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フランスにて鉄道2時間半に値する短距離移動の飛行機利用が廃止

フランスにて鉄道2時間半に値する短距離移動の飛行機利用が廃止

#TREND
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2023年5月23日、フランスでは、地球環境保護を促進するため、飛行機の短距離国内線の運行を廃止するという新たな法案が可決されました。今日は歴史的な出来事といえる本条例における背景、またそれを踏まえて私たちにできることについてご紹介します。

飛行機ってどれくらい環境に悪いの?

もともと、100年以上前にライト兄弟によって誕生した飛行機。それから瞬く間に世界中に普及し、今や国内外問わず多くの人に利用される代表的な交通手段の一つとなりました。

飛行機という交通手段のメリットは、「早さ」「安さ」「便利さ」の三拍子を兼ね揃えていることです。しかしそんなメリットに対し、飛行機が排出する二酸化炭素の量をはじめとする数々の環境汚染問題もデメリットとして同時に挙げられています。実際にイギリス政府デジタルサービス(Gov.uk)が発表したそれぞれの交通手段における二酸化炭素の排出量のグラフを見ても、飛行機は群を抜いて排出量が多いことがわかります。

画像出典:イギリス政府デジタルサービス

2019年、フランスの大統領エマニュエル・マクロンが設立した市民会議では、4時間未満の鉄道移動距離に値する飛行機移動の廃止を提案されていたそう。UFC C-Que Chosirというフランスの消費者団体によるこれを裏付ける理由としては、それらの距離に対する交通手段の違いは、少額の運賃と40分の時間の節約が叶う代わりに、約77倍の二酸化炭素の排出に値するということ。しかし、エールフランス航空や一部の地域の反対により、その走行距離は2時間半に短縮されました。

日本でいうと、東京大阪間?

東京から大阪まで、新幹線「のぞみ」で約2時間半。つまり、今回のフランスの新しい条例に値する距離となります。日本では普段、この距離における交通手段として飛行機を利用する人も多くいるかと思われますが、今後フランスでは、その選択肢が一つなくなります。数字で言われるとあまりピンとこない距離感も、こうして日本の実際の路線と置き換えて考えてみることで自分ごと化して考えられますよね。
そして、確かに新幹線は飛行機より拘束時間が少し長くなるとはいえ、2時間半という交通時間でも十分に早く、制限されるという意識をさほど大きく感じない人も多いのではないでしょうか?

これからの世界の飛行機事情

利便性が追求され、発展が止まらない世界において、環境問題を理由とし、選択肢を課金制度などで狭めるのではなく、潔く廃止したケースは珍しいのではないでしょうか。しかし、このように国が判断することによって、人々がまずその選択肢のデメリットを知ることは、今後の環境保全の大きな一歩につながります。
日本ではこのような議題はまだ上がってはいませんが、いずれ日本を含めた世界中の国がフランスの後を追い、法案を変えるケースも出てくるのではないでしょうか。

私たちにできること

国によって定められていなくても、わたしたち一人一人の選択によって、環境保護は実現可能です。それぞれの個人的な事情やスケジュールと相談しながら、自分に対する利便性だけでなく、地球にとって良い選択をすることも、今後さらに考えてみてはいかがでしょうか?

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