ファーストリテイリングが「サステナビリティレポート2021」を公開。「服のチカラ」で見据える未来とは
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「2015年9月のSDGs採択以前から、サステナビリティへの取り組みを行ってきた企業とは?」 さて、あなたはどんな企業を思いつきましたか?
その一つとして挙げられるのが、ユニクロやGU、Theoryといったブランドを展開するファーストリテイリングです。同社では、「服のチカラを、社会のチカラに。」というサステナビリティステートメントを掲げ、20年にわたって、服のビジネスを通じた社会の持続的な発展につながる取り組みを進めています。
例えば、2001年のアフガニスタン難民への衣料支援を皮切りに、難民キャンプや災害被災地を衣料の面から支援しています。また、女性の役員登用や障害のある方の積極的な雇用も進めており、女性の管理職比率は39.2%(2020年8月現在)に。2020年11月には、ユニクロで販売されてきたダウン製品を回収・再利用した「リサイクルダウンジャケット」を発売し、商品の環境負荷低減にも注力しています。
そのファーストリテイリングが、2006年から毎年発行しているサステナビリティレポートを刷新し、新たに「ファーストリテイリング サステナビリティレポート2021」として発表しました。
レポートの発表に伴い、先日オンラインで実施されたメディア説明会では、柳井正会長兼社長が、ファーストリテイリングが考えるサステナビリティについて語りました。コロナ禍の社会と企業の在り方を踏まえて「今最も必要なことは、世界中の個人や企業が、ポジティブに考えて、すぐに行動して、力を合わせてピンチをチャンスにすること、より良い社会を実現することだ」と力強い決意を示しました。
また、2021年の重点領域として、パリ協定を尊重し、50年までに温室効果ガス排出実質ゼロを企業として目指すことや、災害時の迅速な衣料支援に加えて災害発生前の「備え」にも取り組むことにも言及。サステナブルな商品開発を拡充していくこと、そしてこれらの活動の積極的な情報開示を進めていくことなども示しました。
今回刷新されたサステナビリティレポートには、近年人々の「サステナビリティ」に対する意識が高まってきた中で、より広く多くの方にも読んでもらうためのコンテンツが記載されています。
巻頭特集では、フランスの思想家・経済学者・未来学者のジャック・アタリ氏と、柳井会長兼社長による特別対談を掲載。コロナ禍で変わる社会と企業や人々の在り方について、2時間にわたるオンライン対話が採録されています。その他、環境問題に取り組む若きスタートアップ企業の経営者や高校生、サステナビリティ先進国スウェーデンのオリンピック委員会CEO、新しい生き方を切り開いた難民といった人々のインタビューを通して、多様な視点からサステナブルな社会の在り方を紹介しています。
「ファーストリテイリング サステナビリティレポート2021」は、以下から読むことができます。ファーストリテイリングの取り組みにも注目しつつ、アフターコロナのサステナブルな社会についてもポジティブに考えてきたいですね。
日本語版:
https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/report/new.html
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/report/