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剛力彩芽とZ世代とで考えるSDGs『そういう授業は“まだ”なかった』狭間にいる若者たちとSDGsの距離感


この記事に該当する目標
10 人や国の不平等をなくそう
剛力彩芽とZ世代とで考えるSDGs『そういう授業は“まだ”なかった』狭間にいる若者たちとSDGsの距離感

SDGs MAGAZINEがニッポン放送にてお送りしているラジオ番組で、パーソナリティを務める剛力彩芽さんとZ世代とでSDGsを考えるオリジナル企画「剛力彩芽とZ世代とで考えるSDGs」。今回は、フィリピンやネパールで国際ボランティアとして活躍した経験を持つ鈴木俊樹さんにお越しいただき、SDGsについて一緒に考えました。

インタビューへと入る前に。
みなさんは、学校教育にSDGsが組み込まれるようになったのはいつだかご存じでしょうか?
実はつい最近のことで、小学校では2020年度から、
中学校では2021年度からSDGsが組み込まれるようになります。遅いですよね・・・。
国内でSDGsが話題になり始めたのは2019年以降からですが、WEBニュースやテレビなどで浸透してくると、高校や大学の授業のなかでもSDGsが課題としてあがり、特定の授業に留まらず、幅広い学問においてSDGsに触れる機会が増えていったと思います。
2021年度から新たに改定される中学校の教科書では、社会科目だけではなく主要五科目すべての教科書においてSDGsが取り扱われるようになっています。あらゆる側面から持続可能な社会について考えること、考えることが可能なことがSDGsの良さでもありますよね。

教育に組み込まれ知る機会の多かったZ世代はエシカル消費、気候危機などSDGsに関心が高いと言われますが、Z世代の若者たちもひとくくりではありません90年代後半生まれの若者たちのなかには、授業で「SDGs」という言葉を聞く機会のなかった世代も存在します。
実際に今回インタビューを受けれてくれた鈴木さんはそんな狭間の世代である若者の一人です。
そんな彼との対話からSDGsとの関わりについて考えていきます。

―ボランティアを始めたきっかけとは?

剛力さん:本日はよろしくお願いします。国際ボランティアとして活躍していたと聞いたけど、そもそもどういうきっかけで海外ボランティアなどをするようになったの?
鈴木さん:シンプルに海外に行ったことがなかったので、行きたいという単純な動機からでした。海外に行くだけではつまらないので、そこで何らかの組織で活動してみたいという思いはありましたが、初めはSDGsやボランティアについて特に意識してはいませんでした。
剛力さん:そうなんだ。ものすごく明確な動機があったわけではないんですね。
鈴木さん:そうですね。学校でもまだSDGsについて習うことはなかったです。いわゆる「はざま」の時期でした。知る機会があまりなく、基本的に周りの人の興味関心も薄かったというか。ボランティアの団体の中では結構有名なワードなんですけど、一般にはまだ広まっていなかったと思います。当時、意識したことはなかったですが、実際のボランティア活動では、SDGsに掲げられている目標への達成に向けた取り組みも行っていました。ネパールに行った際の事例ですが、ネパールってアジアの中でも最貧と言われている国なんですけど、特にインフラの部分が不足しているという課題があって、僕たちはガスを生産するバイオガス装置を山村に設置する取り組みを行っていました。
剛力さん:SDGsに項目はあるけど、本当に現地ではそうやっていっているんですね。
鈴木さん:そうですね。基本的に向こうの人からの需要があることを行っているので、今回もネパールの方から依頼されています。フィリピンでは、日本と同じように台風大国で水害が多いのにも関わらず、防災知識があまり浸透していないので、学校に訪問してワークショップを開催したりしました。現地の学生とゴミ拾いや植林も行いましたよ。

