをより多くの方へ笑顔を届ける力のある芸能人・インフルエンサー・有名YouTuberへのサプライズ依頼は抽選なしで受け入れています。支払いは銀行振込のみで、コンビニATMからでも可能です。

サプライズ動画はアフリカやウクライナ、タイなどの国で撮影されます。一般的なサプライズのイメージを超越した予想外の明るさと軽快なダンスメッセージに、サプライズを受ける側は思わず笑みが溢れます。

笑顔がこぼれるサプライズに込められた思いとは

23歳(2022年現在)の若さで代表理事を務める後藤拓真さん。報道によると、自身の誕生日祝いにもらった動画がサービスの原点だそう。海外に住む友人が後藤さんのために制作したその動画は、まさに現地の人からのメッセージを集めたもので、ものすごく元気をもらったのだとか。動画一つで人を喜ばせることができるという思いから、「世界からのサプライズ動画」はスタート。

公式サイトのメッセージには、
<私たちは、サプライズ動画を通して現地の方々、そして動画を受け取る日本のお客様、お互いに笑顔になれると思いこの活動を始めています。もともと現地の方々は、仕事がない方や傭兵として銃を持ちたくなくても持っていた方、学校にも行けず、お腹いっぱいにご飯を食べることができない子供たちが、このサービスの依頼費の一部で生活することができるようになっています。そして、日本の方々は国境を越えて現地の方々からのお祝いの動画を受け取ることができ、笑顔になれます。>
とあります。単にドネーションするのではなく、動画を楽しむ人がいて、その動画に出演する人々の生活が向上するという仕組みは、SDGs目標1「貧困をなくそう」をポジティブに叶えられる可能性を感じます。

その一方で、動画に出演者する外国人を気にかける声も

過去に、「黒ズボン黒人マッチョダンス(発砲三回付き)」、「タイニューハーフセクシーダンス」、「ウクライナセクシー美女ダンス」などと題したプランがあり、現地の人のイメージを損なわないかなど、議論を呼びました。その後、WORLD SMILEでは見直しがなされ、現在は以前のプラン名は消え、「ザンビアマッチョ」、「アフリカマドンナ」のような名称になっています。公式サイトでも、下記のように綴られています。
<一般社団法人WORLD SMILEでは、以前問題視されていた箇所をSDGsへ繋がるような改善を施してリメイクとして運用している為 現地の方への最大限の敬意ある依頼である事を願っております>

カタコトでおもしろい!…でいい?笑いについて考えよう

「世界からのサプライズ動画」を見て、思わず笑ってしまったという人は多いでしょう。しかし、中には「各国の人を笑いものにしているようで……」と感じる人もいるかもしれません。そこで、一度立ち止まり“笑い”について考えました。
“黒人だから面白い”、“カタコトの日本語が面白い”と笑うことは良いのでしょうか。Netflix映画「浅草キッド」での名台詞『笑われるんじゃねぇぞ、笑わせるんだよ』にもあるように、笑わせるのか、笑われるのかは大きく違います。
また「笑い」について考える時、ドイツの著名な哲学者が述べている解説が役に立つかもしれません。

19世紀のドイツの哲学者・ショーペンハウアーの著書「意志と表象としての世界」には、
<笑いが生じるのはいつでも、ある概念と、なんらかの点でこの概念を通じて考えられていた実在の客観との間に、突然に不一致が知覚されるためにほかならず、笑いそのものがまさにこの不一致の表現なのである。>とあります。
つまり、思っていたことと実際に起きたことに不一致があり、その差が大きければ大きいほど笑いも大きくなるということ。「世界からのサプライズ動画」で笑えるのも、友達からのサプライズだと思っていたのが、まったく違う国のまったく違う姿の人が、予想外に歌やダンス、思いもよらない日本語メッセージを届けることに面白さがあるのではないでしょうか。
同時に、動画に出演する人たちが安心してパフォーマンスできるように、リスペクトを込めて利用してきたいですね。

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