来る12月25日はクリスマス。2世紀から4世紀頃、古代ローマ帝国で始まったとされるクリスマスは、日本には16世紀頃に入ってきたと言われています。その後、現在のようにイベント文化としてのはじまりは明治33年とされ、今ではすっかり、12月のビックイベントの一つとして盛大に祝われています。街中では、あちらこちらでクリスマスソングが流れ、イルミネーションや装飾、催しが行われている今日この頃。華やかなイルミネーションに、思わず足を止める人も多いのではないでしょうか。

一方で、暮らしのなかでのエネルギーや環境問題に注目が集まる昨今、イルミネーションに要する膨大なエネルギーにも注目が集まります。子どもも大人も楽しめる楽しいイベントだからこそ、環境にも配慮して、人も地球も、みんなが嬉しいシーズンにしたいものです。

今回の記事では、CO2排出ゼロのエネルギーを利用したイルミネーションや、捨てられる予定だったものを再加工し、新しく生まれ変わらせるアップサイクルなど、地球に優しい配慮がされた施設やプロジェクトについてご紹介します。まずは知るところから、サステナブルで地球にやさしいクリスマスを楽しんでみてください。

再生可能エネルギーで照らすイルミネーション

今年の11月24日（金）にオープンした「麻布台ヒルズ」。日本一高い商業施設として全国的に注目を集めているこの新施設では、12月9日（土）から「AZABUDAI HILLS CHRISTMAS MARKET 2023」を開催中です。国際的建築設計集団OMAの重松象平氏が手がけるオーセンティックなクリスマスマーケット空間には、2万球のLEDや5種類の光のオーナメントで飾られたシンボルツリーが。ここでしか見ることのできない景色です。施設全体で、国際的なイニシアチブ「RE 100（Renewable Energy 100％）」に対応する、CO2排出ゼロの再生可能エネルギー電力を利用しているため、イルミネーションもCO2排出ゼロです。

また、ドイツに本店を構えるクリスマス用品専門店「ケーテ・ウォルファルト」、三國清三氏が監修する「Hills House Dining33」やヴィーガンカフェ「8ablish」などでは、ここでしか買えない限定商品やメニューが楽しめる空間となっています。マーケットに出店する店舗はフードロス削減に取り組んでおり、しっかりサステナブルな考慮もされていると話題です。

伝統工芸品をアップサイクルで生まれ変わらせる

「ザ・リッツ・カールトン福岡」では、全長４メートルのゴージャスなクリスマスツリーが、ホテル18階のカフェ「DIVA」前のスペースに12月25日（月）の夜まで飾られています。ツリーを彩るなめらかで美しいシルクのオーナメントは、実は福岡県の伝統工芸品である博多織を制作するうえで残った端切れや残糸をアップサイクルしたもの。一つひとつ職人たちによる手縫いで、もみの木やクリスマスブーツなど合計4種類のシルクオーナメントに生まれ変わりました。オーナメントの一つは、「帯飾り」から着想を得たデザインに仕立てられており、博多織を代表する模様で、厄除けの意味をもつ「独鈷柄（どっこがら）」を生地に採用しています。とても再利用されたものとは思えない煌びやかな美しさが魅力的です。

同ホテルでは、2023年6月21日（水）の開業日からプラスチック使用量を減らす取り組みとして、全客室のアメニティーに竹素材や紙素材を使用した「MiYO ORGANIC」を導入しており、上質なイメージを損なわずに、サステナブルな活動を美しく取り入れています。「ザ・リッツ・カールトン福岡」の取り組みは、サステナビリティーの可能性が感じられます。

「眠れる宝石」に輝きをもたらす

最後にご紹介したいのは、過剰検品によって行き場を失ったり、販売されずにデッドストックとして眠っていたりしている宝石たち（宝石資源）をオーダージュエリーとしてアップサイクルする「MASHIRO」。毎月SNSでの100石単位の規模でのシェアキャンペーンや、眠れる宝石を活用することで宝石代無料のオーダージュエリーを作ることができるイベント「宝石無料のオーダージュエリー展 by 眠れる宝石たち」を通じ、世に出ること無く眠っていた宝石に再び輝きをもたらしています。
「MASHIRO」の宝石は、色やパーソナルカラーなどから感覚的に様々な宝石たちとの出会いを楽しめるところが魅力的。それぞれにユニークで個性のある世界に一つだけの宝石は、ジュエリー初心者の方や、大切な人への特別な贈り物に迷っている人にもぴったりです。

一人ひとりの小さな選択も

世界中で祝われるこのクリスマスシーズンも、少しでも環境をよくしようと、今回ご紹介した商業施設、ホテル、ブランドなど、様々なフィールドにいる多くの企業が、それぞれの形で地球にやさしい選択を行っています。企業が行う取り組みは、もちろん大きな結果を生みますが、私たち一人ひとりができることもたくさんあります。

たとえば、作り過ぎてしまった食事、売れ残ったケーキ、過剰包装されたプレゼントの包装用紙など、その日を過ぎると廃棄されるものが多いクリスマス。お買い物はマイバックを持っていき、食べられる分だけを購入、料理する。ギフトは紙ではなく、繰り返し使える布袋に包む。一つひとつは小さな選択ですが、みんなでやれば、大きな影響を及ぼします。

また、サステナブルな取り組みを行う企業を知り、賛同できる企業からプロダクトを購入したり、催事に足を運んだりすることも、手軽にできる行動の一つ。選択次第で、クリスマスも環境に配慮したイベントにすることができます。

いかがでしたでしょうか。
本日ご紹介した、煌びやかで美しいイルミネーションやクリスマスツリーは12月25日（月）まで。ぜひ遊びに行ってみてくださいね。
今年も、そして来年以降も、楽しいクリスマスを送るために、私たちにとっても、そして地球にとっても優しくほっこりしたクリスマスを過ごしませんか？