―国内ボランティアを立ち上げるなかで知っていくSDGs

剛力さん:ネパールやフィリピンでの経験を経て、日本でもボランティアチームを立ち上げたそうだけど、今まで参加する側だったけど、いざ立ち上げて運営する側になってみてどうだった?
鈴木さん:国内で事例がなかったので、ゼロベースで、何もなかったところから1を生むとき、実際に何をしていくのか、チームで話し合って結論を出していくことが一番難しかったですね。
剛力さん:具体的にどういう活動をしていたの?
鈴木さん:日野市国際交流と協力し、外国人児童に向けて日本の文化や日本語を教える活動をしました。あとはフェアトレードのイベントも開催して、フェアトレードの商品を販売しつつSDGsに関するスライドショーを流したり、SDGsのマークを子供にフェイスペイントしたりしました。子供が楽しめるようなゲームのブースも設置していました。
剛力さん:そうやって楽しみながら広めていくってすごい大事ですよね。
鈴木さん:僕もSGDsに興味がすごくあったというわけではなく、活動していくうちに普通に興味とか楽しいという気持ちになってという点で価値観の変化がありましたね。
剛力さん:実際の声ってやっぱり説得力ありますね。

―相互理解から不平等をなくす

剛力さん:そして今はシェアハウスに住んでるんだよね?
鈴木さん:そうですね、若者支援プロジェクトで「KAMIKITA HOUSE(カミキタハウス)」というところに半年間無料で住ませていただいてます。
剛力さん:それは200人くらい応募があったって聞いたんだけど…なんで通ったの!?
鈴木さん:裏話は聞いてないんですけど、落とす人と受からせる人にはきちんとした理由があるということだけは聞きましたね。選考は、5個くらいの質問にそれぞれ400字程度で答える書類を出しました。今は住んでいる10人で話し合って、新しい企画とか考えてます。
剛力さん:住んでいてどうですか?
鈴木さん:楽しいです。自分の部屋もあるので自分の時間もあり、共有スペースで誕生日パーティーをすることもあります。もちろん気を遣う部分もありますが、多様な価値観を認め合える優しいメンバーが多いので、とても快適です。
剛力さん:そのなかでSDGs的なエピソードはありましたか?
鈴木さん:外国のシェアメイトと食事をしたとき、日本は外国人に家をあまり売ってくれないから日本に住むのは難しいと聞きました。もともとその話は聞いたことはありましたが、今でもそのようなことがあると知って、SDGsの10.「人や国の不平等をなくそう」が守られていないのを実感しましたね。
剛力さん:シェアハウスって、そういうふうにいろんな人と出会えるという点で興味があるな。
鈴木さん:目標がある人が多く、普段からビジネスライクな話とかも多くて、会話のレベルが高いような気がします。日常会話からいつも刺激をもらってます。
剛力さん:シェアハウスで多様な価値観を当たり前のものとして受け入れるという姿勢も、ある意味SDGsに関わってきているのかもね。
鈴木さん:僕がSDGsのなかでも気にしているテーマが「平等」です。フェアトレードのイベントを行ったのがきっかけですが、不平等というのは相互理解が不足しているからで、対人関係がまずは重要なんだというのが自分の考えで、そのための理解力を養えるのが国際交流であったりシェアハウスであったりすると思います。

―普段の生活とSDGsについて

剛力さん:最後に今個人でやってみていることついて教えてください。
鈴木さん:大それたことはやっていませんが、マイボトル、マイバッグを持ち歩くということは普段から意識しています。他にもフェアトレードの関連でエシカル商品というのがあって、商品ができるまでの流れがわかるようになっています。少し高価ですが、なるべく選ぶようにしています。ほんとに小さなことですが、できることからやってSDGsにつなげていきたいという思いです。
剛力さん:私も最近ようやくマイバッグを持ち歩く習慣がついてきたところです。レジ袋もらうときの罪悪感はすごくて。だんだん周りの人にも広まっているのかな?
鈴木さん:まだまだだと思います。これから少しづつでも広まってほしいですね。

今回お話を聞いたのは?

鈴木俊樹さん
23歳、社会人一年目。学生時代に海外ボランティアに2回参加。国内ではNPOに属する国際ボランティアチームの立ち上げ、イベントの企画なども手がけた。現在は都内で会社員をしつつ、大型国際シェアハウスの「KAMIKITA HOUSE(カミキタハウス)」に住んでいる。