• トップ
  • 記事一覧
  • 小豆島から始まる「ごま」の食育SDGs!体験と給食がつなぐ、未来への学び
SHOW CASE

小豆島から始まる「ごま」の食育SDGs!体験と給食がつなぐ、未来への学び


この記事に該当する目標
4 質の高い教育をみんなに 11 住み続けられるまちづくりを 12 つくる責任つかう責任
小豆島から始まる「ごま」の食育SDGs!体験と給食がつなぐ、未来への学び

香川県・小豆島で2024年にスタートした「ごまのみらい小豆島プロジェクト」は、島の資源を生かしながら、農業振興と持続可能な地域づくりを目指す取り組みです。小豆島土庄町、生産者(小豆島 陽当りの里 伊喜末)、小学校、そして小豆島創業のかどや製油が連携し、「小豆島産ごま栽培」を起点とした循環型の活動を展開しています。
その象徴となる取り組みの一つが、2026年1月に土庄町立土庄小学校で実施された「ごまんぞく給食」です。前年に行われたごまの体験学習を経て、学んだ内容を「食」を通じて体験することで、SDGsが目指す持続可能な社会づくりを、より身近なものとして捉えるきっかけをつくっています。

地域課題と向き合い、「ごま」から始まった挑戦

「ごまのみらい小豆島プロジェクト」が始まった背景には、小豆島が抱える地域課題があります。高齢化や人口減少により農業の担い手は年々減少し、島内では休耕地の増加が課題となっていました。創業以来、小豆島で商品づくりを続けてきたかどや製油は、地域に寄り添いながら次世代につながる取り組みができないかと模索しました。
休耕地の再生と、地域に根差した産業のあり方を考える中で、地域資源を生かしながら持続可能な仕組みを生みだす1つのアプローチとして、小豆島の自然と相性の良い「ごま」を育てる取り組みが生まれました。
さらに、小豆島の畑でごまを育て、刈り取り、加工を経て家庭の食卓にのぼるまでの一連の流れを、子どもたちの学びに取り入れることで、地域産業への理解を深め、食への関心を自然と育む循環が生まれています。
小さなごま粒が、人と人、学びと産業をつないでいく。そんな広がりを一歩ずつ積み重ね、未来へと着実に歩みを進めています。

ごまの体験学習を通じて食や農業への関心を高める

2025年9月、土庄小学校の3年生を対象に、ごまの体験学習が実施されました。小豆島で育てたごまを使い、子どもたちは叩き・ふるい・唐箕(とうみ)で選別する工程を自分たちの手で行いました。普段は目にすることのない作業に触れることで、食材が食卓にのぼるまでに、人の手による丁寧な工程が積み重なっていることを体験として学びました。
学習の中で、「純正ごま油を1本作るためには500g以上のごまが必要になる」という話も紹介されました。今回収穫した約70キロのごまも、油に換算すると決して多くはなく、限られた資源を無駄なく大切に活かす知恵や工夫があることを知るきっかけとなりました。
日常では意識しにくい“食の裏側”に目を向ける時間が、子どもたちの中に自然な気づきを育んでいます。

地元の小学校で「ごまんぞく給食」を提供

そして2026年1月、土庄小学校で「ごまんぞく給食」が開催されました。特別授業でごまの知識をさらに深めたあと、いりごま、すりごま、ねりごま、ごま油など、さまざまな形に姿を変えたごまを使用した給食が登場。自分たちですった「すりごま」も自由に給食にかけて、香りや味わいの違いを楽しんでいました。
栄養教諭からは、ごまに含まれる栄養素や健康面での特徴についての説明もあり、体験学習で得た知識が、日常の食事に結び付く時間となりました。

「ごま」という身近な食材を活かしたSDGs

本プロジェクトの大きな特徴は、「ごま」という身近な食材を通じて、地域課題とSDGsを結びつけている点にあります。最先端の技術や大規模な投資に頼るのではなく、地域に根付いた産業や資源を活かしながら、持続可能な仕組みを構築していることが、この取り組みの強みです。

企業単体の取り組みではなく、自治体・生産者・学校が連携し、それぞれの役割を担う協働体制を築いていることも、このプロジェクトの持続性を支えています。農業、産業振興、教育といった複数のテーマを横断しながら、地域全体で未来を育てる構造が形づくられています。

小豆島から始まる、地域と未来への循環

「ごまんぞく給食」は、子どもたちにとって楽しい給食の時間であると同時に、持続可能な地域社会を作る一端を担っています。小豆島の休耕地で育てたごまを学び、実際に味わう一連の流れは、農地の再生から食育、そして日々の食へと循環します。SDGsの理念が生活の中で自然に息づくこの試みは、持続可能な地域づくりの一つの可能性として、今後の展開が期待されています。