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CO2排出量8トン削減?氷を使わないエコなスケートリンクが登場。どこで遊べるの?

CO2排出量8トン削減?氷を使わないエコなスケートリンクが登場。どこで遊べるの?

#TREND
  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 住み続けられるまちづくりを

冬になると、都内のあちこちでスケートリンクが登場しますね。2022年12月には、銀座のGINZA SIXガーデンにスケートリンクが登場しました。GINZA SIXガーデンは地上約56mの場所にあることから、銀座で最も星に近い屋上庭園として知られています。星々と夜景を眺めながら、スケートを楽しめるところが特徴です。
他にも、東京駅前には「Marunouchi Street Rink」が初登場。キッチンカーやホットドリンクが出店し、食事を同時に楽しむことも可能です。普段さまざまな人が使う東京駅でスケートをすべることで、非日常感を味わえます。
スケートリンクといえば、最初に思い浮かぶのは氷でしょう。11月頃に入ると、リンクに水を浸し、機械で冷やしているシーンを目にする方も多いはずです。しかし実は、GINZA SIXと東京駅前のスケートリンクには、一切氷が使われていません。代わりに使用されているのは、エコ氷としても知られる樹脂性の合成スケートリンクです。
スケートリンクにエコ氷を使うことで、環境にどのような変化をもたらせるのでしょうか?そこには、氷を使用することで消費されるエネルギーの問題などがありました。

今エコ氷が注目される3つの理由

そもそも、氷を作る過程で環境に負担がかかっていることを知らない方も多いのではないでしょうか?実は、300㎡の氷のスケートリンクを作るのに、電力25,200キロワット、ガソリン15,375リットルが使われ、しかもCO2は8.5トン排出されます。いくつもスケートリンクを作れば、環境への負担は免れません。そこで登場したのが、エネルギーを節約できる樹脂性の合成スケートリンクです。合成スケートリンクなら、主に3つの点で環境の負担を軽減できます。

耐久性は20年ほど。100%リサイクル可能な素材も

まず、合成スケートリンクは100%リサイクル可能です。理由はシンプルで、再利用可能な素材でできているため。加えて、耐久性は20年ほどとも言われており、数十年に渡って使い続けることができます。
一方の氷でできているスケートリンクでは、基本的に一度使ってしまうと、再利用することはできません。そのため、リサイクルする方法としては、溶かして打ち水にするなどしかありませんでした。
しかし、合成スケートリンクなら何度でも使用可能です。スケートリンクを一度作る度に消費されるエネルギーを、大幅に削減できます。それだけでなく、合成スケートリンクを設置するにあたって、電力や水などの資源が必要ありません。

氷を作るための、電力・水・ガソリン・CO2・発電機が不要

先述した通り、300㎡の氷のスケートリンクを作るには、電力25,200キロワット、ガソリン15,375リットル、水30,000リットルが必要です。CO2は8.5トン排出されるだけでなく、発電機による騒音も発生します。設置に6日ほどの期間を要するため、人件費もそれなりに必要です。一度作るためにエネルギーの消費が大きい現状があります。
その点、合成スケートリンクなら、電力、水、ガソリン、発電機が必要なく、CO2も排出しません。氷のスケートリンクでは設置場所が限られていますが、合成スケートリンクなら柔軟に対応可能。設置も1日で済んでしまいます。そのため、人材のリソースも確保できるところが特徴です。

転んでも冷たくない。怪我のリスクも軽減

従来の氷のスケートリンクでは、怪我のリスクが高くて難しいという問題がありました。そのため、子どもや高齢者など、怪我が重症化しやすい方と遊ぶことははばかられています。氷は地下の機械で常時冷やし続けているため、風邪の心配もあるでしょう。
合成スケートリンクは冷やしていないため、気温以外に寒さを感じる要因がありません。転んでも冷たくないので、ただでさえ凍える季節に、「ヒンヤリするかも」という緊張が生む身体の強張りもほどけるでしょう。子どもや高齢者、障がいのある方と遊んでも安心。恋人同士で遊んでも、服が濡れるなどの心配がいりません。
これはSDGsの目標11-2「2030年までに、特に女性や子ども、お年寄りや障がいのある人などをふくめて、だれもが、安全で使いやすい緑地や公共の場所を使えるようにする。」にもつながります。

限りある氷もリサイクルが必要な時代に

地球温暖化によって溶け続けている氷。日本の36倍(約1,300万平方Km)の面積を氷が覆っている南極大陸では、直近30年でおよそ6.4兆トンの氷塊が消失したとの調査結果もあります。この間、世界の海面が約1.8センチ上昇し、海に沈む都市も出現しました。
そうなると、スケートリンクはおろか、生活までも難しくなります。2030年代には、北極海に氷のない夏が来るとも言われており、氷のない世界が迫っていることは否定できません。そのため、今のうちから環境への負担を減らし、地球温暖化を食い止めることは、地球に住む全員の責務とも言えるでしょう。
そのため、氷のスケートリンクから合成スケートリンクに変える選択は、SDGsの目標9-4「2030年までに、資源をよりむだなく使えるようにし、環境にやさしい技術や生産の方法をより多く採り入れて、インフラや産業を持続可能なものにする。」にも紐づくのです。
限りある氷と水、そしてエネルギーを有効に使うためにも、樹脂性の氷を利用しているスケートリンクを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

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