世界に誇る「食・観光・伝統」が集う秋田県持続可能な地域づくりに向けた県の取組とは
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秋田県の人口減少率は、2021(令和 3)年以降5年連続で過去最高を更新しており、2025年12月時点で人口約88万人を有する一方、急速な少子高齢化や人口減少といった社会課題を抱えています。しかし、「きりたんぽ鍋」や「なまはげ」に代表される伝統文化をはじめ、食、温泉、豊かな自然など、世界に誇る唯一無二の魅力が凝縮された地域でもあり、まだ十分に知られていない資源の宝庫といえます。
本記事では、そうした知られざる秋田県の魅力に加え、県が取り組む移住政策や教育施策、さらに12月に都内で開催したメディア説明会の様子を交えながら、秋田県の多面的な魅力をお伝えします。
食・観光・伝統の三柱から見る、世界に誇る秋田県


秋田県には、厳しい自然環境が育んだ唯一無二の魅力があります。食の分野では、江戸時代から350年以上の歴史を誇り、日本三大うどんの一つである「稲庭うどん」や、4年連続で「特A」評価を獲得したブランド米「サキホコレ」、日本三大美味鶏の一つ「比内地鶏」など、全国屈指の高品質な食材が揃い、まさに“食材の宝庫”といえます。
また、豪雪地帯だからこそ根付いた発酵・保存文化や、新米が収穫される秋から美味しさが増す冬のごちそう「きりたんぽ鍋」をはじめ、雪国ならではの奥深い食文化が今も息づいています。


観光面では、世界自然遺産・白神山地や日本一深い湖の田沢湖、SNSでも人気を博す八幡平ドラゴンアイなど、神秘的な自然景観が人々を魅了します。さらに、ユネスコ無形文化遺産「男鹿のナマハゲ」や、東北三大祭りの一つ「秋田竿燈まつり」、全国の一流花火師たちが日本一の座を目指して競い合う「大曲の花火」など、地域の絆と歴史を今に伝える文化資源も豊富です。


加えて、冬の雪景色を楽しむ露天風呂が魅力の「乳頭温泉郷」(ただし、黒湯温泉は11月中旬~4月中旬まで冬季休業)や、秋田最古の温泉地「秋の宮温泉郷」をはじめ、多彩な泉質を楽しめる温泉地が県内各地に点在し、訪れる人に深い癒やしを提供しています。
秋田の魅力を発信するために、県が都内でメディア説明会を初開催


秋田県では昨年7月にマーケティング戦略室を新設し、県の魅力発信強化の一環として、12月に都内で初のメディア説明会を開催しました。
当日は、なまはげの演出や秋田犬とのふれあいを通じて秋田ならではの文化に触れていただいたほか、きりたんぽ鍋をはじめとする郷土料理に加え、シャインマスカットやりんごなど、意外性のある秋田の食材をメディアの方に味わっていただきました。こうした五感で体感するプログラムにより、秋田県の多面的な魅力を効果的に発信する機会となりました。
持続可能な地域づくりに向けて


観光や文化、食といった秋田県の魅力発信を進める一方で、県内では少子高齢化が進行し、担い手不足や子どもの減少といった課題がより深刻化しています。こうした状況の中、秋田県では、地域で暮らす人々の生活基盤を支える取組を進めています。
その一つが、積極的な移住・定住支援です。リモートワーク移住への支援や、東京・京橋に設置された移住相談拠点「アキタコアベース」の運営など、働き方やライフタイルの多様化に対応した支援を通じて、県外の人々との接点づくりにも力を入れています。
一方で、秋田県の強みとしては教育環境の充実があげられます。秋田県では、少人数学習や自ら問いを発して問題解決に取り組む探求型授業に力をいれてきました。豊かな自然と地域に密着したコミュニティの中で、子どもたち一人ひとりに応じたきめ細かな指導を行うことで、公立小学校の国語で1位となるなど、全国トップクラスの学力水準を維持し続けています。
移住・定住支援や教育環境の充実は、日々の暮らしを支えながら、地域の未来を育む取組といえます。こうした積み重ねが、人を育て、関わりが続いていく土台となり、結果として持続可能な地域づくりへとつながっていくのではないでしょうか。
秋田が目指す、暮らし続けたくなる地域のかたち
観光や食、文化といった魅力を入り口に秋田県に関心を持った人はもちろん、県内で暮らす人にとっても、その先の「暮らし」を前向きに思い描けるかどうか。
そうした実感を、日々の暮らしの中でどのように積み重ねられるのかが、今、問われています。
実際に、マーケティング戦略室の新設による情報発信の強化や移住支援策、教育環境の充実といった特徴を並べて見ていくと、これらが結果的に、「人を育て、地域に根づく循環」を生み出すことにつながっていく可能性もあるのではないかと感じられます。
こうした秋田県の動きは、地域資源を活かしながら未来世代へとつないでいく、持続可能な地域づくりの一つのモデルとして今後の進展が注目されます。





