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室内の熱の50%は“窓”から流出?環境にもやさしい「高断熱住宅」で寒波を乗り切る

室内の熱の50%は“窓”から流出?環境にもやさしい「高断熱住宅」で寒波を乗り切る

#TREND
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 気候変動に具体的な対策を

10年に一度の大寒波が襲った2023年の1月下旬。
朝には道が凍っていたり、夜は寒く寝づらかったりしていませんか?
しかし、1年で最も気温が下がるのは2月初旬ごろと言われています。まだまだ冬本番真っ最中なのです。
SDGs目標13には、「気候変動に具体的な対策を」という項目があります。外出する際には暖かく着込んだり、家の中にいる時には暖房をつけたりなど、みなさんも様々な対策をしていると思いますが、さまざまな理由で満足に防寒できないこともありますよね。
実は今、「ウォームビズ」というライフスタイルと、家自体を暖かく造る「高断熱住宅」が注目されています。
インフルエンザなども流行り出すこの時期に、今一度防寒について見直してみましょう。

寒い時期にはウォームビズを心掛けよう

コロナ禍以降、リモートワークの人口が増え、自分の自宅で仕事をする人も多い中、家の中が寒いと仕事も捗らずエアコンの温度を上げがちです。
しかし、それでもなかなか部屋の中が暖まらないという経験はほとんどの人がしたことがあるのではないでしょうか。
それは、住宅自体が熱を逃してしまっていることが原因と考えられています。そして、その熱の50%は窓から流出してしまっているという調査結果も出ています。限りある電力エネルギーを節約するには、どうしたら良いのでしょうか。
環境省が提案している「ウォームビズ」というライフスタイルがあります。
「ウォームビズ」とは、2005年から冬季の地球温暖化対策として推奨されている、衣食住での工夫によって、暖房時の室温を20度に設定しても肌寒さを感じず、快適に過ごせる生活スタイルの普及を目指す取り組みのことです。

例えば「食」の観点からだと、寒い時期にぴったりなお鍋を食べることであったり、煮物やスープに生姜を入れて身体を暖めることもウォームビズの一環です。
「住」に関しては、暖房の設定温度が20℃目安で快適に生活できることを指すのですが、最近のように凍てつくような寒さだと、なかなか難しいですよね。
そこで注目されているのが、家自体を断熱性の高いものにする「高断熱住宅」です。

電気代の節約にも!熱を逃さない高断熱住宅

せっかく暖房の温度を高く設定しても、家自体が熱を逃していたらなかなか室内も暖かくならず、さらに電気代も高くつくばかりです。
近年では、3枚のガラスと2層の空気層でできたトリプルガラスで窓をつくり断熱性を高めたり、屋根や壁に断熱性の高い素材を使ったりして、エアコンから出てきた暖かい空気を逃さない住宅が建てられています。
実際には北海道のニセコ町に最強断熱の集合住宅がつくられました。ニセコといえばスキーリゾートなどで知られますが、冬本場になると窓の半分まで雪で埋もれることもある場所です。外の気温は氷点下14℃まで下がり、とても寒いですが、その住宅ではエアコンの設定温度を20℃にすれば、部屋の温度を19〜20℃に保つことができ、下回ることはありません。
こういった家に住むことで光熱費を大幅に節約することも可能です。「高断熱住宅」に住み替えだことによって、電気代が半額まで下がった家庭もあります。

2023年から補助金制度も!省エネで質のいい住宅に

それでも、普通に家を建てるより値段が高くなることも懸念されますよね。
住宅の省エネ化を推奨する政府は、2023年から今住んでいる家の窓を省エネ効果の高いものにリノベーションする際の費用に対して、保証金を交付する取り組みを行なっています。「先進的窓リノベ事業」という試みで、窓ガラスの交換が主な対象です。
既存の窓ガラスを外して元のサッシを利用し、複層ガラスに交換する作業は、大がかりで高額ですが、その補助金として一戸当たり200万円まで還元してくれます。

小さな気遣いも環境のためになる

住宅のリノベーションは、家族やお金のことを考えるとタイミングなどもあるかもしれません。しかし、寒さをしのぐことは小さなことからでも始められます。
今では買い求めやすい値段で手に入る、着る毛布やパネルヒーターなど、身体を暖める道具は身近に売っているので、暖房を強めなくても対策できるのではないでしょうか。
環境にやさしく、そして自身の身体も暖められる方法で、一人ひとりが気を付けて住み続けられる住宅や地域をつくっていきたいですね。

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