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アートはSDGsのために何ができる?  ~東京藝術大学×東京大学が考える人間と地球の関係~

アートはSDGsのために何ができる?  ~東京藝術大学×東京大学が考える人間と地球の関係~

#SHOW CASE
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 気候変動に具体的な対策を

アートとSDGsって関わりがあるの?

そう疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

SDGs17の目標にも一見入っておらず関わりがなさそうに思えるアート・芸術ですが、実はアートもSDGsが目指す社会において重要な要素の一つと言われています。

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」にも関連する、メッセージをアート作品にこめた芸術家オラファー・エリアソンについてや、SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の達成へ向けてボーダレスファッション、ダイバーシティ・ファッションショー等も過去に記事でも紹介しています。

芸術家オラファー・エリアソンのアートとエコロジー
性別や国籍、人種、年齢にもとらわれない「新・ボーダレスファッション」展示を取材!
【告知】落合陽一が監修!ダイバーシティ・ファッションショー「True Colors FASHION」をオンライン配信

今回は、「アートはSDGsにどう関われるのか?」をテーマに東京藝術大学と東京大学が開催したオンラインウェビナーに参加し、作品や表現を通して人々の感情に働きかけるアートと、193もの国が目標として掲げるSDGs、両者の関わりとは一体どんなものなのか、ウェビナー内トークセッションから紐解きご紹介していきます。

自然と調和し多様性を育んで発展していく人類社会のシンボル

先日、東京藝術大学が東京大学グローバル・コモンズ・センター(以下、CGC)を招いてウェビナーが開催されました。CGCが地球環境の危機を芸術に訴え、その力を地球と人類世界が持続していくために活用したいと、東京藝術大学にロゴデザイン制作を依頼したことが背景にあります。そこで東京藝術大学では、CGCの地球環境問題を中核テーマにしたSDGsへの先進的な取り組みと、前段の問いかけに向き合いながら、学生たちの参加を得てロゴデザインを制作。自然と調和し多様性を育んで発展していく人類社会のシンボルが東京藝術大学大学院美術研究科学生の石川真悠さんの手によって新たに誕生しました。

アートは、SDGsの達成にいかに貢献できるのか

今回のウェビナーでは、そのロゴデザインを初披露すると共に「アートはSDGsにどう関われるのか?」と題したトークイベントを開催。東京藝術大学からは理事・SDGs推進室長の国谷裕子氏、美術学部長の日比野克彦氏、東京大学からは前総長の五神真氏、CGCダイレクターの石井菜穂子氏が登壇しました。
地球温暖化や生物多様性の喪失など、人間によって地球環境は追い詰められ、1万年にわたり発展してきた人類文明を支えきれなくなりつつある今。共有意識をもってみんなで何をしていくのか、人間と地球の関係見直しの重要性についてもセッションを行った本トークイベントでは、文明の一部であり、文明の新しい地平を切り開く活動であるアートが地球と人類文明の関係修復を通じたSDGsの達成にいかに貢献できるのかを話し合いました。

感情を動かすアートでSDGsへの理解を深める

それでは一体どのようにしてアートでSDGsの達成に貢献するのでしょうか?
東京藝術大学美術学部長、日比野克彦さんは語ります。「SDGs一つ一つのゴールを達成するのは人間であり、ゴールを達成したいと思うようになるには数値的な目標だけでなく、心の底からそうしたいと気持ちが動かないといけない。その気持ちが動かなければ達成した先の継続に繋がらないので、人の心を動かす芸術に接続する部分が必ずあります。また、世の中的に芸術って社会の役に立つのかとこれまで言われてきましたが、芸術こそがSDGsや社会的に大きな課題解決に向けて人の心を動かす為に必要だと思います」

我々人間が生きる上でアートや芸術は役に立っているのか。
これはたびたび耳にする疑問です。確かに絵画や彫刻などと言われると普段の生活には馴染みの無いものかもしれません。ですが、移動中に聞く音楽や目にする標識、お気に入りの洋服などそのどれもが何かを表現するために創られたデザインでありアートなのではないでしょうか。アートは現代社会で生きる上で、生活の一部であり無くてはならないものだと思います。そして、共感したり自分だったらとそれぞれに考えさせたり、そこから多様性を生み出す事も一丸とさせる事もできるのもアートの凄みでありSDGsへの達成を可能にする為の一つの要因になるのではないでしょうか。

現在東京藝術大学では、SDGs×ARTs展『十七の的の素には芸術がある』を7月22日(木・祝)から8月31日(火)まで開催しています。現代社会において芸術が担うべき新たな役目、可能性を見つめるために立ち上がった「I LOVE YOU」プロジェクトの一環として開催される本展覧会では、東京藝術大学の学生・卒業生・教職員が参加。「芸術は、人を愛する」という信念に基づき、2021年はSDGsをテーマとし、アーティストたちが当事者として、社会課題に取り組みます。
ぜひみなさんの目線で「芸術はSDGsに接続できるのか」考えてみてください。


SDGs×ARTs展『十七の的の素には芸術がある』
開催概要 特設サイトはこちら

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