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東京の街は何でできている?「マイナビアートスクエア」で街の過去と未来を感じてみた

東京の街は何でできている?「マイナビアートスクエア」で街の過去と未来を感じてみた

#SHOW CASE
  • 住み続けられるまちづくりを

伝統的な建物や風情が残る一方で、近代的な建築も見られ、歴史と現代が共存する街・銀座。そこには大小様々なギャラリーが点在し、多様なアートに触れることができます。
少し敷居が高いように感じますが、無料で誰でも楽しむことができる場所も意外と多く、今回はその中でも比較的新しい昨年7月に「歌舞伎座タワー」内にオープンした、マイナビが初めて作ったギャラリー「マイナビアートスクエア」に行ってきました。

アート思考をビジネスに活用するため生まれた「マイナビアートスクエア」

そもそもなんでマイナビがギャラリーを持っているの?と思う方も多いと思います。筆者も初めて聞いた時は驚きました。あの「マイナビ」と言えば知らない人の方が少ない人材広告企業ですよね。実は、アート思考をビジネスの世界に生かしていくための試みとして、アートフェアのメイン協賛になったり、新進気鋭の若手アーティストを支援したりと、近年力を入れているそうです。マイナビアートスクエアでも、定期的に若手アーティストの個展を行う他、アートで「はたらく」を考える講座を設けるなど、他のギャラリーと一線を画しています。
今回は、2024年5月23日(木)から7月6日(土)まで開催の、建築コレクティブ(共同体という意味)GROUP(以下、GROUP)による「島をつくる | Planning Another Island」という展示に伺いました。
マイナビアートスクエアは、歌舞伎座タワーの22階に位置しており、展示室の窓からは銀座の街やその向こう側に、東京湾がよく見えました。実は今回の展示では、この見える景色や、ギャラリーが存在しているこの銀座の街そのものが大きな意味を持っているのだそうです。

東京の街は江戸時代から続く超巨大な「埋立地」であることを思い出す

Photo:Shinichi Ichikawa

シンプルなワンフロアで構成された展示室に入ると、一見すると作品には見えない、建築現場で見るような資材や、木片、古くなった畳や新聞などが、整然と設置されています。これは、GROUPのメンバーが民家の解体などの仕事を請け負う中で使用したり、集めてきたりした素材であり、この展示のテーマの一つ「埋め立て」を感じていくのに重要なものになります。
GROUPメンバーの一人である齋藤さんによると、メンバーが初めてマイナビアートスクエアを訪れ、印象に残ったのがギャラリーの5つの大きな窓とその先に広がる東京の埋立地の姿だったそうです。
東京都は江戸時代から少しずつ埋め立てられてきた場所という話は、歴史の授業でも必ず学ぶので、なんとなく頭の中にある人は多いと思いますが、日常生活では忘れてしまいがちですよね。筆者もお話を伺うまで忘れていました。

齋藤さんは、「今では多くのビルが建っていてわかりづらいですが、銀座も元々は埋立地でした。建築は、場所とその建物を切り離して考えることはできないものです。私たち建築家は、仕事のオファーをいただいたとき、その土地の歴史や出来事などを徹底的にリサーチします。今回も、マイナビアートスクエアでの展示が決まったとき、この場所についてもリサーチを行いました。すると、私たちGROUPが以前から関心を寄せていた、「建築」が解体、分別、粉砕、焼却、運搬、そして最後に埋め立てられる、中央防波堤外側埋立処分場がここの場所からも見えることがわかったのです。厳格に管理された、解体から埋め立てられるまでの流れの中に、変化を感じてもらうことはできないか?と考えたことが、この展示構成の始まりです。」と話します。

展示作品から考える「住み続けられるまちづくり」

Photo:Shinichi Ichikawa

展示会場の入り口から見て左手には、GROUPのメンバーが民家の解体によって生じた畳などの廃材設置がされ、そこを起点に分別する場、木材を破砕する作業場、コンポスト(「堆肥(compost)」や「堆肥をつくる容器(composter)」のこと)、ガラスや石膏の破砕場と時計回りに建築が島に帰っていく過程を追体験し、会場中央には最終処分場にあるものの2分の1スケールで作られた柱を細かくされた木材のチップが敷き詰められ、これが展示を象徴する埋め立てられていく「島」のイメージです。

Photo:Shinichi Ichikawa

週末にはGROUPメンバーが廃材を、細かく砕いて土に還す「コンポスト化」という作業を、パフォーマンスとして実施するとのこと。そしてこの展示の中で土に還った建築廃材は、その建物があった場所に帰していくのだそう。さらに、展示の什器として作成したものも、同じエリアの家で家具として再利用することで、新しい循環を作っていこうという試みでもあります。GROUPの齋藤さんは、「誰でも参加できるので、気軽に参加してほしいです。」とお話ししていました。

建築といえば「新しいものができた」というニュースが大きく報道されがちですが、作られたものが壊れ埋められ、また次の世代に繋がっていく。今回の展示ではそういった”見えない部分”に想いを巡らせることができる、貴重な機会なのではないかと思います。アクセスしやすい場所にもありますので、週末訪れてみてはいかがでしょうか?

開催概要 
タイトル:「島をつくる | Planning Another Island」 
会期:2024年5月23日(木)〜7月6日(土)
場所:MYNAVI ART SQUARE
(〒104-0061 東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー22F) 
開館時間:11:00〜18:00
休館日:日・月・祝
入場:無料


アイキャッチ画像/Photo:Shinichi Ichikawa

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