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環境スコアをケーキで可視化|富士通「わたしたちの空気を考える CARBON CAKES」


この記事に該当する目標
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
環境スコアをケーキで可視化|富士通「わたしたちの空気を考える CARBON CAKES」

まずはこの写真をご覧ください。白から黒へと変わっていく美しいドーム型のケーキが並んでいます。

これらをみてどのケーキを食べてみたいと思いますか?

この「CARBON CAKES」は、普段目に見えない、CO2とPM2.5のデータをレシピにして製作したケーキです。ケーキの色が黒ければ黒いほど、ケーキに含まれる汚染物質の値は大きく、環境のスコアが低い「有害」なケーキということになります。

なぜケーキで表現をしたのか

日本においてケーキは、お祝い事やおめでたい時に皆で食べる幸せの象徴です。ケーキは食べて体に取り入れるものであり、同じく大気も体に入っていくもの。

段々色も形も崩れていくケーキで可視化することにより自分事と捉え、「美しいけれども食べれない」というギャップを感じて欲しい、という意図を感じとりました。

今回CARBON CAKESプロジェクトにてケーキを製作したPÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGIの岩柳 麻子氏は、「カーボンニュートラルの重要性を自分ごととして捉え、理解する事ができた。ケーキを囲む幸せなシーン。それが急速に脅かされている。私たちはどう行動して、どう意思決定して動くのか、今目の前の一つ一つの行動の決断で未来が変わる。大きすぎて、難しく捉えがちな環境問題を、『自分ごと』として理解する事が出来るのがカーボンケーキの可視化なんだと。このケーキプロジェクトを自分なりに理解すればするほど、山積みの環境問題を目の当たりにし、「あなたはどちらを選択しますか?」と日々突きつけられている。」とコメントを寄せました。

白いケーキが必ずしも良いわけではない

ケーキだけをみれば、白いケーキが一番美しくて美味しそうと思うかもしれません。
しかし、環境と経済は密接に結びついており、「きれいな空気」を作ることはもちろん大切ですが、それを実現するためには、何をとって何を犠牲にするのか。環境・社会・経済という 3 つの要素の最適なバランスを見つけることが重要です。

環境を守るために社会や経済を犠牲にすることは、発展を断念することになり経済が破綻してしまいます。

テクノロジーを使った「可視化」で、最適なバランスを議論し見つけること。これがサステナブルの未来を実現する鍵と考え、富士通は研究をつづけています。

※CARBON CAKES のレシピに使用したデータは、ソーシャルデジタルツインTM︎によりシュミレーションした、1 人あたりの移動による CO2 排出が 4.6 トン/年、全体で 460,000 トン/年の規模の都市を想定したロードプライシングの実験に基づいています。

未来について有識者によるパネルディスカッション

当日は以下5名による、これからの未来についてや環境問題、今回のプロジェクトに関するディスカッションが行われました。
・清水イアン 氏(3T〈スリーティー〉CEO)
・斎藤幸平 氏(東京大学准教授)
・新内眞衣 氏(タレント・ラジオパーソナリティ)
・ハヤカワ五味 氏(起業家)
・山田亜紀子 氏(富士通株式会社 ソーシャルテクノロジー社会実装推進室 室長)

大気汚染が進んでいると言われても目に見えず実感しにくいのが現状ですが、このようにケーキとして可視化されることにより実感することができた、とても興味深いプロジェクトだったという声があがっていました。

ちなみに、現在の東京はこのケーキに例えると何色?という質問に対し、山田亜紀子氏は、「東京は人口が多いので、おそらく3つ目か4つ目位の色になると思います」と回答。

グレーもしくは黒に差し掛かっているのが現状です。結構汚染されていますね。

斎藤幸平氏は、今回のプロジェクトを通じて「ケーキが綺麗だった、美味しかった」で終わるのではなく、これからどのようにアクションを起こしていくのか。次の世代に向かって私たちがしっかり落としていけるようにしていかなければならないと訴えかけました。

最後までサスティナブル

イベントの最後には今回の「きれいな空気」を表現した特別なサプライズをご用意くださいました。

ケーキを食べる直前に松を基調とした、ボタニカルハーブの香りをふわっとかけてくれるオシャレな演出がありました。

この日に使われたお皿やコップ、フォークやナイフ、そして食べられないCARBON CAKES は全てコンポストで堆肥化されます。

今回のCARBON CAKESプロジェクトについて、身近にあるケーキを通じて表現するという発想に驚いたのとともに、誰が見てもわかりやすく、自分事に感じることができる素晴らしい企画でした。

単にデータを見せられただけではいまいち腑に落ちない部分を、このように可視化することによりするっとインプットされました。
また、環境を守るために何を犠牲にするべきなのか、どこまで何をあきらめるのか考える良い機会になりました。


富士通「わたしたちの空気を考える CARBON CAKES」オフィシャルサイトはこちら