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故 ジェーン・バーキンを振り返る。フランスのミューズ、バーキンのサステナビリティ

故 ジェーン・バーキンを振り返る。フランスのミューズ、バーキンのサステナビリティ

#TREND
  • つくる責任つかう責任

イギリス、フランスを代表する歌手、女優として、芸術や文化の世界で活躍したジェーン・バーキンさんが、先月7月16日に亡くなりました。独自のスタイルをもち、ファッション業界にも大きな影響を与えた彼女が、エルメスを代表するバックのひとつ、『バーキン』誕生のきっかけであったことについて、知っている人も多いのではないでしょうか?

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ジェーン・バーキンさんは、その芸術性や創造性の高さで、生涯魅力的な存在、またの名をミューズとして多くの人々にインスピレーションを与えてきましたが、立派な慈善活動家でもありました。親日家でもあったバーキンさんは、日本でも数多くの活動を行いました。今日は故・ジェーン・バーキンの魅力について、そんな慈善活動家としての側面を軸にお話しします。

ジェーン・バーキンのアイコン、バーキン

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前述にしたように、ジェーン・バーキンといえば、あのエルメスの高級バッグ、バーキン。元々、バーキンさんがパリからロンドンへ渡る際、フライトで隣に居合わせた当時のエルメ芸術監督兼CEOのジャン=ルイ・デュマに対して放った冗談混じりの不満の一言がその誕生のきっかけとなったのは有名な話。
当時小さな子供の母であった彼女は、丈夫で容量の多い籠バックを持ち歩いていましたが、機内でぶちまけてしまいました。その際、自分のように忙しく荷物の多い母親にとって便利な、ポケット付きの大きな日常使い用のバックが欲しいと言ったのです。
今のエルメスのバッグを考えれば、彼女のいう日常的なかばんというイメージはなかなか湧きにくいものの、生前のジェーン氏をみると、エルメスにプレゼントされた鞄を長年使い続け、そこにはチャームやチェーン、ステッカーなどを使って、カジュアルに、また彼女らしく使いこなしていたことが分かります。彼女のバッグの使いこなし方は、今でいうママバックに近く、自分らしい形で楽しく大事に使っていたのが一目瞭然。今のバーキンでは中々みられないこなれ感が、ジェーン・バーキンのおしゃれなバッグとして愛用しています。長年愛用したジェーン・バーキンのバーキンですが、ジェーンは晩年、使い古された大事なバーキンをオークションで販売しました。その価格は1600万円以上に及び、さらにジェーンは日本の地震救援活動団体に寄付しました。
またバーキンさんは、アイコンバックのロイヤリティとして毎年数100万円を受け取っていましたが、これもさまざまな団体へ寄付し、貧困社会に貢献していたと言われています。

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ジェーン・バーキンと日本

バーキンさんは、バーキンを売ったお金の寄付だけにとどまらず、これまで、日本でたくさんの活動支援を行いました。例えば、東日本大震災。当時白血病を患っていた彼女ですが、それでも自分にできることはないかと考え、自費の元、募金活動や復興支援のコンサート、取材、避難所訪問など、たった3泊という短い期間に、本当に多くの活動を行いました。
ジェーンと日本はこのように密接な関係性を持ち続け、例えば2013年にジェーンが長女を亡くした時も、悲しみに打ちひしがれたジェーンへ、日本から千羽鶴が送られました。
芸術家として、ファッションアイコンとして、沢山の輝かしいシーンを飾ったジェーン・バーキン。ファンシーな一面を持ちつつも、長く使いこなしたバッグ、そして損得問わず、助けを必要とする人を思って行った数々の慈善活動から、彼女の人柄が蘇ります。

後世に受け継がれるバーキンさんの想い

今も、生前、ワニ皮のバーキンを作る際の生産方法についてエルメスに苦言を要請していた彼女の思いを引き継いだ動物保護団体、PETAが、エルメスに対して、彼女のアイコンであるバーキンにワニ皮の使用をしないように求めています。ジェーンさんの思いは、死後もなお受け継がれています。

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ジェーン・バーキンさんと日本の意外な関係性や、彼女の慈善活動、またシンプルかつサステナブルな生き方に、驚いた人も多いのでは。自分にできること、自分だからできることを探求し、困っている人や、問題の解決に向けて、皆んなが手を取り合う未来になりますように。
ジェーン・バーキンさんのご冥福をお祈りします。

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