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できることからはじめよう!「PRIDE ACTION 30」を通して考えるLGBTQ+

できることからはじめよう!「PRIDE ACTION 30」を通して考えるLGBTQ+

#SHOW CASE
  • ジェンダー平等を実現しよう

毎年6月は「プライド月間」。LGBTQ+の性的マイノリティへの理解を深め、権利を啓発する月として、世界各国でさまざまなイベントやパレードなどが実施される月です。
このプライド月間にあたって、パナソニック コネクト株式会社と特定非営利活動法人プライドハウス東京は、共同で「Pride Action30」という活動を展開しました。

LGBTQ+をはじめとするマイノリティの人達へのアクションを、企業が主体となって提示することで、働きやすい環境づくりや、よりよい社会への第一歩につなげるという考えのもと、20の企業・団体が連携したプロジェクトです。

一日ひとつのアクションを提案する「Pride Action30」

「Pride Action30」では、LGBTQ+当事者の方々への理解と支援を示すために具体的にどんなことをすればいいのか、そのきっかけとなる30個の「今すぐ始められるアクション」を提示しています。
例えば、アクションNo.5は『「アライ」という言葉を調べてみる。』。アライとは、英語で同盟や味方、支援などを意味する英語「ally」からきている言葉で、LGBTQ+のことを理解し、課題を共に考え、行動する人のことをいいます。

また、アクションNo.26は『モーリス・ウィリアムソンさん(ニュージーランドの元国会議員)のスピーチを聞いてみる。』です。

このスピーチとは、2013年にニュージーランドで当時議員だったモーリス・ウィリアムソン氏が、多様性を認めるよう呼びかけた名演説のこと。「Pride Action30」特設サイトからは、スピーチ動画(英語)が見られるYouTubeへのリンクが貼られています。

また、パナソニック コネクトの公式SNSでは、6月の30日間、日めくりカレンダーのように一日ひとつずつアクションがポストされていました。関連するポストを見たという人、実際にポストした人もいるかもしれませんね。

「ジェンダー代名詞」って知ってる?

欧米諸国では、SNS上でのプロフィール欄やメールの署名などで「she/her」や「he/him」、「they/them」などの代名詞を表示する人が増えています。生まれたときに割り当てられた性別ではなく、自認する性別を表す新しいアイデンティティの表現方法で「ジェンダー代名詞」と呼ばれています。

「she/her(彼女)」や「he/him(彼)」に加えて、女性・男性と言う枠組みに当てはまらないノンバイナリーの人々が使う新しい選択肢が「they/them」です。
実はインスタグラムもジェンダー代名詞に対応していて、プロフィールの編集から「代名詞の性別」を入力可能です。ノンバイナリーを告白している歌手の宇多田ヒカルさんのインスタは「she/they」となっています。

大手マッチングアプリ「Tinder」も、プロフィールに表示するジェンダー代名詞を、「She/Her/He/Him/They/Them」という選択肢の中から最大4つまで選択することができる新機能を導入しました。

新年度がスタートして2ヶ月経過し、“新入社員の呼び方に困った”、“先輩からの呼び方に嫌な思いをした”という人もいるかもしれません。
アクションNo.3「職場の人を『ちゃん・くん』ではなく、「XXさん」と呼んでみる」や、アクションNo.16「男女という性別に縛られない性自認の人を示す、三人称単数の“they”について調べてみる」は、多様性時代に働く上で、頭に入れておきたい行動といえるでしょう。

性別「X」のパスポートとは

アクションNo.20は「世界で広がりつつあるパスポート表記“X”が、何を意味するのか調べてみる」です。
「X」は、男女以外の性別の選択肢です。日本ではまだ選択できませんが、アメリカやカナダ、オーストラリア、ドイツ、デンマーク、インドなどの国々では、パスポートの性別欄でこの第3の選択肢を選べます。

つい最近では、来年3月に開催予定の東京マラソンで、一般ランナーがエントリーする際の性別のカテゴリーに「ノンバイナリー」が追加されることが発表され話題になりましたね。多様な性のあり方に対応するこのような動きは、今後ますます広がっていきそうです。

世界各国で開催される「プライドパレード」

アクションNo.23は「自分が住む地域のプライドパレードへの参加を予定してみる」です。日本では4月に「東京レインボープライド2024」が東京代々木公園周辺で4日間にわたって開催され、パレードには約1万5千人が参加しました。
この東京レインボープライドは、LGBTQ+当事者の存在を社会に広め、当事者とその支援者(アライ)と共に「“性”と“生”の多様性」を祝福するイベントです。

6月は世界各国でプライドイベントが開催されます。NYの一大イベントにもなっているニューヨーク・プライドは6月29日〜30日。今年は1969年6月にニューヨークで起きた「ストーンウォール事件」から55周年という節目の年でもあります。
アメリカ最大級のプライド・フェスティバルの一つ「サンフランシスコ・プライド」も6月29日〜30日。また、オリンピック・パラリンピックが間近に迫ったフランスでも、6月29日に「パリ・プライド・パレード2024」が開催されました。

できることから始めて、続ける意義

「Pride Action30」で提案している30のアクションは、「・・・について調べてみる」や「・・・を想像してみる」、「・・・を考えてみる」など、ほんの少しの時間で、誰でもできる小さな行動ばかりです。
そして、6月最終日である6月30日に提案されているアクションNo.30は、「自分に何ができるか考えて、この取り組みを来月もその先も続けてみる」でした。

6月のプライド月間だけに限らず、誰もが安心して働ける環境、自分らしくいられる職場であるために、何かひとつ、自分にできることから始めてみてはいかがでしょうか。一人ひとりの小さな意識が、いつか大きなムーブメントになっていくはずです。


執筆/ フリーライター こだまゆき

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