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日本人の3人に1人が花粉症!国民病はこれで改善?「花粉症対策パッケージ」とは


この記事に該当する目標
13 気候変動に具体的な対策を 15 陸の豊かさも守ろう
日本人の3人に1人が花粉症!国民病はこれで改善?「花粉症対策パッケージ」とは

冬の寒さも和らぎ、春の暖かさを感じるようになってきました。そんな今の季節、同時に私たちを悩ませるのが花粉症です。今や日本人の3人に1人がスギ花粉症と言われています。

その花粉症の症状を悪化させている原因が、地球温暖化に代表される気候変動によるものだということを知っていますか?地球温暖化に伴い、植物の生育が促進され、花粉の飛散期間はより長く、飛散量はより増加しているそうです。そんななか、国内や海外でどのような花粉対策が行われているのか、深掘りしていきたいと思います。

国が推進する「花粉症対策パッケージ」って?

岸田首相は、花粉症を「我が国の社会問題」とまで発言をしています。令和5年10月、政府は花粉症対策として、花粉の発生源であるスギ人工林の伐採や花粉の少ない品種への植え替えを重点的に行う区域を設定することなどを盛り込んだ「花粉症対策初期集中パッケージ」を取りまとめたと発表しました。

スギの人工林を10年後に2割程度減少、30年後には花粉の発生量を半減させることなどを目標として掲げています。
国立研究開発法人 森林研究・整備機構は、都道府県と協力し「少花粉スギ」や「無花粉スギ」の開発をし、花粉の少ない苗木や他樹種への植え替え等を進めることによって、スギ人工林の減少スピードを約2倍にすることを目指すとしています。
国をあげて対策することによって、少しでも日本国民全体の花粉の悩みが減少することに期待したいですよね。

花粉症で仕事が捗らない人へ朗報!「花粉症手当」の導入

花粉症は健康面の問題だけでなく、労働生産性や作業効率の低下など、仕事面でも問題を引き起こしてしまいます。「花粉症の症状が自身の仕事のコンディションに影響しているか」というある企業調査では、8割以上のビジネスパーソンが「花粉症により仕事のパフォーマンスが低下していると感じている」ということが分かっており、花粉症による経済損失も多額に昇ります。

画像出典:パナソニックリリース「社会人の花粉症に関する調査」より

そこで、作業効率が低下に繋がることを受け、株式会社ラフールや株式会社SRACreativeなどの企業では、花粉症の症状で医療機関を受診した際の受診料や処方箋代などの費用を支給する「花粉症手当」を導入しています。実際に社員からは「花粉症手当をきっかけに通院するようになった」「市販薬よりも効果を感じるので病院に行ってよかった」などの声があがっています。
このように、新たな福利厚生の形も今後検討されるべき問題なのかもしれません。

海外でも花粉症はメジャー!?その対策とは

花粉症は日本だけの問題ではありません。

ユーカリの原産国であるオーストラリアでは、ユーカリオイルを使用した対策があります。ユーカリは呼吸器系によく効き、鼻の通りもよくなると言われています。また、オーガニック製のルイボスティーを飲んだり、ティーツリーという植物のオイルをハンカチに含ませて鼻から吸ったりするなど、自然が多いオーストラリアならではの対策があるようです。

日本ではスギ花粉症の患者が多いという理由でスギの人工林の減少が検討されていますが、海外では主要な花粉症の原因が異なります。日本と類似するものとして、フランスではヒノキの刈り込み、北米ではブタクサの駆除などがあります。

花粉症と地球温暖化は結びついている

気候変動は、地球温暖化を引き起こすだけでなく、花粉の飛散量を増加させ、花粉症の症状をより悪化させます。花粉症の有病率は日本では10年ごとに約10%、フランスでも30年間で約3倍に増加しています。各国で様々な花粉症の対策がされていますが、その多くが原因である花粉の発生源の木を伐採するという方法です。もちろん闇雲に伐採してしまえば、自然生態系にも影響を及ぼす可能性があります。

そのために「森の豊かさを守る」というSDGs目標とどのように折り合いをつけていくのかを考え、地球温暖化という大きな課題と向き合うことが今、国単位、そして個人にも求められているのではないでしょうか。