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【STOP】エネルギー効率先進国からの後退。「エコが高い」は世界の非常識?

【STOP】エネルギー効率先進国からの後退。「エコが高い」は世界の非常識?

#TREND
  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに

食品や日用品など、どんどん物価が上がっていき、頭を悩ませている人も多い昨今。中でも真冬の時期はエアコンが手放せず、電気代の高騰に驚いた方も多いのではないでしょうか?最近では暖かくなり、電気代が下がりそうで安心していたら、相次いで4月から大手電力会社が電気料金の値上げを発表し落胆…なんてことも。その電気料金の中には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という、太陽光発電や風力発電の再エネの買取に必要な費用をまかなうためのお金も含まれています。この「再エネ賦課金」を改定し、5月に請求される来月の使用分から、平均的な家庭で月800円の負担を軽減することが発表されました。さらに電力会社からの来月以降の値上げ申請は、日程ではなく厳格で丁寧に審査するとしています。
今でも電気代に相当なお金を払っていて、「再エネにまでお金を払う余裕はない」と考える方も多いと思いますが、実は「エコな電気は高い」は世界の非常識になりつつあります。今回は、今、変えなければ、より遅れをとるかもしれない再生可能エネルギーについて日本の見解と、世界の見解の違いについて考えていきたいと思います。

エコが高いのは日本だけ?

エコな電気は料金が高いというイメージがありませんか?それは確かに間違いではありません。さらに再生可能エネルギーの中では1番ポピュラーでもある太陽光発電でさえ、気候に左右され、安定して電気を使えないのではとも思いますよね。しかし、これは日本に限っての話。実は世界の3分の2の国では再エネが最安であるという調査が出ています。例えばタイでは2020年に太陽光発電が最安で使える電力になりました。国が政策をし、太陽光発電市場を支援しているのです。アメリカでも陸上風力発電の使用が増加しており、世界中で再エネを使用することが当たり前になっていることが現状です。
そして、世界に比べると再エネに消極的に見える日本は、電力使用当たりの二酸化炭素排出量が多く、企業の立地として選ばれにくくなっています。その理由として、環境意識の高い大企業が、日本企業を含む様々な企業に対し、使用する電気はすべて再生可能エネルギーでまかなうことを取引の条件としているのです。これが実現しなければ取引は不成立となり、どんどん日本と仕事をする世界の企業がいなくなり、経済が回らなくなってしまいます。世界では当たり前になってきている再生可能エネルギーを、日本でも普通に使えるようにしなければいけません。

エネルギー効率先進国から「化石賞」を受賞する国へ…

2022年のCOP27(第27回国連気候変動枠組条約締約国会議)で、日本は「化石賞」を受賞しました。これはとても不名誉な賞。「化石賞」とは、気候変動への取り組みに対して、より後退している国に贈られる賞のこと。日本は地球温暖化の原因でもある化石燃料に、世界で圧倒的に1番多くお金を拠出していることが理由で「化石賞」をとってしまいました。しかし、日本は、1990年代の時点で「エネルギー効率先進国」としてリードしていたのです。なぜ今は事態になってしまったのでしょうか。
それは当時の日本政府は「原発を増やした上で後から再エネを増やす」という考えだったと言われています。原子力発電を軸にしていた日本がなかなか再エネに切り替えることも難しい中で、世界は使用するエネルギー自体を変えようと試みてきました。デンマークでは再生可能エネルギーの使用率は78.09%と、世界で最も再エネを使用しています。もともと石油危機に陥っていたデンマークは再エネの普及がすすめられていました。電力発電においては平たんな地形を生かし、自然災害の少ないことから風力発電の導入も推進されています。その国に合った再生可能エネルギーをつくり出すことができるのです。

自宅も再エネ化!電気代を安く抑えられる会社も

電気代はもちろん安い方が嬉しいですよね。しかしこのままでは日本自体が世界と連携が取れなくなり、巡りに巡って自分たちが困ってしまうかもしれません。SDGsの目標には「エネルギーをみんなでクリーンに」という項目があり、再エネに切り替えられる電力会社に加入することも持続可能な世界をつくっていく手段でもあります。
例えば「auでんき」の「ecoプラン」は、実質的に再生可能エネルギー100%で、CO2排出量ゼロの電気が利用できるプランです。さらに電気料金の一部は環境保護活動に寄付されるので、同じ電気代を払うことでも、エコな取り組みに参加できるということになります。「スマ電CO2ゼロ」は、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズが提供する新電力で、auでんきと同じように再生可能エネルギー100%かつ、CO2排出ゼロの電気を利用できます。さらに9時~15時の電気使用量が割安に設定されているので、1日中自宅にいる人にとってはとてもお得です。電気会社を見直すことは少なく、自分がどのプランで電気を使っているかもあまり気にしたことがないという人もいるのではないでしょうか。電気会社の自由化がすすみ、自分のライフスタイルに合った電気を選ぶことが、地球や日本、そして自分のためにつながるのかもしれません。

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