剛力彩芽も分かりやすい!と絶賛ユニセフが子ども向けにつくった「SDGs CLUB」とは?
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持続可能な開発目標「SDGs(エスディージーズ)」をリスナーとともに学ぶニッポン放送の特別番組『SDGs MAGAZINE』の第6弾では、公益財団法人・日本ユニセフ協会が開設した特設サイト「SDGs CLUB」が特集された。女優、剛力彩芽さんが、「ミスターSDGs」ことSDGs研究の第一人者、慶応義塾大学大学院政策メディア研究科の蟹江憲史教授とともに、その取り組みを紹介した。
「SDGs CLUB」は、日本ユニセフ協会公式ホームページ内の特設サイト(https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/)で、子供たちがSDGsを知り、課題について学べるもの。「親子でSDGsを学べる」をコンセプトに、7月31日に開設された。
SDGsの目的や歴史を解説する「SDGsってなんだろう」、17の目標と169のターゲットをビジュアルで分かりやすく表現した「SDGs17の目標」、世界の子供たちやユニセフの活動事例を紹介した「世界を変えるヒント」、学習した子供たちが自分のやりたいことなどを投稿できる「みんなの行動宣言」という主に4つのコンテンツで構成されている。
中でも話題になっているのが169のターゲットを子供にも分かりやすいよう独自に翻訳した「子供訳」だ。外務省が仮訳として公開しているもの(http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf)は全てを網羅した内容になっている一方で、硬い表現が多いのも事実。そこで、図や動画を使って頭にスッと入ってくる仕掛けを施した。
番組では、コミュニケーションデザインに関するコンサルティング業を手掛ける株式会社アソボット代表取締役で、同サイトの制作に携わった伊藤剛氏の思いも紹介された。「17の目標で終わらず、この169のターゲットに出会うことが重要。この『子供訳』は子供たちに向けたものではあるけれど、その前に動くべき大人たち、特に17の目標のカラフルなアイコンだけで理解したつもりになり、SDGsの本質を分かっていない企業の人たちにも届けたい」。これに、剛力さんは「ちょっと胸が痛い。どうしても、カラフルなアイコンで表現され、分かりやすい17の目標に目が行ってしまいがち。でも、それだけじゃないということですね」と反応した。
さらに「サイトを見させてもらいましたが、すごく分かりやすく書いてあります」と紹介した具体例が、目標4-2。外務省の翻訳で目標4は「すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」とされ、4-2は「2030 年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達支援、ケア 及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする」と訳されている。これが「SDGs CLUB」では目標4を「質の高い教育をみんなに」、4-2を「2030年までに、すべての子どもが、幼稚園や保育園にかよったりして、小学校にあがるための準備ができるようにする」と表現。難民の子供の動画なども用意されており、まさに“自分事”として捉えやすいよう工夫がなされている。
剛力 「すごく分かりやすくて、すんなり入って来る。もちろん、ここからどうするかが大事なのですが、そこの段階に持って来られるサイトだと思います。私も17の目標をアイコンだけで理解していた節があるなと感じました」
蟹江 「伊藤さんは私も存じているのですが、分かりやすく伝えるということに非常に敏感な方なんです。ターゲットが169もあると、なかなかそこまで目がいかないのは当たり前のこと。特に、政府が出している訳は、元の文章の影響もあって何を言っているのか分かりにくい。こうやって思い切って、分かりやすく訳してくれるのは非常に大事なことだと思います。伊藤さんも僕らも、同じ方を向いていて、子供たちとか若い人の力を借りて、ターゲットのキャッチコピーを探すというプロジェクトを今、始めているんです。新聞社がバックアップしてくれているのですが、書いてあることを理解しないと短いキャッチコピーはできないし、すごくいい勉強にもなる。169のターゲットまで考えると『SDGsってこういうことを言いたかったのか』ということが分かってきて、とても楽しいプロセスになりますね」
剛力 「文章の要点をまとめるということは、考えなきゃいけないということですからね。知識として、いろいろなことを調べたり、話し合ったりとか、身近に感じられそうです」
蟹江 「あとは、自分たちと近いことで考え始めると自分事になってくるので、それもすごく大事なことです。私たちがやっているプロジェクトは、英語から考えましょうということをやっているのですが、そうすると英語の勉強にもなります」
SDGsという言葉自体が徐々に浸透しつつあるからこそ、その次の“フェーズ”として理解を深める取り組みが重要になる。「SDGs CLUB」は子供たちのみならず、多くの人にとってその助けになるものといえそうだ。