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“共通認識の中に生じるズレ”とは SHIBUYA SKYのアート展から考えるSDGS

“共通認識の中に生じるズレ”とは SHIBUYA SKYのアート展から考えるSDGS

#SHOW CASE
  • 住み続けられるまちづくりを

「渋谷スクランブルスクエア」の展望施設「SHIBUYA SKY」(以下、本施設)では、定期的に本格的なアート企画展を「SKY GALLERY EXHIBITION SERIES」と題して開催しています。

7回目の開催となる今回は、“共通認識の中に生じるズレ”をテーマにアートを手がける、中﨑透による企画展「Ding-dong, ding-dong 〜Bells ringing at the bottom of the valley〜」(以下、本展)を開催。そのテーマには、SDGsの目標にも掲げられる 「住み続けられるまちづくりを」に通ずるものがありました。

「視点を拡げる」が共通テーマの「SKY GALLERY EXHIBITION SERIES」

施設の来場者に、渋谷の景色を提供するだけでなく、想像力を育てる体験を提供することを目的に開催している「SKY GALLERY EXHIBITION SERIES」。本施設のキーメッセージである“展望せよ。渋谷、世界、自分、未来。”を軸に、渋谷で文化を生み出しているパートナーやアーティストとのコラボレーションを通じ、新たな気づきを誘発するカルチャーコンテンツの企画・実施をしています。

2020年から開催されている本展は、「視点を拡げる」を共通テーマにし、アーティストが本施設を体験して得た、インスピレーションから制作された作品を展開しています。

第一回は、写真家の石川直樹氏が実際に登山したエヴェレストの写真をもとに、山登りでの体験や景色で“繋がる世界”を表現した企画展を開催しました。その後、写真企画はもちろん、アートチームによるインスタレーションなど、様々な形のアート作品を通し“体験”を提供してきました。

中﨑透による、渋谷という街に深く関わる人々に焦点を当てた独自の作品群

茨城県水戸市を拠点に活動する中﨑透は、“言葉”と“イメージ”の「ズレ」をテーマにしたユニークな看板作品が有名ですが、多くの人を巻き込みながらプロセス自体を作品化したプロジェクト型の作品など、活動が多岐にわたることで知られています。

今回の中﨑透による企画展「Ding-dong, ding-dong 〜Bells ringing at the bottom of the valley〜」は、渋谷という街に深く関わりながら独自の人生を歩む、年齢や性別、職業の全く異なる三人のインタビューを実施し、決して交わり合う事の無かった三つの人生を、中﨑の新作を中心とした作品群と共に紡いでいきます。

中崎氏の過去作には、普段カラフルなアクリル板のライトボックスを使って作品作りをするところ「白い形も作りたい」という思いから、プールを会場とした作品を制作する機会があったこともあり、夏と冬など、反対のものが隣り合って共存してるイメージを中心にした2021年の企画展「Poolside Snowman」。

2023年には、六甲山上で毎年秋に開催される現代アートの芸術祭「六甲ミーツ・アート芸術散歩」にも参加。戦前から残る古い別荘を一棟まるまる使用した作品は、実際に暮らしていた住人とそのストーリーをもとに制作され、一つの物語を表現しました。
「もともと別荘に住んでいた人の、そこで過ごした幼少期の頃の思い出を、エピソード1〜16にまとめ、実際のストーリーとアーティストのオブジェで表現しています。すべて見終えた時には、映画を一本見たような感覚になるほどの満足感です」と高評価を得ました。

中﨑氏もここ数年、その土地・地域や建物に所縁ある人々を取材したインタビューを基点にし、紡いだ言葉とともに空間を構成したツアー型のインスタレーション作品のシリーズを全国各地で展開しています。

SDGsの目標にも掲げられる 「住み続けられるまちづくりを」を作品群から感じ取る

本展の作品群を鑑賞すれば、私たちが普段見ている渋谷と上空から見下ろす街のイメージとのズレ、そして自らの今や、それぞれの人生との差異に触れ、社会といち個人の間にある影響の密接さを感じることでしょう。

SDGsの目標8 「住み続けられるまちづくりを」の中にも、
11-3 2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、全ての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
11-6 2030年までに、大気の質及び一般並びにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。

などのターゲットにもあるように、進化し便利に変動し続ける、渋谷の街並みを上空から俯瞰で感じつつも、日々自分自身が歩く等身大の渋谷の街並みや問題点のズレの認識できるでしょう。

渋谷に深く関わり生きてきた人たちと自身の人生を照らし合わせて、新しい価値観と発見を感じることができるかもしれません。

再開発が続き常に変化していくこの街の輪郭をアートを通して体験してはいかがでしょうか。


SKY GALLERY EXHIBITION SERIES vol.7「Ding-dong, ding-dong 〜Bells ringing at the bottom of the valley〜」
<イベント概要>
日 程:2024年1月23日(火)~3月31日(日)
場所:SHIBUYA SKY 46階「SKY GALLERY」
料金:大人2,200円(WEB料金)、2,500円(窓口料金)
   中学生・高校生1,700円(WEB料金)、2,000円(窓口料金)
   小学生1,200円(当日窓口のみ)
   幼児(3–5歳)700円(当日窓口のみ)
   3歳未満無料
特設サイトはこちら
※特設サイト等の告知物にて使用している渋谷のアーカイブ写真については東急㈱より提供

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