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<radiko配信中>アートをアートで終わらせない、真のサステナブルな活動とは

<radiko配信中>アートをアートで終わらせない、真のサステナブルな活動とは

#RADIO
  • 貧困をなくそう
  • つくる責任つかう責任

ニッポン放送で毎週日曜日14時10分からオンエア中のラジオ番組『SDGs  MAGAZINE』。パーソナリティは元乃木坂46で現在はファッションモデルや女優としても活躍中の新内眞衣さん。
今回は、廃棄物でアートを作る美術家、長坂真護さんをゲストにお迎えし、SDGsと廃棄物アートについて、アフリカやフィリピンのゴミ廃棄物事情、雇用の問題についてお話を伺いました。

長坂さんは、“電子機器の墓場”とも言われるアフリカ・ガーナのスラム街アグボグブロシーの電子ゴミ・廃棄物などからアートを作っています。
長坂さんのアートは、何を生み出し、何を表現し、何に貢献しているのか。アートをアートで終わらせない、真のサステナブルな活動とは。

聞き逃してしまった方はぜひradikoの聴き逃し配信をチェックしてくださいね。この記事を読んでから聞いてみると、よりお楽しみいただけます。
radiko:https://radiko.jp/share/?sid=LFR&t=20230416141000

サステナブル・キャピタリズム(持続可能な資本主義)

サステナブル・キャピタリズムとは、大量生産・大量消費を是とする資本主義を利用しつつ、そのシステムを“ハック”し(乗っ取り)、資本主義がつくり出した闇の浄化を目指す考え方。

アートの力で先進国と途上国の深刻な格差を是正することを目指しており、その一つの例になるのが、長坂さんが行なっている、ガーナ共和国の電子機器廃棄物処理場のゴミを素材に作品を制作し、その売上を現地の環境改善や雇用創出の事業に投資する活動です。 「経済成長至上主義をやめ、経済、文化の発展と環境保全をバランスよく循環させる。」多くの人たちがこの考えを理解し行動すれば、地球環境は改善し、人権軽視や格差問題も是正されていくと考えられています。

長坂さんのアフリカでの取り組み

2022年には1000枚の絵を描き、8億円を売り上げた長坂さん。 税金やランニングコストを除いた大半を、環境改善事業や教育・文化・経済活動に還元。現地の雇用も創出しています。

・EV事業:EVバイク、キックボードなどの研究、開発、デザインを現地で行い、先進技術をスラムに投資。
・農業事業:コーヒーの苗500本、プランテーション500本、栄養価の高い“スーパーフード”モリンガの苗550本、二酸化炭素を吸収するオリーブの苗10本をアクラ近郊の3エーカーの農園で育成中。
・リサイクル工場:小規模ながら有害ゴミを安全に処理するリサイクル工場を建設。アグボグブロシーの電子廃棄物を回収し、MAGOブロックの原料であるプラスチックチップをリサイクル工場で生産中。
・アートギャラリー:リサイクル工場の隣にアートギャラリーを開設。スラム出身のアーテイストの育成やプロデュースを行い、全世界のMAGO  GALLERYや美術館、百貨店で展示販売。
・ビーチクリーニング:先進国の寄付過多により、大量の衣料ゴミがアクラ近郊のビーチに投棄されている。そのビーチの清掃を行い、それらの衣料廃棄物を土に戻すプロジェクトを進めている。
・教育:2018年、スラム街初の学校『MAGO ART AND STUDY』を設立。今後50年、MAGOが死ぬまで無料を保証した学校で、平日の夕方から未就学の子どもたちに英語・算数・社会・アートのレッスンを開催。

2030年に向けた長坂さんの真のサステナブルな目標

2030年までに、世界の電子機器の墓場と呼ばれるガーナのスラム街・アグボグブロシーの住人を含む、ガーナ人1万人の雇用を目指しています。アグボグブロシーの人口は3万人と言われているので、これを実現すれば事実上全世帯からの雇用創出となります。
彼らを雇用し、世界最悪の電子機器墓場の街を公害ゼロのサステナブルタウンへと変えていくことが、長坂さんの目標。
最終的に廃棄物がなくなり、作品が作れなくなったら長坂さんの”問題解決のためのアート”は完遂。彼らにサステナブルタウンをプレゼントする事が最後の作品だと言います。美術家としての最終目標はアートで世界を平和にすること。

「世界が美しくなければ人も美しく人生を歩めない。そのために美術は美しい術で我々を平和へと導く」

長坂さんの活動を立派だと感じたら、それだけで終わらせず、自分たちにも何かできることはないかと考える機会にできるといいですね。

4月9日に放送したラジオ番組「SDGs MAGAZINE」は、radikoにて聴き逃し配信中です。時間が合わず聴き逃してしまった方は、ぜひradikoのタイムフリーで聴いてくださいね!
radiko:https://radiko.jp/share/?sid=LFR&t=20230416141000

ゲスト 廃棄物でアートを作る美術家、長坂真護さん

1984年福井市生まれ。MAGO CREATION代表取締役美術家。
2017年6月、ガーナのスラム街・アグボグブロシーを訪れ、先進国が捨てた電子機器を燃やすことで生計を立てる人々と出会う。
以降、廃棄物で作品を制作し、その売上から生まれた資金で、これまでに1,000個以上のガスマスクをガーナに届け、スラム街初の私立学校を設立し、2019年8月にはスラム街初の文化施設も設立。
この軌跡がドキュメンタリー映画“Still A Black Star”として製作され、アメリカの映画祭で「観客賞部門 最優秀環境映画賞」を受賞。現在、公開へ向けて準備中。経済・文化・環境(社会貢献)の3軸が好循環する新しい資本主義の仕組み「サステナブル・キャピタリズム」を提唱し、抜本的な問題解決に向け、現地にリサイクル工場建設を進めるほか、環境を汚染しない農業やEVなどの事業を展開し、スラム街をサステナブルタウンへ変貌させるため、日々精力的に活動を続けています。

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